第四話
「……ん?んん?」
おぉ~、真っ暗。なんにも見えないや。てっきり草原みたいな場所に出てくると思ったんだけど?
『いらっしゃいませ。』
「わきゅお!!?」
び、ビックリした~。お陰で変な声が出ちゃったよ。なんなのさ、わきゅお!!?、って。
『あ、申し訳ありません、配慮が足りませんでした。』
「え?あ、いえ、別になんともないので。こちらこそお恥ずかしい所をお見せしまして。」
………?って今話してるのはAI?それともGM?
『あ、私は本ゲーム、"Generic World Online"の案内人に当たります、特殊AIです。』
「あ、これはご丁寧にどうも。私は…………あの、これってアバター名の方が良いですか?」
『あ、どちらでも。』
「分かりました。では、リアルネーム壱川悠莉で、アバター名はトラティーニ=ルーズベルトを予定しています。」
『…はい。悠莉様で、トラティーニ=ルーズベルトを希望ですね?……………はい。お名前で被っているアバター名はありませんので、大丈夫です。それでは、トラティーニ=ルーズベルトで登録しますか?』
「あ、お願いします。それとですね、ちょっと聞きたいことが有るんですが。」
それもかなり気になる事が。
『えー、ゲーム内での情報はそこまでお教えできませんが?』
「あ、大丈夫です。多分そこに関わりは薄いと思いますから。ただ、他言はGMにもしないでください。」
『………そういうことでしたら、了解しました。』
「ありがとうございます。それで、聞きたいことなんですが、多重人格は、この中でも起こること何ですか?」
『………それは、何とも言えませんが、多分起こると思います。』
「そうですか。分かりました。」
『あの、多重人格何ですか?』
「ん~、多重人格というよりは、他の世界の私に当たる人が入ってきた感じ、ですかね?」
『は、はぁ。』
「まぁ、気にしないでください。」
『そうですか。それではアバター作成に移りたいと思いますが、宜しいですか?』
「お願いします。」
やっとアバター作れるよ。AIが優秀過ぎるのがある意味問題なのかな?
『アバターなのですが、トラティーニさんのリアルのお体をベースにして作成しますので、あまり体は弄らない方が良いと思います。』
「…それは新しい体に慣れないから、ですか?」
『はい。ゲーム中で動かせても、現実で動けなくなる可能性もありますので、お薦めは致しません。ですが、プライバシーの問題もありますので、髪や眼、肌の色等を変えられた方が良いと思います。』