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一人百首  作者: 奈月遥
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第九十九首 美しき 枯山水の 姿には 祖より伝わる いしぞ見えたる

だいくじゅうくしゅ

うつくしき かれさんすいの すがたには そよりつたわる 石(意志)ぞみえたる


 京都のお寺には、見事な枯山水が幾つもあり。

 本当に、いつまで見てても飽きないものでした。

 この枯山水。

 仏教で語られる世界を模したものだそうで。

 水を使わずに、水を表現するところに、美の奥深さを見出されたそうで。

 確かに、水の移ろいや透明感を、水でないもので表現するのは、今さらながら感嘆するしかなく。

 それと置かれた石は、山や島を表しているとか。

 その石は、置かれたまま動かされることはありません。

 しかし、海を表す砂は、風にさらされ、くずれ、形を失うので。

 定期的に、聞くところによると、毎日、住職の方々が手入れをして。

 所によっては、その線の引き方も、人によって個性が出るとか。

 なんとも味わいと奥の深いものです。

 部活というのも、同じではないかと。

 あるいは、組織というもの全ても。

 草創の先達が残した意志は動かず、全体の景色を整える印となって。

 その時々に集った最前線の者が、つまりは現役生が、個々を表現して美を創造する。

 なればこそ。

 枯山水の美しさを支えるのは、始まりから置かれる石にあり。

 それを受け継ぎ、見極め、理解して。

 維持し。

 発展させることが、重要かと。

 いえ、それなくして、維持も発展もないものではないのかと。

 思うからこそ、わたしは伝え聞き、伝え贈るのです。


美しき 枯山水の 姿には 祖より伝わる いしぞ見えたる


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