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一人百首  作者: 奈月遥
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だいしじっしゅ よにしきる はるさめさむく ふゆなごり いろりはいらず きみにぞはべる

第四十首

よに(夜に)頻る 春雨寒く 冬名残 囲炉裏はいらず 君にぞ侍る


 本当に、冬が終わって春に入ってから、雨が止まないこと。

 昼は上がっても、夜にはまた降りしきる。

 雨水とは、確かに、雪から雨と変わっているけれど。

 雪よりも滴は冷たく。

 静かな雪と違って、ざわめく。

 むしろ、冬の物寂しさを引きずっているの。

 春雨と、その名前に春と付きながら、実際は紛れもない冬の名残なのよ。

 でも、いいこともあるね。

 雨だと、ふらりとどこかへ行くなんてできなくて。

 好きな人といっしょにいられる。

 雨が濡らす夜は、肌寒く感じるのは確かだけど。

 もう、暖房器具は必要ないよ。

 だってさ。

 こうして、あなたにぴったり寄り添って。

 伝わってくるぬくもりが。

 どんなものよりも、心地よい温かさで。

 この上なく幸せな気分に浸れるのだもの。

 こら。逃げるな。


よにしきる はるさめさむく ふゆなごり いろりはいらず きみにぞはべる


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