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幽霊彼女はツッコミ大魔王  作者: リンダ
彼女いない歴=年齢の優馬と美人な幽霊みすずのドタバタ喜劇
17/176

愛と笑いの小倉家大戦争 ~今日も特等席は大人気~」

その名も――


2023年7月《小倉家特等席戦争:仁義なき戦い・愛と胸と笑いの果てに》


開戦から早1年……。

優馬は毎晩、己の信念を胸に、いや「美鈴の胸」に誓いを立てるのだった。



優馬(布団の端でつぶやく):「今日こそ……今日こそ……特等席を……!」


しかし現実は非情である。


光子:ずりずり……(無言でママの胸にダイブ)

優子:むぅ〜ん!(弟子のように完璧な連携で胸ゲット)


優馬:「連携プレーうますぎん!?双子やからって強すぎん!?」



■【DAY38:作戦・寝返りトラップ】


優馬は考えた。

夜中に寝返りを打つ美鈴を利用し、特等席が無防備になるタイミングを狙う。


23時45分、チャンス到来。


そ〜っと手を伸ばす優馬。しかし……

「がぶっ」

(同時に赤ちゃんとは思えぬ反射速度で、美鈴の胸にしがみつく)


優馬:「これが……血の絆か……」



■【DAY79:陽動作戦】


優馬「今日のお風呂、ママと入りたくない人〜?」

「入りたーい!!!」


優馬にやり「よし、今夜は俺の勝ちやな」


……と思いきや、入浴後すでに姉妹は特等席を確保済み。


美鈴:「あら〜、もう寝てもうた。優馬の席、埋まっとるけど?」


優馬:「なにぃぃぃぃぃ……っ!」



■【番外編:美鈴のモノローグ】


美鈴(ほくそ笑みながら):「私の胸に3人からの愛が集中してるとか、毎晩がカーニバルやね〜。人生、最高♡」

こうして、特等席を巡る戦いは、

笑いと愛を抱えて、今日も元気に繰り広げられるのであった。


 


優馬の試練は――果てしない。

けれど、

その先にある「家族のぬくもり」は、何よりもあったかいのであった。



七夕の夜――。

小倉家では、優馬、美鈴、そして光子と優子の双子姉妹が、ささやかな笹飾りを用意して、短冊を書いていた。


家の中は、ほんのり灯る明かりと、風に揺れる風鈴の音。

夜空には、薄く雲がかかっていたが、それでも織姫と彦星が見えるんじゃないかと、美鈴はふわりと笑う。


 


美鈴(ペンを手にしながら):「さぁて……願いごと、何にしよっかね〜」

優馬(すでに真剣な顔で書いてる):「……できた。」


優馬の短冊には、こう書かれていた。


「家族がいつまでも笑って過ごせますように。美鈴と、光子と優子が、毎日笑顔でいてくれたら、それが一番の幸せです」


美鈴がそっと覗き見して、ふふっと笑った。


 


そして、美鈴の短冊。

一瞬迷っていたけど、ふっと目を細めて、丁寧に、こう書いた。


「この家族と、一緒にたくさん笑って、泣いて、思い出を作っていけますように」

「……あと、できればたまには優馬の特等席を返してあげてね(お願い♡)」


 


美鈴:「ふふっ……これ、織姫さまも笑って読んでくれるかもしれんね〜」

優馬:「いや、織姫さん、爆笑しよるやろ絶対……」


 


光子と優子はまだ1歳。

自分ではまだ書けないけれど、美鈴と優馬が代わりに書いた短冊には――


「ママとパパと、ずっといっしょにいられますように♡」


 


その夜、空を見上げた美鈴の瞳には、満天の星。

織姫と彦星よりもずっと近くに、愛する人たちがそばにいてくれる――


それが何よりの、願いの成就だった。




──夜。


光子と優子を寝かしつけ、ついに訪れた“大人の時間”。

お風呂場の電気をぼんやりと灯して、美鈴がふんわり笑う。


美鈴:「うちらも、久々にふたりっきりの湯ったりデートしよか?」

優馬:「そ、それって……やっぱ、例の黒ネグリジェ的なノリでくるやつ?」

美鈴:「違うっちゃ〜!今日は清楚路線でいくっちゃ!」


そう言いながら、なぜか濡れても透ける湯浴み着スタイル。

……それ、清楚って言うんか、美鈴?と優馬は心の中でツッコみつつ、二人して湯船にチャポン。


 


二人だけの、しあわせバスタイム──

……のはずだった。


優馬:「は〜〜、極楽極楽……って、うわっ!?あっつぅ!!」

突然ジャグジーのスイッチを間違えて、熱湯モードON!


