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だいしちしゅ つきかげの さへわたりたる 凍夜空 みちたるすがた ともにのぞむや
第七首
月影の 冴へ渡りたる とふよぞら 満ちたる姿 共に望むや
ねぇ。
こんなに寒くて静かな夜は、小さな声でも、どこまでも届きそうじゃない?
月の光が凍える空気を滑るように、その明るさが湖を浮かび上がらせるように。
風のそよぎが六花を散らすように、その煌めきが時を凍てつかせるように。
星の歌が何千何万の時を超えて響くように、そのささやきが夢に涙するように。
海の波が命を揺らすように、その抱擁が愛しさを湧き立たせるように。
そっと、つぶやいてみる。
すきだよ。
つきかげの さへわたりたる 凍夜空 みちたるすがた ともにのぞむや
唄や詩で、遠くの人と同じ月を眺めてると謳われるのは、こんなふうに、月にも手が届きそうな気分を感じてなのかも。
月に手が届くなら、この地球のどこにだって手が届くよね。
そしたら、手を握って、同じ月を眺めようか。




