2話 1匹のピクシーに出会いました~主人公ステ紹介~
2話目です。
11/22:主人公のステータスと魔法の使用を変更しました。
11/25:獣人族の猫→狐にしました。(虎いるから猫はいらないな!と言う理由w
風が肌を撫でる。
草が揺れる音が聞こえる。
若葉の優しいにおいがする。
視界に薄っすら光が差し込む。
「ん、ん~~~っ、はぁ!」
身体を起こして背伸びをする。
皆さん、おはようございます―とつぶやいてみてから目を開ける。
そして視界が光で満ち、景色が浮かび上がる。
「ここは・・・・草原だよな?」
辺りは瑞々しい新録な若葉が生い茂る草原である。
どうやらそんな草原のど真ん中で寝ていたようだ。
しかも自分だけがポツリといるだけなのだ。(ボッチですか、そうですか!)
日もまだ少し登ったくらいだろうか、太陽はそんなに高くない。朝の7時くらいかな?
「一体ここはどこなんだぁ~、ハァー」
ため息をつきながら頭を掻く。
すると手になんか柔らかい感触が伝わってくる。なんだ?
それを引っ張ろうとつかんだ瞬間―――
「ふにゃ!」
自分の体に少し変なというか、なんとも言えない感覚が走った。
しかも何、今の声。俺が出したのか。恥ずかしすぎるだろう、おいっ。
そんなことを自分に投げかける。
よくよく考えれば声のキーもだいぶ高く、まるで女の子の声だ。
視線を今まで景色に向けていたものを下にする。自分を見て恰好。
そこには落ち着いた青い色をした服が見え、少し控えめな膨らみが主張していた。
思考が少し止まる。顔が引くつったのが自分でもわかった。
両手を服の上から膨らみに添える。揉んでみる。柔らかい。
その揉まれた胸の感触が手に、揉まれた胸からも自分の体に感覚が伝わってくる。
「なんじゃこりゃぁ~~~~~」
草原に驚愕めいた、世界の終わりのような女性の声が響き渡る。
「えっ!胸!!なんでそんなのが俺にあるの!?俺、男だぞ」
数秒の間。しかし本人には10分くらいに感じるほどの驚愕の間。
「まさか・・・・・」
やっと回復した俺は、両手を移動させる。今度は胸より下に。両足の付け根のその真ん中に。
28年間連れ添った相棒がある場所に。
しかし――
ないっ!!!
何度も股を服の上から押してもそこにあるはずのものがないのである。
ガーンΣ( ̄ロ ̄lll)
頭からさぁ~という音が聞こえそうなくらい血の気が引いた。
そこから体中をまさぐり始め、俺の・・・ううん、私の現実を改めて理解した。
いや、せざるを得なかった。
胸があることを!
男の象徴がなくなっていることを!
おなか周りがすごくくびれていることを!
さっき髪のなかで触ったものが自分の耳であることを!
そしてお尻に1本の立派で縞々なしっぽがあることを!
「俺・・私・・・・女になっちゃったの!」
「しっぽあるんだけど!」
「けもみみもあるんだけど!けもみみもあるんだけど!!」
大事なことなので2回言いました。
そして自分の服装を再確認する。
「この青い上着にYシャツチックなインナー、腰のベルト、黒い短パンに黒ニーソ、そして革製のロングブーツ・・」
「私がさっきPCで描いたキャライラストの恰好じゃん!」
「マジかぁ~・・・・そういえば腰に描いて帯刀してたはずの刀はどこに?」
自分の周りを探すと、近くの草原の草に沈むようにそれはあった。
もちろん、自分が書いたイラストのままの刀が2本横たわっていた。
ということは、もしかしてこの刀の使い方はきっと余白に描いた設定のギミック通りなはず・・・
片方の刀を手に取り、柄を持ち、頭の中でイメージをする。
刀を鞘から抜くイメージを。
バシュッ———
機械式鞘が上下に開き、刀身が鞘から解放される。
引き抜く。
シャラン———
青みがかった透き通った刀身が現れる。
刀身は80cmほどあるだろうか。柄まで入れると110cmほど。
まぁ、日本刀をイメージしてもらえば分かるだろう。
素材はオリハルコン。えっ?オリハルコンは普通黒いって!
