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第三十四首 果てもなき 空を渡るは 風なれど 果てなき想ひ 持つは人なり
だいさんじゅうししゅ
はてもなき そらをわたるは かぜなれど はてなきおもひ もつはひとなり
何処までも続く空。
この星を包み込む空。
その空を翔るは風。
その流れは止まるとも、流れを伝える大気はなくなりはしない。
言い換えれば、大気が動く様を風と言う。
風とは動き。
その動きの始まりは、何か。
波か。
日の熱か。
地の身動ぎか。
或いは、人はその言の葉を口で紡ぎ、音と成す。音もまた風。
ひとつの声は、一人に届く。その一人が二度繰り返せば、二人に届く。
その風は途絶え途絶えではあるけれども、世界を渡る。
そう、悠か高くを吹き抜ける気流と同じように。
そしてそのひとそよぎは、人の想いによって生じる。
果てのない平和と幸福を望む想いを、人がその心に持つ。
果てもなき 空を渡るは 風なれど 果てなき想ひ 持つは人なり




