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一人百首  作者: 奈月遥
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だいさんじゅうしちしゅ あさつゆの こぼれるおもひ いかほどか ひとはしりせぬ つきにあらねば

第三十七首

朝露の 零れる想ひ 如何程か 人は知りせぬ 月にあらねば


 秋の終わりに、庭の草から朝露が零れた。

 誰にも、その気持ちはわからないでしょう。

 だって、その朝露は太陽の光が差し込めばすぐに消えてしまうから。

 その滴を見ることができるのは、日がやってくる前、遅くまで残った月しかいないでしょう。


あさつゆの こぼれるおもひ いかほどか われはしりせぬ つきにあらねば


 だから、月でないあなたには、想像もできないでしょう。

 そもそも知りもしませんものね。

 わたしが夜の間に、枕を濡らしているなんてことは。

 それが、どれだけのさみしさとかなしさから零れているのかは。

 だって、あなたに逢う時にはもう、目尻を伝った滴は消えてなくなってしまっていますものね。

 くすん。


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