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第七十七首 速き瀬に 打たれたりける 滝巌 動かざるのは 彼の決意かな
だいしちじゅうしちしゅ
はやきせに うたれたりける たきいはほ うごかざるのは かのけついかな
日本の川は、世界からすればかなりの急流であり、あちらからすれば、どれも滝と言われるほどだ。
そんな激しい流れの中で、人の人生の千倍万倍でも足りないほど長い年月を打たれ続けている巌がある。
その巨体は、いくら流れが速くなろうが、水嵩が増そうが、けして動いたりはしない。
表面は削れるというが、それも人が一度で生きる間では短すぎて、実感が湧かない。
それほどまでに強靭であるのは、恐らくはあの巌の決意が強靭であるからだろう。
そう、彼の決意がそうであるように。
速き瀬に 打たれたりける 滝巌 動かざるのは 彼の決意かな




