80•90年大ヒット曲カバー
【晩秋・小倉家の双子】
晩秋、校庭の落ち葉が風に舞うころ、博多南小学校では運動会も無事終わり、次はいよいよ文化祭の季節。光子と優子はそれぞれのクラスで出し物の準備に大忙し。
光子のクラスは、童謡「故郷」の合唱。みっちゃんは伴奏の指揮を取りつつ、クラスメイトをまとめる。
光子
「せーの、声をそろえて、心を込めて歌うばい!」
歌声は会場に響き、観客の保護者たちはしんみり。だが、時折みっちゃんのちょっとしたアドリブや笑顔に、温かい笑いがもれる。
一方、優子のクラスは「怪人20面相」のギャグコント。小道具も衣装も手作りで、舞台は笑いの渦。優子はもちろん、リーダーとしてツッコミも炸裂。
優子
「ちょっと待ちなさい!怪人20面相が顔変えて何やっとーと?!まるで忍者の修行ば見よるみたいやんか!」
クラスメイトの怪人役がオーバーリアクションで動き回るたび、観客席からは爆笑の嵐。光子の合唱と対照的に、優子の舞台は大笑いの渦となった。
二人の演目がそれぞれ終わり、家に帰った双子は、文化祭でのそれぞれの活躍を話し合う。
光子
「ゆうちゃんの舞台、めっちゃウケとったやん!」
優子
「みっちゃんの合唱も素敵やったよ。なんか泣きそうになったもん。」
こうして、晩秋の文化祭も、双子姉妹にとって笑いと感動の一日となったのであった。
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【晩秋の夕暮れ・小倉家】
放課後のリビング。ラジオからは、なつかしい1980年代ヒット曲特集が流れている。
光子
「わぁ、チェッカーズとかアルフィーとか、安全地帯の曲ば流れよる!この頃の曲って、じいちゃんばあちゃんの世代の曲なんかな?」
優子
「ほんとやねぇ。でも、なんか古さを全然感じんね。めっちゃカッコいい曲ばい!」
興味津々の二人は、すぐにApple Musicで「1980年代ヒットソング」と検索。
画面には、チェッカーズ、アルフィー、安全地帯、岡村孝子、レベッカ、寺尾聰、そしてユーミンなどの名曲がズラーッと並ぶ。
優子
「この曲、歌ってみよっか?あ、ユーミンの『守ってあげたい』もある!これ、じいちゃんがよく聴いてた曲やん。」
光子
「よし、それで練習ば始めよう!翼くんや拓実くんがもし辛いことあった時は、この歌で守ってあげたいと思いながらね。」
と、ふたりは防音ブースに向かい、真剣に歌の練習を開始。
光子は力強い声でサビを歌い、優子は優しくハーモニーを重ねる。曲に込めた思いは、ただの歌練習ではなく、翼や拓実、そして大切な人たちを守りたいという二人の心の表れだった。
しばらくすると、優馬が帰宅。
優馬
「お、何やってんの?ラジオに合わせて歌の練習?」
優子
「うん、1980年代の曲ば歌ってみよったと。ほら、『守ってあげたい』とかね。」
優馬
「いいじゃん。ユーミンのやつは、じいちゃんもよく聴いてたなぁ。懐かしいな。」
光子
「ねぇ、ゆうちゃん、翼くんや拓実くんが元気ない時に、これ聴かせたら絶対喜ぶと思わん?」
優子
「うん、そうばい。じゃあ、防音ブースで思いっきり歌おう!」
こうして、晩秋の夕暮れ、リビングの外では落ち葉が舞う中、双子ちゃんは懐かしい名曲を歌いながら、翼や拓実への思いを胸に、防音ブースで声を重ねていったのであった。
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【小倉家・防音ブース】
光子
「お姉ちゃん、この曲歌ってみたい!」
優子
「うん、お願い、美香お姉ちゃん!」
そのメッセージはすぐに東京の音大にいる美香のスマホに届く。
美香
「ふふ、二人とも、もう大人の雰囲気の曲まで挑戦するようになったんやね〜」
メッセージを読みながら笑顔になる美香は、早速アレンジを加えて、ピアノとストリングスで曲を弾き始める。
光子
「わぁ、すごい!お姉ちゃんが弾くと、同じ曲でも全然違うね!」
