003
「ぐるぁぎゃぁぁぁ!」
振り下ろされる角。
それを布を鞭のようにして弾いた彼の横を通り後ろに回る。
それを悟らせないための援護。
左目を撃ち抜かれる。
「ぎゃるろぁぁ!?」
思わず立ち上がったグリルリザードの首筋に投剣を投げる。
弾かれるがしかし、運良く凍り付く。
〔初級水魔法〕を〔魔法付与〕したのだ。
そして、首の下に入り込み、喉をかっ切る。
このゲームはどうやら、モンスターに関しては急所を突けば一回で殺せるらしい。
プレイヤーが違うのが不思議である。
グリルリザードは光の塊になり、風也に2割、ライアに2割、氷花に1割、残りは全て私に来た。
『Level up !』
「あ、レベルアップしたよ」
「効率良すぎだろ、お前は」
ライアが装填しながら悪態をつく。
「まぁまぁ、そういう戦い方だし、仕方ないよ」
「嵐火は3になったの?」
「そだよー」
「ってことは、まだ一番低いのか」
「最初君らの援護してたからね。おかげで〔初級水魔法〕と〔魔法付与〕のレベルも上がってるし」
「確かに楽できたよなぁ」
「いやいや、〔布術・幻〕の破壊力おかしいから」
「まぁ、狙いやすかったし」
「魔法思いっきりブッパでしたよ!」
「ん、知ってる、二人とも」
そんなことを話していたら、誰かが走ってきた。
後ろには……モンスターの群れ!
50はいるよ!?
「そこの人たち〜。こいつらよろしく!」
そういって、走り去ってしまった。
「し、信じらんねぇ!トレインしていきやがった!」
「レベルアップに最っ適!皆、死なない程度に、殺さない程度に気ぃ引いて!」
〈隠密・空〉を使って、敵の攻撃対象から外れる。
「数多すぎ!魔法唱えらんないじゃんか」
「氷花!こっちに来て!」
「一丁じゃ装填できないかも…」
そんな会話を聞き流して、目の前の三体の首を切る。
同時に投剣を投げて左の三体を葬る。
立ち尽くす死体の首を蹴り、反転。
そして、後ろにバク宙。
鎖鎌を伸ばし、一体の首を捻る。
地面に着くと同時、左の正拳で後頭部を殴り、殺す。
また、〈隠密・空〉で対象から外れる。
そして、〈短剣・終〉のスキルを放つ。
周りには10体。
皆、押しつぶそうと後ろ足で立っている。
〈廻斬・隙削嵐舞〉
半分の首を切った。
〈瞬斬・裂閃緋刃〉
三体。
〈闇斬・終見光夜〉
10体を仕留める。
〈突刃・飛刃倒魔〉
目の前の二体を殺す。
〈滑刃・蛇炉狂暴〉
地面から刃が飛び出し、二体の首筋を貪る。
三度、〈隠密・空〉を自分にかけ、〈暗殺・業〉を使う。
〈殺刃・暁騎戒滅〉
自分を攻撃対象としていない半径150M内のモンスター全てに攻撃を与える。
そして、私に気付くが、遅い。
〈殺陣・幽鬼総壊〉
自分が一分以内にダメージを与えたモンスターを殺す。
「はい、終わったよ」
この間、およそ3分。
「は、はや…」
「有り得ねぇ…」
「……無双?」
「あ、レベルアップしてる」
「「「それは当たり前」」」
皆に突っ込まれた。
「はぁ……。んで、どんだけ上がったのさ?」
「今23」
「20も上がったんかい!」
「あ、そういやさ」
「ん?どったのー」
「レベルアップのボーナスポイントどうした?」
「あ、まだ振ってないから115残ってるよ」
「……おい、ちょっと初期ステ見せろ」
「嫌だよ」
「おかしいだろ、それ!なんで初期ステでそこまで行くんだよ」
「短剣と三次元機動でAGI、暗器でSTR、武器スキルマックスでATKにボーナス入ってるし」
「あぁ、それもあるか」
「それにそもそも、攻撃なんか一撃必殺だし、リアルで格闘技やってるからあの数に囲まれるの慣れてるし」
「確かに、ソレなら不思議じゃないな、納得」
ちなみに、このゲームでSTRとはストレージ容量の事だ。
筋力ではない。
「んで、ボーナスは何に振るんだ?」
「MAT、STR、AGIの3つに極振り」
「残った1は?」
「LUCに」
「んじゃまた狩り続けっか」
「オッケー」
「次は僕のレベル上げだよ」
「援護するです!」
「俺も少し参戦する」
意気揚々と出かけるのだった。
ちなみに、このゲームのステは
STR(ストレージ容量)
AGI(敏捷)
VIT(体力(HP))
MAG(魔力(MP))
ATK(攻撃)
DEF(防御)
MAT(魔法攻撃)
MDE(魔法防御)
LUC(幸運)
の九つです




