1/5
プロローグ
魔女狩りが盛んになった中世のヨーロッパ。
スカンディナヴィア半島の南に位置するヴィルトワ王国は長い歴史を持ち、周りの小さな国々を合併し、王族の血を一度も絶やすことなく繁栄してきた由緒ある王国だ。現国王のエリオット・ヴィクトルには兄のアルフレッドと弟のバルタサールというまだ幼い息子が二人いた。
この王国でもたびたび魔女だという容疑をかけられた女が無残にも犯され、殺されていく。王国内では魔女狩りは禁じられているはずだが、民衆はそれにひとつも耳を貸さない。なぜなら魔女は民衆にとって悪の象徴であり恐怖そのものであるからだ。しかしその思想が暴走し始め、なんの罪もない女は何も言えず、言わせてもらえず殺されていく。
国王のヴィクトル・エリオットは
「狂っているのは民衆たちではない。世界自体が狂っているのだ。この混乱を沈めるには成果を挙げなければならない。」と説いた。
この王国の長い歴史の中、多くの言い伝えが残っている。その中には魔女に関するものもある。
「西の森には魔女がいる。しかし彼女は我々に幸福をもたらしてくれる。禍いをもたらすというのは嘘だ。禍いはいつも人の弱い心からやってくる。それを彼女は教えてくれるのだ。」
しかし魔女狩りという狂気はこれを無視し、逆にこれを破ろうとした。
それがこのお話の始まり。




