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だいじゅうはっしゅ かぜはこぶ さくらのかほり かぎたれば おもひはせなむ とはのゆめぢに
第十八首
風運ぶ 桜の薫り 嗅ぎたれば 想ひ馳せなむ 永遠の夢路に
風に運ばれてくる春の薫り。
和菓子のような甘いけれど、しつこくない薫りが漂うのは、里桜。
花びらが塩漬けにされる品種が含まれるもので、八重咲きのも多い。
春も少し遅くに花開く。
なんとなくだけど、風も春の陽射しをたっぷりと含んで、眠たげなぬくもりを伝えてくるような。
ふぁ~あ。
ねむねむ。
このままお昼寝したら、幸せな夢が見れそう。
桜の花を見ながら、いっしょにさくら餅とか、はむはむしたり。
ベンチにふたりで座って、うとうと、肩に頭を乗せちゃったり。
幸せ、幸せ。ずっと続けばいいのに。
かぜはこぶ さくらのかほり かぎたれば おもひはせなむ とはのゆめぢに
むにゃむにゃ。
桜の薫る夢で、だいすきなだれかに出逢った。
どこに行ったら、いつになったら、出逢えるのかな?
夢の路を通って、逢いに行こう。
桜の薫る風を、追いかけて。




