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一人百首  作者: 奈月遥
22/103

だいにじゅういっしゅ ゆふなぎに あかになみうつ あかねぐも おともなくとも こころゆられる

第二十一首

夕凪に 赤に波打つ 茜雲 音もなくとも 心揺られる


 秋の日はつるべ落とし。

 太陽は、もう山に沈みきって。

 暮れなずむ空。

 茜雲は、さざ波のように、穏やかな調べ。

 凪。夕凪。失われた風。誰も、誰かを遠くに連れて行ったりしない。さらわれることもなく、この足で歩く。思いのままに。

 イメージの中で、波打つ音。

 海の音。

 転じて。

 聞き覚えのない空の音。波の音。光の音。紅の音。

 炎の音? いいえ、命の鼓動。

 音がないのに。

 音がなくても。

 命が感じ取る。その響きを。

 さわさわと。

 ふつふつと。

 ゆらゆらと。

 溢れてくる。

 空に手を伸ばして。

 紅の波に、心をたゆとってみる。

 ゆられる、ゆられる。

 きっと、ゆりかごの中はこんな心地なんだろう。

 

ゆふなぎに あかになみうつ あかねぐも おともなくとも こころゆられる


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