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要は強く有れってことでしょ?  作者: 桜忠丸
プロローグ 世界の重なり
16/129

016




「ねぇ、何でこんなことになってるのかなぁ?」

「とりあえずその殺気は止めろ」

「アハハ……。ごめん」

「風也も謝るな。もうどうしようもないんだから」



今、私たちは闘技場にいる。

『第二回:神座争奪団体大会』とデカデカと掲げられた。


「……まぁ、予選は一人ずつ戦えばいいよね?」

「つまり、必ず一回は見せ場があると」

「僕は無くてもいいんだけど」

「…風也は……戦わなきゃダメ」

「最初風也、異論は聞くよ」


「じゃあ」


「聞くだけで直しはしないけど」


風也は正に『憮然』とした表情を浮かべた。


一回戦の幕が上がる。


「風也ー!ファイトー!!」


私の声援に苦笑しながら前に出る。


「風也。Lv216だ」

「おいおい、ふざけ過ぎだろ。影波だ。Lvは89」

「全く以て同意だ。日ノ出、Lv93」

「余りにも馬鹿馬鹿しすぎて笑う気にもならないな。白猫、Lv94」

「だな。双蛇、Lv97」

「さっさと攻略しろよ!月闇、Lv94」

「まぁまぁ、今は堪えて。柳成、Lv97です」


「今回は僕一人なので、お手柔らかに」




ゴングが、鳴る。


瞬間、風也は魔法を展開した。

〈風侭・捕敵〉

同時に、〔導きの嵐槍の(モトムルハエイユウ)〕を突き出す。


「どぁっ!?」

双蛇が後ろに宙返り。

その隙間を埋めるように白猫が斬り掛かってくる。

しかし、斬撃は魔法により阻まれ、風也はその右を駆け抜ける。


「やらすか!!」

日ノ出が斧スキルを発動させる。

〈斧噛賢犬〉

上下から迫る斧を風也は下がることで躱す。

「死ね」

耳元から声が。

月闇が槍を突き出す。

それを右に体を回転させることで避け、地面に剣を突き出す事でさらに加速して進む。

「せやぁぁ!!」

斬り掛かってきた双蛇の双剣を左に半身になることで躱し、右手で首もとを突く。

「ぐぁ、ぁ」

「柳!!」

「わかってます!!『叩き潰せ』」

上から巨岩が振ってくる。

「『真摯』」

真上に突き出した細剣とぶつかり、その岩は周りに飛び散る。

「『過激』」

左手を打ち払う。

烈風が双蛇と日ノ出を吹き飛ばした。

「『軽瓢』」

その風は月闇を投げ飛ばす。

「『静謐』」

最後に柳成や影波、白猫を弾き飛ばす。

「『全て、身を滅ぼす』」

再び、全員が吹き飛ばされ、ゲームセット。


「お疲れ」

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