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一人百首  作者: 奈月遥
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だいしちじゅうはっしゅ めじろらが ほそきえださき おしあひて ほほゑましくも はらはらまもる

第七十八首

目白らが 細き枝先 押し合ひて 微笑ましくも はらはら守る


 わたしが大学三年生になった春のこと。

 部活の新歓コンパに行くために、かわいい新入生たちを引率してバス停で待っていたの。

 わたしがバスの時刻表を眺めている間に、新入生たちは待合場所とバスの停留所とを遮る柵に並んで腰かけていて。

 メジロみたいだね、と言ったら。

 メジロ? と、首をかしげられた。

 メジロはね、春先のまだ冷える頃には、梅の枝に身を寄せて。互いに寄り添って、押し合って、暖を取るの。その様を、目白押しと呼んだのよ。

 そう説明すると。

 へぇー! と目を輝かせて。

 ほんとに素直で愛らしい。

 それから、みんなでリズムよく、めじろおしっ♪ と唄いながら。

 おしくらまんじゅうして。

 体がぶつかる度に、少し体が浮かび上がって。

 微笑ましい光景だと、慈しみたいと思うのと同時に。

 小さい頃、ガードレールに腰かけて、すべって後ろに落ちて、後頭部をぶつけて、血を流した身としては。

 とてもとても、心配になってしまい。

 はらはらとしながら、見守っていたのよ。

 ああ、どうしましょう。

 せっかく仲良くしてるのに、止めるのも無粋だし。

 かといって、ケガしてしまうのを放っておくのも、慈悲がないし。

 半々の心のまま、バスを待っていたわ。


めじろらが ほそきえださき おしあひて ほほゑましくも はらはらまもる


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