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だいじゅうきゅうしゅ はくいきも しろくたなびき さまよふは ゆきたしとこふ こころあるかや
第十九首
吐く息も 白くたなびき 彷徨ふは 行きたしと請ふ 心あるかや
寒い、寒い。
雪も降らない夜は、雲もなくて、星が綺麗。
でも、さみしいね。
ため息ひとつ。
白くたなびいて、行き先もなくて、ふらふらと消えずに彷徨ってる。
どこに行きたいのか、なんて。
そんなの、吐き出した本人が一番よく知ってるよ。
はくいきも しろくたなびき さまよふは ゆきたしとこふ こころあるかや
吐き出された息も、吐き出した人間と同じように、あの人のところへ行きたいと請い願う心があるんだろうか。
あっても、困るんだけどな。