誰がオリハルコンは黒じゃないって決めたんですか!決めるのはイラスト描いた私です。
ぷいっ。っと頬を膨らませ試しに耳を動かしてみる。
ピクピクと両耳が少し動く。私、歓喜。
私って結構、順応力高いかも(笑)
刀を確かめたとこで再び納刀する。機械式鞘が反応して自動で閉じられ納まる。
我ながらいい出来だ。と褒めてみたり。
もう片方の刀も持ち上げ、腰のベルトに固定させ2本とも帯刀する。
「さて、一通り自分と武器の確認はできたけど・・・・これからどうしたらいいんだろう」
「まず今いるこの草原がどこなのかもわかんないからなぁ~」
「お腹も空いてきたし」
くきゅ~~~
可愛い音が聞こえた。はい、私のお腹の音です。
頬が少し赤くなる。
とりあえず人が利用してそうな道がないか探してみよう。
運が良ければこの異世界?の人と会えるかもしれないし、その人にこの世界のこととか聞きたいし。
レッツ・ゴー!
とりあえず南に歩くことにした。太陽の方向ね。
歩くこと1時間———
道を発見しました。(やった~道だぁ~と心の中で泣く)
にしても、結構暑い中歩いたのに疲れないな。不思議。
でも気分的に休憩したいので、道端の木の下に腰を下ろす。
食べ物ほしい・・・・
腰を下ろして10分くらいだろうか。上から声が聞こえる。
『こんなところに人がくるなんて珍しい』
『しかも女の人で腰に何か持ってるのは、あれは武器かしら?』
『ってことは女冒険者さんなのかしら』
そんなコソコソ話のような声が聞こえるのでそちらの方に目を向ける。
腰を下ろしてる木の枝に1匹の小さな人型で羽の生えた生き物がこちらを見ていた。
大きさにして15cmくらい。たぶん女の子。
あれは?ファンタジー世界でいうところのピクシーなんだろうか。
お互いの視線がぶつかり、気づく。
「えっ、もしかしてあなた、私が見えてるんですか?」
「えぇ~と、もしかして見えちゃまずかったのかな?」
「普通の人は私たちを認識することができません」
「できるということはあなたは少なからず魔法の才能があるということになるのだけれど」
魔法の才能?あぁ~そういえばこのキャラ、ステータス設定の時に魔法習得してたはず。
いまさらになって思い出した。
でもこの世界に来てから、視界にステータス画面を表示するためのアイコンのようなものもないし、どうやって自分のステータスを確認すればいいんだろう?
「ちなみに聞くけどこの世界に魔法の才能がある人ってどれくらいいるのかな?」
「かなり少数よ!そうね。1万人に1人くらいかしら」
かなえい確率が低いことに驚いた。そもそもゲームなのだからもっと多いと思っていた。
今になって思うとこれ本当にゲームなのか?
そんな疑問が頭に浮かぶが、それより先にほかに質問があるので聞いてみることにした。
「質問してもよろしいですか?」
「えぇ、構いませんよ」
「あっ、俺・・・(じゃない)・・私はミキ・シラサギよろしくね、見ての通りケモミミ獣人です」
「私はアリア、ピクシーよ、よろしくね! ミキ・シラサギさん(ニッコリ)」
やっぱりピクシーであってたようだ。ファンタジー知識バンザイ!
それにしてもちっこくて可愛いなぁ~。
おっと、いけない、いけない、和んでる場合じゃない。
「じゃぁ~アリアさん」
「アリアでいいわよ」
「了解! アリア、実は私、今の自分の状況がよくわからないのだけれども!」
「はぃ?」
アリアの頭の上に『?』が浮かんでいる。
まぁ~普通そうだろうな、いきなりそんなこと言われたら。
私も意味が分からない、チュートリアルとかないのかよ。
そんなことを想いつつ、次の言葉を発する。
「だから取り合ずここがどこなのかと自分の能力がどの位なのか知りたいんだけ・・・」
なんか呆れたような表情になったアリアが一から細かく教えてくれた。
まずこの世界は【クリスタリア】と言う名であること、現在いるここは【ファルカの草原】と言う場所であること。種族は大まかに人族、獣人族(犬、狐、兎、虎、龍)、妖精族(エルフ、ピクシー、ドワーフ)の3種族(計9種)らしい。
私は確か【虎】で設定したなぁ~と聞きながら思った。
「あなた【獣人族】で【虎】で間違いないのね?」
「はい、そうです」
「珍しいわね、白い虎の獣人さんなんて!」
「ん~、あなたの力の強さとか、職業とか、俗にいうステータスってやつなんだけど?」
「どうやってステータスを確認したらいいんですか?」
「どうって、眼をつむって、冥想すれば頭の中に浮かんでくるでしょ?」
またもアリアに呆れ顔をされてしまった、すいません。
ともかくやり方を教えてもらったので早速やってみることにした。
眼をつむっていざ、冥想。
ん~・・・
おっ!なんか浮かんできた!!