優子
「なんか、ちょっと大人っぽくて、でも優しくて、私たちも歌いやすいかも!」
美香
「よし、じゃあ、これで歌ってごらん。ハーモニーも少し工夫してみてね。翼くんや拓実くんにも届けるつもりで。」
二人は防音ブースで歌い始める。ピアノと弦楽器の響きに包まれながら、光子の力強くも伸びやかな声、優子の柔らかく優しいハーモニーが重なり合う。
光子
「ゆうちゃん、このアレンジめっちゃ素敵やね!」
優子
「うん、お姉ちゃんのアレンジのおかげで、歌うのが楽しい〜!」
こうして、二人はただ歌うだけでなく、美香お姉ちゃんのアレンジで大人の雰囲気も楽しみながら、新しい名曲の世界に浸っていった。
【小倉家・防音ブース】
光子
「よーし、今日の練習も録画しようか!」
優子
「うん!お姉ちゃんにも見てもらえるし、翼くんや拓実くんにも送れるね。」
二人はスマホを三脚にセットし、防音ブース内でスタンバイ。
光子
「じゃあ、まずは一番から!歌詞も指さしで確認しつつ…」
優子
「ハーモニーも合わせるよ。みっちゃん、ここの高音、私に合わせてね!」
美香お姉ちゃんがピアノとストリングスで演奏する中、二人の歌声が重なり合う。光子のしっかりした声、優子の柔らかい声が調和し、動画越しにも伝わる透明感のあるハーモニー。
光子
「うん、いい感じ!もう一回、今度は少し表情を意識してみよう。」
優子
「笑顔で歌うと、聞く人も楽しくなるかもね!」
二人は録画しながら何度も歌い直し、カメラに向かって笑顔を振りまく。練習の合間に、「ここもっと大人っぽく」「ここは可愛らしく」と声を掛け合い、撮影はまるで小さなスタジオライブのよう。
光子
「よーし、これで完成やね!動画をアップしたら、みんな見てくれるかな〜?」
優子
「うん、絶対見てくれるはず!コメントも楽しみだね!」
こうして、双子ちゃんの防音ブースでの練習風景は動画として公開され、YouTubeチャンネル『音の宅急便』にアップされることとなった。再生ボタンを押すと、美香お姉ちゃんのアレンジと二人の歌声、そして楽しそうに笑う表情がそのまま全国の視聴者のもとへ届けられる。
動画公開後、コメント欄には「癒される!」「双子ちゃんの声がすごく合ってる!」「表情もかわいい!」といった声が続々と集まり、再生回数はうなぎ上りに。光子と優子は満足そうに画面を見つめ、二人でにっこり笑った。
光子
「ゆうちゃん、やっぱり歌うのって楽しいね!」
優子
「うん、歌いながら笑えるって最高やね!」
こうして、双子ちゃんの新しい挑戦はまた一つ、視聴者に楽しさと癒しを届ける形で成功を収めたのだった。
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【スタジオ・レコーディング】
光子
「ねぇ、ゆうちゃん、今回のアルバムの一曲、祖父母世代の曲を入れるって聞いたよ!」
優子
「うん!チェッカーズとかアルフィーとか、昔のヒット曲を私たちの声質に合わせてボーカルチェンジするんだって。」
美香お姉ちゃんがアレンジ担当で、ピアノとストリングスに加え、ギターやシンセを80年代風にアレンジ。光子は力強いパートを担当、優子は柔らかい声でサビのハーモニーを担当する。
光子
「わー、私たちの声でも全然古臭くならんね!なんか新鮮や〜。」
優子
「おばあちゃんやおじいちゃんも喜んでくれそう。みっちゃん、ここサビのハモリどうする?」
光子
「じゃあ、君はここで低めに、私は高めでアクセント入れよう。」
録音スタジオには笑い声と真剣な歌声が交互に響く。何度もテイクを重ね、声のバランスやテンポを微調整。最終的には、双子の声が見事に合わさり、80年代の曲が新たな命を吹き込まれたように蘇る。
レコーディング終了後、試聴したスタッフたちも感嘆の声を上げる。
スタッフA
「これはすごい…原曲の良さを残しつつ、双子ちゃんの個性が光ってる!」
スタッフB
「世代を超えて、幅広いファン層に響く曲になるね!」
