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一人百首  作者: 奈月遥
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だいじっしゅ すみわたる こはるびよりに さそはれて ゆくてしらずに とをひらくかな

第十首

澄み渡る 小春日和に 誘はれて 行く手知らずに 戸を開くかな


 小春日和には外に足を運んでみよう。


 お母さんに笑顔向ける子どもが駆けていたり。

 お日様はそれを見て柔らかく微笑んでる。


 花水木の葉が赤く頬を染めていたり。

 落ち葉の絨毯はカシミアよりも味わい深い足触り。


 落ち葉を蹴って。

 風の降らした彩りが舞う中で。

 ステップ踏んで踊ってみたり。


 さわさわと揺れるススキの中に飛び込んで。

 くすぐられながら。

 お部屋のお掃除をしてないことを思い出したり。


 名前も知らない草たちが。

 種をスカートの裾にくっつけて。

 新しいデザインにしてくれたり。


 歩きながら、くるりと回れば。

 空は夢みたいに澄みきった青で。

 遠く遠く、ハクチョウの溢した羽みたいに。

 旅立つ枯葉みたいに。

 どこかに辿り着けそうで。


 きっとそこには、穏やかな幸せがあって。


 わたしの涙と。

 きみの笑顔を。

 探しにいこう。


 こんな小春日和には外に出かけて。


 わたしの息と。

 きみのくちづけを。

 置いてこよう。


 だから、どこに行くのかはわからないけど。

 小春日和に誘われて、戸を開いてみよう。


すみわたる こはるびよりに さそはれて ゆくてしらずに とをひらくかな


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