―ステータス―
名称:ミキ・シラサギ
Lv :1
性別:女性
年齢:16歳
種族:獣人【白虎】(上位種)
職種:魔法剣士
身長:163cm
体重:4じゅ「わぁ~見ちゃダメ~(恥)」
スリーサイズ:B80(C)・W56・H72
HP:5000/5000
MP:10000/10000
ATK:1000(+10,000)
DEF:800(+8,000)
INT:1000(×10がMPになる)
SPD:800
武器:蒼龍刀×2(オリハルコン-神級)ユニーク
蒼龍の牙をオリハルコンと共に鍛え上げた刀
魔法伝導率が通常の10倍
攻撃力+5000×2
装備者固定:ミキ・シラサギ
防具:蒼龍鱗の軽装一式
蒼龍の鱗とオリハルコン糸を編み込んだ一品
魔法伝導率が通常の10倍
防御力+8,000
装備者固定:ミキ・シラサギ
~魔法~
・火魔法:Lv.10(MAX)
・水魔法:Lv.10(MAX)
・風魔法:Lv.10(MAX)
・土魔法:Lv.10(MAX)
・雷魔法:Lv.10(MAX)
・光魔法:Lv.10(MAX)
・闇魔法:Lv.10(MAX)
・治癒魔法:Lv.10(MAX)
~耐性~
・火魔法:Lv.10(MAX)
・水魔法:Lv.10(MAX)
・風魔法:Lv.10(MAX)
・土魔法:Lv.10(MAX)
・雷魔法:Lv.10(MAX)
・光魔法:Lv.10(MAX)
・闇魔法:Lv.10(MAX)
~スキル~
・武術の才:二刀流(免許皆伝)
・刀剣舞踊(敵との戦闘で、まるで舞を踊っているように斬撃を振るう)
・魔術の才:大賢者
・魔刀付与術(刀への魔力伝導率が通常の10倍)
・魔術合成(2種類以上の魔法を合成可能)
・無詠唱魔法(イメージで魔法を行使できる)
・経験値ブースト(得た経験値×3倍)
・体術(免許皆伝)
・投擲(師範代)
・自動防御(体表に常時薄い透明な魔力の鎧を纏う-ダイヤモンド並み)
・念話(9人まで同時に可能)
・料理(匠)
こんな感じらしい。
魔法や耐性のLvあげるのにでSP結構消費したからなぁ。魔法関連が全部カンストしてしまったのには驚いたけど。あとはスキルを習得するのにも結構SP消費したな。我ながらチートだな(笑)
そんなことを冥想ついでに思いながらステータスを確認していたら、アリアが話しかけてきた。
「じゃ~私も君のステータス確認させてもらうわね!」
「少しおでこくっつけるから、じっとしててね」
そう言って、本当に私のおでこにアリアのおでこをくっつけてきた。
アリアから花のようないい匂いがする。小さいピクシーでも女の子にこんなことされるとドキドキ。
こういうところは男(元)だなぁと思わず反応してしまう。
少ししてアリアの大きくてクリクリした可愛い両目が、これでもかというほど開かれた。
「白虎ってうそっ!虎の獣人でこれになれるのって1000年に1人いるかいないかの種族じゃない」
「魔法も全種類使えるって、4種類使えるだけでも王宮に召し抱えられるのに」
「それにそのほかのHP、MP、ATKとかの数値も高すぎる」
「ミキさん!あなたいったいな者なの!?」
「私にもよくわかりません、はははっ・・・」
「まぁ~でもまだLv.1みたいだし、魔法もLv.1が使えるくらいかしら、でもすごいわ」
「白虎なんて今まで見たことなかったからすごい驚いたし、ステータスが尋常じゃないのも種族の問題かしら?」
あれ?魔法のLv.カンストしてるんだけど・・・もしかしてそこまでは他人からは見えないのか。
スキルのことも言ってこないし、そっちも見えてないのかも。全部見られるよりはいいか!
「ミキさん、あなたこれからどうするの?」
「えっと、とりあえずどこか宿がある町に行きたいんですけど、お腹も空いてきてるので」
「ふむふむ、ならここから1番近い【メリッサ】って街まで一緒について行ってあげる」
「このあたりで1番大きくて治安もいいところだから」
「距離はここから道沿いに西へ20kmくらいだから、お昼ごろには着くでしょ」
「本当ですか!ありがとうございます」(ペコリ)
「でも、途中に魔物出るから!遭遇したらお願いね!私、戦闘無理だから」
やっぱり魔物いるのか!どんな魔物がこの世界いるんだろう・・・・
遭遇した時に考えよう。
「どこまで戦えるかわかりませんが、やってみます」
「じゃ、ミキさんよろしくね~」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
こうしてやっと、冒険が幕上がる事となった。
これから先の出来事を、当人はまだ知るよしもない。
文章力ないなぁ~・・・ごめんなさい。