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「なんだかなぁ…」
『純水の腕飾』を見ながら呟く。
「どうした?」
「いや、ねぇ、氷花?」
「……うん」
「だからどうしたんだって」
ライアがイラついたように口を挟む。
「だってこれ、あの龍の口から出てきたんだよ?」
「……不快」
だよねぇ。
「強いんだから仕方ねぇだろ。そんな嫌なら氷花が水魔法で洗えばいいじゃんか」
「……その発想はなかった」
そういって水で『聖蒼金の耳飾』を洗う氷花。
「私のもお願い」
「……当然」
そうして、装備してみて効果の強さに驚いた。
『純水の腕飾』
蒼龍【アズレイア】の力の一端を受け継いだ腕飾。物理20%削減、水魔法完全無効。
「これすごい…」
「……壊れ防具」
「氷花のは?」
『聖蒼金の耳飾』
蒼龍【アズレイア】の力の一端を受け継いだ耳飾。魔法35%削減、水魔法強化+50%。
「どんなチートだよこれ…」
「まぁ、強い分にはいいのかな?」
「っと、見え…て…きた……?」
思わず疑問形になってしまった。
なぜなら、まさに幽霊都市だったからだ。
「これはひどい…」
「心臓悪い人はキツいな…」
至るところにNPCの死骸が転がっている。
『カカカカッ。まダ人がいたカ』
いきなり声をかけられて思わず戦闘態勢をとる。
『何ダ、やる気カ。いいダろう、相手ヲしてヤロウ』
そう言ってそいつ、【ディザイアー・スケルトン】はまたカカカカッと笑った。




