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幽霊彼女はツッコミ大魔王  作者: リンダ
彼女いない歴=年齢の優馬と美人な幽霊みすずのドタバタ喜劇
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エロ大魔王とツッコミ女幽霊、白金荘で暮らすって

登場人物紹介


小倉 優馬おぐら・ゆうま


年齢:25歳/福岡市在住サラリーマン

属性:エロ大魔王・無自覚ボケ/家庭内ツッコミ育成対象者


人生で一度も彼女ができたことのない男が、激安アパート「白金荘」で出会ったのは――なんと幽霊美女。

腰を抜かし、叫び、震えつつも、その幽霊との同棲生活が始まり、気づけば愛が芽生え……やがて彼女は生き返り、そして嫁になった。


ツッコミのない人生に耐えきれず、自ら「ツッコミ大魔王」を召喚してしまった男。

妊娠・出産・育児にも振り回されながらも、家族を守る優しさは本物。



小倉 美鈴 旧姓黒崎(おぐら・美鈴)


年齢24歳 元:幽霊/現:妻&ツッコミ師範/旧姓:黒崎


白金荘に“出没”していた元幽霊。交通事故にあい、脳死状態に。魂が体から抜け出すも、成仏せずにアパートの隅っこに居座っていたが、優馬との“日常的な漫才”がきっかけで魂に火がつき、

天界のツッコミ課からスカウトを受けて、奇跡の復活。


現在は「夫・優馬のボケを制御する」ことを生きがいにしつつ、母として育児に奮闘中。

風呂でも寝室でもボケに対するカウンターが即発動するため、家庭内は常に緊張感と爆笑に満ちている。


特徴:

•ツッコミのタイミングは0.2秒

•心霊スポットに行くと、逆に“憑いてくる側”を説教する


久留米 るい(くるめ・るい)


幽霊好きの職場仲間/光子復活の目撃者


職場で優馬の唯一の理解者。心霊話マニアで、光子の霊体時代から“尊い”を連発。

最近は「ママになった元幽霊」をテーマにポッドキャストを始め、地味に人気が出てきている。



八幡 陸翔やはた・りくと


陽キャ系同期/動画ヲタ/ノリだけで生きている


美鈴の幽霊時代もまったく怯えず、「バズる!」を理由に自宅にカメラを仕掛けようとしたため一度物理的に殴られた。

現在は光子の“赤ちゃん漫才”を配信しようと目論んでいるが、毎回光子に全力で阻止される。


小倉 光子おぐら・みつこ


▫️名前の由来


「幽霊だったお母さんと、生きづらさを抱えていたお父さんのもとに生まれた命。

 まるで“暗闇に灯った一筋の光”のようなこの子には、光のように希望を運び、

 自分らしくまっすぐに生きてほしい――そんな願いを込めて、**光子みつこ**と名付けました。」



▫️プロフィール(未来)

•名前:小倉 光子おぐら・みつこ

•性別:女の子

•属性:ボケとツッコミのハイブリッド型・生まれながらのリアクション芸

•初語録:「んふっ(謎の笑い)」→すでに親父譲りの間のボケ

•特技:うんちタイミングで母を睨む(やった後)

•将来の夢:母を超えるツッコミ、もしくは父を超える天然


小倉優子:光子と双子で妹。

性別:女の子

属性:光子と双璧をなすボケとツッコミの強力ハイブリッド。

型:生まれながらのお色気ムンムン

初語録 ふぇ?うっふん。すでに母親譲りの美貌の持ち主?

特技:姉の光子との絶妙なシンクロ

将来の夢:姉と2人でボケとツッコミで悪を成敗?



