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残虐王と能面王女  作者: Deadline
本編
4/6

残虐王と能面王女 4

〜ルーナside〜


クユーケさんから手紙が届いた。中身を読むと


『1/17。共に夕食を食べよう。今後について話し合いたい』


と書かれていた。


とうとう側室の話かな?わざわざ許可なんか取んなくてもいいのに、優しいなぁ


「ゆ、許せません。この日はルーナ様のお誕生日。朝から晩まで色々計画してたのに…これじゃ…これじゃぁ…うわああああああああああああああああああああ」


エマが雄叫びを上げている。あ、そっか、この日は誕生日か。忘れてた忘れてた。


「わざわざ誕生日に当ててきますか…。側室の話ですかね…?やはり」


「まぁそうね。ある意味クユーケさんから今いただける最高の誕生日プレゼントだわ」


「それはそうかもしれませんが、わざわざ当日じゃなくても…。私の計画が…」


まだ、エマは嘆いている。私の誕生日を心から祝おうと思ってくれているのなんて、エマとサイラスくらいだ。だが、2人もいる。私は幸せ者である。


「1/17、1週間後ね。準備しなきゃ、よろしくねエマ」


「はい!クユーケさまがルーナ様を呼んだことを後悔するくらい嬉し全力でやります!」


エマ、頑張る方向間違えてるよ…


「エマ、頑張る方向が確実に違う」


サイラスが思ったことを代弁してくれた。




1週間とは短いもので、あっという間に当日である。


誕生日前日の夜、ノリノリのエマと早く寝なくていいのかと苦言を呈しながらもなんだかんだ付き合ってくれるサイラスと共に日付が変わるまでカードゲームとかをして遊んだ。


日付が変わった瞬間、エマとサイラスがお祝いの言葉をくれた。


「「ルーナ様、お誕生日おめでとうございます!ルーナ様のこの一年が今年も素晴らしい年になりますように」」


「ありがとう。2人がいなきゃ私の一年は素晴らしくならないから、これからもよろしくね」


心からの言葉だった。王族たるもの感情を出しちゃいけない、と教育されていた。きっとこの私の本質を出せる2人がいなければ私の心はとっくに壊れていたから。


そこから、私はいつも通り食事処に働きに出かけ、いつもより早く帰宅。クユーケさんとの夕食の準備を始めた。




そして、現在。目の前には金髪碧眼の超イケメン(一応私の夫)であるクユーケさんがいる。あぁ、まじ目の保養。


次々とご飯が運ばれてくる。ほんとに美味しそう。ぶっちゃけイケメンだけでご飯3杯はいける。おかずがあれば7杯いける気がする。まぁ気がするだけだけど。


うわめちゃめちゃ美味しい。サラダ、サラダなのに美味しい。トマトとかも産地直送だなこれ。シャキシャキ具合が半端ない。


お肉は…な、なんと、ほろほろしてる。え?ほんとにお肉ですかって並に口の中でとろける。うわぁ、シェフやるなぁ。すごすぎる。永遠に食べてたい。


美味しいご飯にイケメン。最高のシュチュエーションに一つ問題点がある。


なぜそんなにクユーケさんは私のことを見つめてくる?


そんなにもジロジロと見られてたら食べにくいんですが??私の顔に何かついてますか?


え?もしかしてさっきエマにこっそりバレないようにつまみ食いしたクッキーのかけらついてる?


頭の中で色々考えていると


「くっつっ」


くしゃみでも我慢したんか?的な声が聞こえてくる?どうしたどうした?時期じゃないけど花粉症かな?


というか、


「あ、そうそう。お久しぶりでございます、く…陛下。なぜ私をお呼びになったのですか?側室を娶るならばどうぞご自由になさってください。文句は言いませんし、側室の子を、正式な後継者として育てることに文句もありませんので。お話がこれで完結するようなら失礼致しますわ」


あぶなぁぁあ、、めちゃめちゃクユーケさんって言おうとしちゃった。サイラスがじとっとした目でこっちを見ている。


え、てか、はやく、帰る許可をプリーズ。と言いたいところだが、今帰ったらサイラスからのお説教コースな気がする。


でも、こんな緊迫したところでご飯なんか食べられないよ。ご飯は美味しく食べてなんぼなのに…。なんでこんな味気ないとこで食べなきゃいけないのよ。


「側室?我は側室など娶る気はないが…?」


うおううおう、聞き間違い…?側室娶らないってことは、つまり、私を追い出して王妃の座に新しい人をつけるってことかな…?


「なんでそうなる」


バンッと机を叩いた音と共にクユーケさんが叫ぶ。???どうした急に叫び出して。心が読めるわけでもあるまいし。


「んんっ、すまぬが、王妃以外の者はこの部屋から退室してくれ」


咳払いをしながらクユーケさんが言う。


え?え?どういうこと???



〜アルゼアside〜


勇気を出して、彼女の誕生日に食事に誘った。その日から緊張が止まらなかった。我ながら子供っぽいなと思いつつ。


ルーナが何が好きかもわからないから、いつもは俺中心で考えられているメニューを女性が夜に食べても大丈夫な優しいけれども満たされるメニューに変えてもらった。


準備は万端と思い、夕食の日、ルーナの誕生日を迎えた。


相変わらずルーナは俺の容姿を頭の中で褒め称える。


そして、目線は運ばれてくる食事に移る。一切動かぬ表情、一切乱れぬ作法。一見したら全く味わっていないようだが、実際はこれでもかと言うほど美味しそうに食べてる。


心なしか笑顔が見えてくるほどだ。その可愛さと美しさに見惚れていると、


彼女が俺の視線に気がついたらしく、自分の顔に何かついてるのかと焦り始めた。


その様子が可愛く、どこか面白くうっかり、声を漏らしてしまった。


彼女は不思議そうに首を傾げながらながら


「あ、そうそう。お久しぶりでございます、く…陛下。なぜ私をお呼びになったのですか?側室を娶るならばどうぞご自由になさってください。文句は言いませんし、側室の子を、正式な後継者として育てることに文句もありませんので。お話がこれで完結するようなら失礼致しますわ」


「側室?俺は側室など娶る気はないが…?」


彼女から衝撃的な言葉が飛んできた。まず、俺の名前はアルゼアなんだがな。そろそろ覚えてほしい。


そもそも、なぜ側室の話を…?


そうだ、彼女は俺が側室を娶り子供を産めばいいと思っていた。


彼女に会えると言う事実に胸が躍り大事なことを忘れていた。今日彼女は側室の話を、されると思いながらきたのか。


彼女の頭の中は俺が彼女を求めていることよりも、俺が彼女を追い出し異なる妃を据えようとしていると言う発想に至った。


「なんでそうなる!」


うっかりと思ったことが口に出た。


彼女の戸惑いが手に取るようにわかった。いつもはこんな失態はしないんだがな…。


だが、どちらにしろ逃げてばかりもいられない。フラッシュにもゼパードにもしっかりしろと言われたばっかだしな。


「んんっ、すまぬが、王妃以外の者はこの部屋から退室してくれ」


俺は彼女に俺の能力について、、そして、俺は彼女に惹かれていることについて、話すことを決意した。

少しでも「面白いな!」「続きが読みたいな!」と思ったら下の☆の1番後ろをタップしていただけると、幸いです!


また次話で、お会いできたら嬉しいです٩( ᐛ )و

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