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エレクトロニック・シンドローム  作者: 東四郎
第1章 そこはゲーム世界
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序章 エリシング・ウォー


『エリシング・ウォー』





 人類が築き上げた文明が呆気なく崩壊してから数百年の後、彼等の忘れ形見となったロボットたちは新たな世界を築いていた。バベルの塔の如く天を衝く摩天楼が乱舞し、整然と並ぶ工場が笑い、自動車や船が空でランデヴーを踊り、それに加わるのは人間サイズの人型ロボット、ビル並の大きさを誇る巨大ロボット、非人間型の多種多様なロボットに至るまで……。

 そこはあらゆる機械が闊歩し、歌い踊る狂乱の世界、喧騒の世界、鋼鉄の世界であった。


『未来世界メトロポリス 機械世界メカポリス 空想世界ファンシポリス 人類の夢から幾年月、世界全ては機械で廻る。くろがねと電子の交響曲に乗せて、工場はかなで摩天楼は歌い、コンクリートとアスファルトが花を添える。讃えよ、この素晴らしき未来世界を この素晴らしき機械世界を この素晴らしきロボット世界を!』


 こうまで謳われ、繁栄の頂点にあったロボット世界にも、暗い影が忍び寄る。最初はほんの些細な争いであった。それはやがて工場や摩天楼の取り合い、軍備増強にまで発展する。対立は決定的となり、世界は2つに分かれた。

 そうして素晴らしき時代は終わりを告げ、愚かなる人類と同じく歴史を繰り返す。摩天楼に替わって高射砲や砲台が天を打ち崩さんばかりに鎮座し、工場では戦闘用ロボットや兵器を吐き出し、空のランデヴーは戦闘機や武装大型ロボットへと様変わりする。都市は次々と灰燼に帰し、後に残るのは延々と続く瓦礫の山だけであった。



 プレイヤーはどちらかの世界に属し、この広大な世界で自由に生きていく。

 

 巨大ロボットに乗って戦場を駆け巡るのもよし。

 一匹狼でもチームを組んでもよし。

 戦争などに参加せず世界をあの栄光の時代へ戻すのもよし。

 あるいはまったく別の、新世界を築くのもよし。

 商人として武器から生活物資まで商売するもよし。

 世界を渡り歩くのもよし。

 

 千人いれば千通りの遊び方がある。ゲームをインストールし、起動後諸設定を終えた君にはこの壮大な歴史が待っている。歴史を作るか、歴史を壊すか、歴史を目撃するか。全ては君にかかっている! ようこそ、エリシング・ウォーの世界へ!





 早い話が今人気沸騰中のオンラインゲームである。



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