第八話
「ただいまー。佐助ー、帰ってる~?」
「帰ってるー。今セットしてるとこー!」
お、もう帰ってたか。そしてやることがゲームのセット。まぁ、しょうがないけどね。
「で?課題は終わらせたの?」
「ハハハッ。何言ってんのさ姉ちゃん。一月はある休みの課題がそんな簡単に終わるわけ無いじゃん。」
「……………一応聞くけど、やりはしたんだよね?」
「そりゃもちろん。やらなきゃ報復が怖いし。」
何さ報復って!やることと言ったらただゲームを隠すだけだよ。………一週間の強制お手伝いという罰と共に。
「まあ良いわ。んで?」
「あぁ、姉ちゃん昨日特殊AIから話は聞いたでしょ?あれって完全に実装した時のものじゃないから、内容が薄いんだよね。」
「へぇ~、そうなん…………じゃなくて。私はどうすれば良いの?」
「あ、そっち?やることは特に無いかな?何で?」
「だって昨日やったとき私の部屋でやったのに。何でここに設置し直すの?」
「あぁ、そう言うこと。簡単だよ。母さんがこのゲームを管理しているから。」
「え?母さんが?」
「そう。最近の若者はゲームをやる時間の限度を知らない!幾ら姉ちゃんが頼りになっても、念のため私が管理するって。」
「あ、夜更かし防止?それなら私も母さんと同じ事を考えてたから私は良いけど、アンタは良いの?」
「んぁ?俺?どうせ許可無きゃ没収されんだろ。なら許可出ただけマシだ。」
「……………アンタ、そういう所はさっぱりしてんのにね。」
「どういう意味だよ!」
「べっつにー」
「ったく、姉ちゃんのもセットするから、持ってこいよ。」
「了解。」
~1時間後~
「だぁー、疲れた~。」
「お疲れ様。ほいこれジュース。」
「おぉ~、サンキュー。………ってあんまぁ~。ナニコレ?オレンジジュースにあんこ溶かし入れて、更に砂糖を入れた上にバニラビーンズまで入れたぐらい甘いんだけど。」
「お、さっすがグルメ(笑)。入れたヤツ全部当ててる。まぁ、強いて言えばオレンジ味の飴ちゃんも入れたよ?」
「お前が作ったのかよ。ってかグルメ(笑)って何だ!ったく、これから迂闊に物も貰えないな。」
「そこはほら、中身に含まれてる悪意を…「感じとれってか!?そんな事出来るわけ」…無いって言ったら爺ちゃんの訓練更に厳しくなるよ。」
「おいおい、その話が出るってことはまさか、」
「うん。爺ちゃんからのお達しが来た。夏休み中に一週間は此方に来い、技術が下がってたら3倍地獄コースだ! だって。」
まだ何もされてないのに口から魂漏れ出てる。写真を撮って、爺ちゃんに送ってあげよ。確かこういうの好きだった筈だし。…あ、返信来た。
「何々?"幽体離脱を覚えたいのか?"ぷふっ。ほら佐助、アンタが魂出しかけてるから爺ちゃんに幽体離脱を覚えたいって思われてるわよ。」
「………………ハッ!嘘、だよな?嘘だ、嘘だって言ってくれー!!」
ちなみに、爺ちゃんは本気にしてません。……多分。…………してない…よね?きっと。何か出来そうだけれども。
「まぁ、頑張ってちょ。」
「………………お前も道連れだからな」
「んなコタ分かってるわよ。どうせ私は婆ちゃんから色々指導が来るんだから。」
「あぁ~………………がんばれ。」
「アンタもね。」
何だろう、まだ午後三時位なのに暗いや。