そしてアルバムが発売されると、祖父母世代も含めた幅広い層から人気を博し、YouTubeでも「懐かしいのに新しい!」「双子ちゃんの声に感動!」と絶賛のコメントが相次ぐ。光子と優子は、声質に合わせてボーカルチェンジした成果を目の当たりにし、二人で顔を見合わせて笑みを浮かべた。
光子
「ゆうちゃん、私たちでも昔の名曲がこんなに輝くんやね。」
優子
「うん、歌うのってやっぱり楽しい!世代を超えて喜んでもらえるって最高やね!」
こうして、ファイブピーチ★のアルバムに収録されたこの一曲は、双子ちゃんの新たな挑戦として、多くの人々に笑顔と感動を届けることとなった。
【スタジオ・レコーディング・続き】
光子
「ゆうちゃん、今回の曲、奏太兄ちゃんと小春ちゃんもボーカルに参加するって!」
優子
「えー!なんか、ファミリーセッションみたいで楽しそう!」
美香お姉ちゃんもピアノストリングスで伴奏を担当し、アレンジをさらに華やかに。
奏太
「僕はサビの高めパートを担当するけん、二人はハモリでよろしく!」
小春
「私はここで優しい声でアクセント入れるよ!」
光子
「了解〜!じゃあ、私が主メロ、ゆうちゃんはハモリで。」
優子
「うん、やってみよう!」
スタジオには、家族全員の声が重なり、まるで一つの大きな合唱団のよう。ハモリやメロディの掛け合いを何度も録音して調整するうち、曲に一体感が生まれる。
美香
「皆、声のバランス最高!これなら祖父母世代も新しい世代も楽しめるね。」
録音終了後、スタッフたちは歓声。
スタッフA
「家族全員での参加って斬新!しかも完成度高い!」
スタッフB
「これはライブで披露したら絶対に盛り上がるね!」
光子と優子は顔を見合わせ、嬉しそうに笑う。
光子
「家族みんなで歌うと、なんかあったかいねぇ。」
優子
「ほんとね。みんなで作った一曲って感じで最高やん!」
こうして、ファイブピーチ★と家族の共演による「80年代ヒット曲のカバー」は、録音だけでなく、ライブでも多くの人に喜ばれることになる。
【スタジオ・レコーディング/X JAPAN「紅」】
光子
「ゆうちゃん、次は紅よ!奏太兄ちゃんがボーカル担当やけん、私たちはコーラスやハモリでサポートするばい。」
優子
「うわぁ…紅ってめっちゃ難しい曲やん。奏太兄ちゃん、ちゃんと歌えると?」
奏太
「おう、任せとけ。あとは二人のハモリで華やかにしてくれればOKや。」
小春
「私はコーラスの一部だけど、頑張って迫力出す!」
美香お姉ちゃんはピアノとストリングスで荘厳な伴奏を担当。アキラ兄ちゃんもギターで参戦。
録音が始まると、奏太の力強いボーカルがスタジオに響き渡る。
光子
「わぁ、やっぱり紅は迫力が全然違うね!」
優子
「うん、私たちのハモリで少しでもX JAPAN感を出さなきゃ。」
光子と優子のハモリとコーラスが重なり、ピアノとギターが曲に厚みを加える。美香の指揮でテンポも完璧。
スタッフA
「これはすごい…原曲の雰囲気を壊さず、ファミリー感も出てる!」
スタッフB
「ライブで披露したら絶対盛り上がるやろなぁ。」
録音後、奏太は汗を拭きながら、
奏太
「二人のハモリのおかげで、ただのコピーじゃなくなったな!」
光子
「うん!めっちゃ迫力あって感動するばい!」
優子
「私も初めてこんなに熱い歌を歌った気がする…!」
こうして、「紅」のカバーは、家族とファイブピーチ★のコラボレーションによって、新たな迫力と感動を生む作品となった。
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【小倉家・リビング/選曲会議】
光子
「ゆうちゃん、次はどの曲をカバーするばい?やっぱり男性ボーカルの曲にする?」
優子
「うーん、でも女の子の曲も入れたいよね。交互に入れると新鮮かも。」
奏太
「俺が女性曲歌うのもありやけん、曲順とボーカルをうまく組み合わせれば飽きさせんアルバムになるぞ。」
小春
