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だいしじゅうろくしゅ そらにちる ほしをうつして みずかがみ まどろむなみに いだかれたしや
第四十六首
空に散る 星を映して 水鏡 微睡む波に 抱かれたしや
夜の海は静か。
波も穏やかで、空の星を映す水鏡。
夜空が向かい合って、二つ。
おかしな風景。
空の星に、海の星。
空の星は、雲にまぎれて隠されて。
海の星は波にさらわれて揺蕩って。
漣のリズムが、お母さんの鼓動に似てる。
ずっと眠っていた、生まれる前の日々。
少しの記憶もないその頃がなつかしくて。
少しの記憶もないと言えば、眠ってる時もそう。
夢は別だけど。その頃のことも、夢に見る。
あのぬくもりと優しさと。
あの慈愛と平和と。
泡の中。外の音を聞きながら、生まれる世界を夢見てた。
今。
あの海の漣に飛び込んで。
地球を包み、始まりの生命をその胎内で育んだ母に。
その両手でなく、体に包み込まれて。
抱かれたいと思う。
そのまま穏やかな眠りに落ちて。
朝日といっしょに目覚めたい。
きっと、気持ちいい。
そらにちる ほしをうつして みずかがみ まどろむなみに いだかれたしや




