まあでも、嫌いじゃない。
「――でさー。マジありえないって」
「だよねー」
なんて、適当に相槌を打つ。そんな日常。
面倒くさい。
たぶんみんなも、なんとなくそう感じているはずだ。それでも、誰も言わない。
そんなことを言えば、その日から関係は終わってしまう。
だから、誰も言わない。
意味のない、中身のない、取り止めのない会話。そんな話を、飽きもせず延々と続ける。
誰が言い出したのかは知らないけれど、そんなことも気にせず、思ったことをただ口に出す。
否定はしない。ただ、頷く。これは傷の舐め合いのようなもの。
「ねえ、聞いてる?」
「う、うん。聞いてるよ」
「ならいいんだけど。それよりさー」
おっと、危ない。聞いていないということは、否定するより悪だ。
それは、関心がないということだから。そうだと分かると、相手にされなくなってしまう。
面倒くさい。
話が突然変わって、あのアイドルがどうだとか。そうかと思えば学校での愚痴になったり。
面倒くさい。
けれど。こんな関係に、救われているのも事実だ。
暇な時には適当に話せる。
大抵は否定されないから。
余計なことを忘れられる。くだらない話も、案外悪くない。
その分、私もそういう風に便利に利用されているのかもしれないけれど。
まあでも、こんな日々も、嫌いじゃない。
短編はさっと書けてしまうから単調な感じになっている気がする。
感想などありましたらお願いします。