美鈴:「あんた、なにしとーと!?ちょっ、のぼせるっちゃー!タコになっとるやん!」

優馬:「オレ、サウナの妖精になってまうぅぅ〜〜!」


 


パニックの中、慌ててスイッチを押し直した美鈴の肘が、浴室のシャンプーボトルをなぎ倒す。

バランスを崩した優馬が滑って、


\ズドーン!!/

風呂のフタごと沈没。


 


美鈴:「ちょっ、まさかの潜水?まさかの人間おでん?出汁出るとこやったよ!笑」

優馬(水中で):「ぐぼぼぼぼ……(←必死)」


 


ようやく落ち着き、もう一度ちゃぽんと湯に浸かる。

そして、美鈴がふと優馬の肩に頭を預けてぽつり。


美鈴:「……それでもさ、こげんして、あんたとふたり、湯に浸かれることがいっちゃん幸せやんね」

優馬:「……うん。なんやかんやで、やっぱ俺は美鈴がすきっちゃ」


 


……そしてまた美鈴が足を滑らせて、


\ドシャーン!!/


美鈴:「キャー!お尻うったーー!!」

優馬:「あぁもう……大丈夫やけ?まったく、ロマンチックとドタバタが常に同居しとる家族やな、うちは……」


 


それでも、そんなドタバタが、愛おしくてたまらない――

そんな小倉家のお風呂デート、無事(?)終了♡



夜のお風呂デートで大騒動を巻き起こした小倉夫妻――

風呂上がり、タオルで髪を拭きながら、ふたりして「やっぱ落ち着くね〜」と笑い合っていたところに……


 


トテトテトテ……と、聞こえてくる小さな足音。


光子と優子、パジャマ姿で、ふらふらと登場。

よちよち歩きが板についてきたふたりは、ぽてっと座って――

「……またやってるよ……」


まさかの、“ジト目”。


美鈴と優馬は、タオル持ったままフリーズ。

そして、顔を見合わせて……思わずふたりして、吹き出した。


 


美鈴:「ちょ、なによその目〜!ママはただ湯冷めして転けただけやし〜」

優馬:「パパは溺れただけやし!(←こっちはガチ)」


 


しかし双子姉妹は無言のまま、なおも冷たい目線。

まるで**“うちの両親、毎晩これやん”**と言わんばかりの悟り顔。


 


その様子に、美鈴が小さく肩をすくめる。


美鈴:「この先、思春期になったら、ますます夜のお風呂デートで大騒動を巻き起こした小倉夫妻――

風呂上がり、タオルで髪を拭きながら、ふたりして「やっぱ落ち着くね〜」と笑い合っていたところに……


 


トテトテトテ……と、聞こえてくる小さな足音。


光子と優子、パジャマ姿で、ふらふらと登場。

よちよち歩きが板についてきたふたりは、ぽてっと座って――


「……またやってるよ……」


まさかの、“ジト目”。


美鈴と優馬は、タオル持ったままフリーズ。

そして、顔を見合わせて……思わずふたりして、吹き出した。


 


美鈴:「ちょ、なによその目〜!ママはただ湯冷めして転けただけやし〜」

優馬:「パパは溺れただけやし!(←こっちはガチ)」


 


しかし双子姉妹は無言のまま、なおも冷たい目線。

まるで**“うちの両親、毎晩これやん”**と言わんばかりの悟り顔。


 


その様子に、美鈴が小さく肩をすくめる。


美鈴:「この先、思春期になったら、ますます厳しくなるかもやね……」

優馬:「それまではせめて、特等席だけは死守せんと……!」


 


そのまま、ふたりしてにやりと笑い――


そっと光子と優子を抱き上げて、布団へ。


パタン、と電気を消した寝室に、

「おやすみ〜」と優しい声が響き、家族四人はぬくもりに包まれて、夢の世界へ――


……ただし、また何かしら起きるのが、小倉家のお決まり。厳しくなるかもやね……」

優馬:「それまではせめて、特等席だけは死守せんと……!」


 


そのまま、ふたりしてにやりと笑い――


そっと光子と優子を抱き上げて、布団へ。


パタン、と電気を消した寝室に、

「おやすみ〜」と優しい声が響き、家族四人はぬくもりに包まれて、夢の世界へ――


……ただし、また何かしら起きるのが、小倉家のお決まり。



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