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だいろくじゅうしちしゅ あしひきの やまをかざるる つつじかな つやなるゆめに てふもさそはる
第六十七首
足引きの 山を飾るる 躑躅かな 艶なる夢に 蝶も誘はる
足を引きずって歩くほどに、長い武蔵野の山の稜線を。
埋め尽くすほどに、躑躅の花が紫に飾る。
大きな花びらが、鮮やかな色を香らせて。
甘い蜜が人の心を誘ってきて。
夢の中にいるみたい。
だから、蝶々もふらふらと、夢に酔っているのね。
あしひきの やまをかざるる つつじかな つやなるゆめに てふもさそはる
そんな躑躅の花が醸し出す甘い夢に惹かれて。
坂を上り、山に分け入り。
花をひとつ、摘み取って。
蜜を含んで、眠るのは。
陽だまりも、ぽかぽかで。
とっても贅沢ね。