「私は男性曲でもチャレンジしてみたいなぁ。いつもとは違う声を出すのも面白そう。」
美香お姉ちゃん
「そうね、懐かしい曲でも声質やアレンジを変えれば新鮮に聴こえるから、楽しんで挑戦してみて。」
優子
「じゃあ次は…男性曲で、私たち女子が歌うやつにしよう!ちょっと恥ずかしいけど、楽しい予感!」
光子
「うん、そしてその次は奏太が女性曲を歌うと。観てる人、絶対びっくりするやろなぁ。」
こうして選曲会議は進み、家族やファイブピーチ★メンバーで試行錯誤しながら、懐かしい曲をカバーするたびに新しい魅力が生まれる。
スタッフA
「男性曲を女子が歌うと、声の高さとアレンジのギャップが面白いし、すごく新鮮ですね!」
スタッフB
「女性曲を男性が歌うと、また違った迫力が出る。聞き応えがある!」
光子
「昔の曲も、私たちが歌うと全然違う雰囲気になるね!」
優子
「うん、懐かしいけど、すごく新鮮で面白いばい!」
こうしてアルバム作りは、男女交互の選曲と声の組み合わせによって、毎回驚きと楽しさにあふれる制作の時間となった。
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【小倉家・防音ブース/練習風景】
小春
「次は『サファイアの瞳』やけん、ハードなナンバーばい!気合入れて歌うばい!」
奏太
「お、アルフィーのやつか。ロック調やね。俺も負けんごとコーラス入れるばい。」
光子
「ゆうちゃん、ハードな曲やけん、声がぶれんようにせんとね。私も一緒にハモるけん。」
優子
「うん、やってみる!小春ちゃんの声に合わせるけん、頑張る!」
美香お姉ちゃん
「ピアノとストリングスでアレンジするけど、ギターのリフはハード感出るようにするね。小春の声に負けんように。」
【練習開始】
小春の力強いボーカルがブースに響き、光子と優子のハモリが重なる。奏太のコーラスがさらに厚みを増し、ハードで迫力あるアンサンブルが完成する。
光子
「小春ちゃん、迫力ばすごかね!まるでステージに立っとるみたいやん。」
優子
「うん、歌いながらドキドキする。翼くんや拓実くんも聴いたら、ビックリするやろね。」
美香お姉ちゃん
「このまま録音して、動画で公開したら絶対に人気出るよ。ハードなのに、家族で歌っとるのが面白いしね!」
こうして「サファイアの瞳」は、家族総出でハードにカバーされ、防音ブースで熱のこもった練習が進められるのであった。
小倉家・防音ブース後】
練習を終えた小春と奏太、光子・優子の4人は、録音した「サファイアの瞳」の動画をYouTubeにアップロード。
光子
「うわ〜、緊張するね。コメントとかどうなるやろ?」
優子
「まぁ、ハードやけど、うちららしさ満点やけん、きっと面白がってもらえるっちゃない?」
数時間後、再生回数がどんどん増え始める。
光子
「え!?もう1万回超えとるやん!」
優子
「すごか〜!あっという間に5万回突破やん!」
そこへ、美鈴お母さんがリビングに入ってくる。
美鈴
「なんね、またあんたらYouTubeで大騒ぎしよるんやね。小春ちゃん、奏太、光子、優子……お母さんの耳が痛くなるばい!」
優馬お父さん
「まったく、にぎやかすぎて腹筋痛いっちゃけど。いや〜、でも面白かねぇ!」
再生画面のコメント欄も、
「家族でハードロック!?すごすぎる!」
「小春ちゃんの迫力ボイス最高!」
「光子と優子ちゃんのハモリが神!」
と、大盛り上がり。
光子
「にーに、こんなに見てもろうてるやん!」
優子
「ゆうちゃんも嬉しい〜!…でも、翼くんや拓実くんに見られたら恥ずかしいかも…」
その夜、家族全員で再生回数を見ながら、笑いの嵐。
優馬
「まったく、うちの家族は笑いの震源地やなぁ。」
美鈴
「ほんとよ。笑いすぎて、腹筋がガチで痛いんやけど!」
光子・優子
「うちらもハードやけど、楽しかった〜!」
こうして「サファイアの瞳」のカバー動画は、大成功のうちに家族の爆笑&感動の夜を締めくくるのであった。