2022年4月第一章:出会いは幽霊 ~腰抜け事件~


福岡の古びたアパート、白金荘201号室。

引っ越してきたばかりの小倉優馬おぐら・ゆうまは、格安家賃と駅チカという甘い言葉に釣られて契約したものの、実際に部屋を見てその年季の入りように心の中で震えていた。


荷物をとりあえず部屋に放り込み、カップラーメンにお湯を注いで、テレビをつけたその時――背中に、ぞくりと冷たい風が走った。


「なんばしよっと?」


ふいに、声がした。


振り向くと――白い着物をまとった、美しくもどこか儚げな女性が、そこに立っていた。


「うわぁぁぁぁぁっ!? ゆ、幽霊やんかぁぁぁあ!!」


優馬は腰を抜かし、ちゃぶ台ごとひっくり返って転がった。


女性はまったく動じず、ぽつりと一言。


「幽霊やけん、そげん騒がんでよかろーもん」


「しゃ、しゃべった!? 幽霊がしゃべりよるーっ!!」


「ちょっと落ち着きんしゃいって。大の男がみっともなか」


「いや無理やけん! お願いやけん、呪わんでぇ〜っ!!」


「呪うって……なんしよると。あんた呪うて、どげんなるっちゅーとね。あ〜あ、やっぱり見えとるっちゃね、うちのこと」


「見えとるどころか、バリバリモロ見えやけど!?」


「モロ見えて……あんた、変態やろ」


「いや違うけん! 普通の、健全なスケベたい! 彼女おらん歴=年齢の、どこにでもおる25歳の男ですけん!」


「健全なスケベっちなんなん(笑) 意味わからんし!」


「いやでも、マジで顔も綺麗でスタイルもよかし……その、おっぱいとか……すごかって……全部、見えてますばい……」


優馬が少し落ち着きを取り戻すと、女性はふっと笑って自己紹介を始めた。


「気にするとこ、そこなん? まぁ、綺麗っち言われるのは嫌いやないけどね。あらためて、うちは黒崎美鈴くろさき・みすず。よろしゅう」


「いやいや、幽霊から“よろしく”言われたのは初めてやけど……。まぁ俺も名乗っとくわ。小倉優馬って言います。適当に呼んでくれてよかよ」


「じゃあ、優馬って呼ぶけん♪ さっき腰抜かしとったけど、だいじょぶ?」


「……まぁ、なんかもう開き直ったかも。たぶん明日には慣れとう」


「強かとね、あんた。意外と図太かやん」


「ところで美鈴って……いくつなん?」


「ん? 女に年齢聞く〜? でも優馬ならよかよ。うちは24歳。生前は幼稚園の先生ばしよったっちゃん」


「へぇ……。で、なんで……その、幽霊になっとーと?」


「事故で死んだとよ。けど、成仏できん理由がまだあるっぽくてね。それ探しよる途中っちゃ」


「なるほどねぇ……。でも、俺でよかと? その、協力する的な?」


「他に見える人おらんけん、しゃーなかろ? それに、なんかあんたやったら退屈せん気がするっちゃん」


優馬は、ちゃぶ台越しにラーメンをすすりつつ、美鈴をチラチラ見たあと――

思いきって聞いてしまった。


「……でさ、美鈴……その、おっぱいって……何カップなん?」


一瞬、部屋の空気が止まった気がした。


美鈴は「はぁ!?」と目を丸くしたあと、ぷいっと横を向き、それから――顔をぽうっと赤らめた。


「……あ、あんたってほんっと、デリカシーなかとね……」


「いやっ、ほら、気になるやん!? 人間の業っちゅーか、男のサガっちゅーか……!」


「……ばか……」


美鈴は着物の袖でそっと頬を隠しながら、もじもじと、声を小さくした。


「……い、言わんけんね……でも……Eカップ、やけん……」


「!?!?!?」


優馬の目が飛び出るかと思った。


「え、え、え!? Eカップ!? エロのE!? えぇぇ!?(ガタッ)」


「うるっさい! なんで立ち上がると!? エロ大魔王、静まれっ!」


「す、すまん……! ありがたき幸せ……!」


「ばか……もう知らん……」


美鈴は顔を真っ赤にして、ちゃぶ台の向こうでふくれっ面。

けれどその表情は、どこか恥ずかしそうで、ちょっと嬉しそうでもあった。



こうして――優馬と美鈴の、奇妙でちょっとエッチで、ほんのり怖い共同生活が始まった。


二章:エロ大魔王 vs. 風呂上がりのバスタオル地蔵


「ただいまー……」


優馬が部屋のドアを開けると、誰もいないはずの部屋なのに、ふんわりとラベンダーの香りが漂っていた。


「……え、芳香剤変えたっけ?」


違和感を感じつつも、冷蔵庫から缶チューハイを取り出して一口。

彼はニヤリと笑う。


「さて。今夜こそ、“例のDVD”を見る夜っちゃね。」


引っ越す直前、ネットオークションで手に入れた、謎の“レジェンド”裏DVD。

誰にも邪魔されない夜、独身男の唯一の自由時間――。


彼はそっとパソコンを起動し、外付けドライブにディスクを挿入。

モニターに映し出される、タイトル画面。


【濡れてしっとり温泉姫 〜湯けむりの彼方で〜】


優馬「……ふふっ。タイトルからして…アホやな。俺もアホやけど」


そして、再生ボタンにマウスカーソルを合わせた瞬間――


ブツッ。


突然、画面が真っ黒に。


優馬「……ん?」


何度押しても、うんともすんとも言わないモニター。

電源を抜いて、入れ直しても反応なし。


「おいおいおいおい、またか!? 昨日もコレで……」


ふと背後からひやっとした風。

気づけばそこに立っていたのは、バスタオル一枚の黒崎美鈴だった。


美鈴「……何見よったと?」


優馬「ちょっ、ちょっちょちょちょ待って!?なんでバスタオル!?なぜその姿で立っとんの!?」


美鈴「それはこっちの台詞たい。なんでそんなもん見よると?そげな趣味あったとね?」


優馬「いや、ちがう!これは、あれやん、教育映像やん、男女の健康教育映像!」


美鈴「お前の健康がいちばん心配やけん!!」


バスタオルの端でパチンと額を叩かれる優馬。


優馬「いでぇっ!? なにそのピシィンってやつ、霊力込めたやろ!?」


美鈴「込めたよ、愛とツッコミをな。」


美鈴のいたずらモード発動


美鈴「……そんなに“見たい”と?」


優馬「べ、別にそげん言うわけじゃ……いや、でもそのバスタオル姿で近寄られると、むしろややこしいから!!」


美鈴、しれっと優馬の前で――

すっと片脚を上げて、艶っぽいポーズ。


美鈴「ほら、こんな感じで……“温泉姫”ってやつ?」


優馬「やめて!それほんとにいろいろアカン!!」


美鈴「ふーん、じゃあ……消すね」


シュン。モニターが物理的に消失。


優馬「ちょまっ!パソコンそのもの消えたやん!?」


美鈴「心もろともクリーンインストール完了たい。」


優馬の心の声


『彼女いない歴=年齢だった俺が、まさか幽霊と共同生活して、

その幽霊にツッコミ入れられながら“生活指導”される日が来るなんて――誰が予想できただろうか。

……だが今、俺のハードディスクよりも心が揺れている――(主に下心的な意味で)』


おまけシーン:風呂場にて(次回への伏線)


夜、優馬がしょんぼりしながら風呂場へ向かうと、

シャワー音の中に、かすかに聞こえる鼻歌。


そっと扉を開けると――


そこには湯気の中で立ち上がる、美鈴のシルエット。


優馬「あ、あの……今日って交代制とかじゃなかったよね!?」


美鈴「今日は霊界メンテ明けやけん、私の番。」


優馬「いや、そもそも“霊界”ってなんね!?」



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