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残虐王と能面王女  作者: Deadline
本編
1/6

残虐王と能面王女 1

お願いします!

長年敵対していたフロイス王国とトマルア王国。フロイス王国が戦争に敗れ、条約を結び友好の証としてフロイス王国の王女がトマルア王国国王に輿入れしにきた。


トマルア帝国の客間にて行われた両者の顔合わせ。


「お初におめにかかります。フロイス王国第一王女、ルーナ・フロイスと申します。末長くよろしくお願いいたします」


崩れぬ姿勢、感情のこもらぬ表情。何があっても動じない、怒らない、感情を露わにしない彼女は能面王女と呼ばれている。


だからだろうか、彼女の輿入れについてきたのはメイド1人と護衛1人である。


「トマルア王国の王、アルゼア・トマルアだ。末長くか。末までの時間が長いといいな」


大きな体躯に不遜な笑み。側近でさえも手にかける彼は残虐王と呼ばれている。


「陛下の支えとなれるよう精進していく所存です。至らぬ点も多いかとは思いますが、よろしくお願いいたします」


「俺の支えか、俺のためになることをしたいなら簡単だ。何もしないこと。俺の視界に入らないこと。それだけだ。忙しいので失礼する。しばらくはこの部屋を使ってくれ」


「了解いたしました。お気遣い感謝いたします」


王女は王が部屋に出るまで綺麗な礼を崩さなかった。


元々両国は敵対関係にあったため、緊張感をはらんだものであった。


ただその場の空気と当事者の気持ちは意外と一致しないものである




〜ルーナside〜

「お初におめにかかります。フロイス王国第一王女、ルーナ・フロイスと申します。末長くよろしくお願いいたします」


我ながら完璧な挨拶。素晴らしい。あっぱれあっぱれ!


というかさ、ほんとにさ、何かのイケメン。目の前のイケメンがイケメンの極みすぎる。どタイプだ。


金髪碧眼。少し高い鼻に、切れ長の目。身長は180後半かな?162センチと、女子にしたら大きい方ではあるわたしよりも頭一つ分くらい大きい。


100人にアンケートを取ったら95人はイケメンって言うし、残りの5人も認めたくないだけで心ではかっこいいとおもってる。みたいな感じになりそうだ


性格がどんなにクズでも許させるレベルのイケメンだ。え、ちなみに、次から発言はどっちですか?クズ発言ですか?イケメン発言ですか?


イケメンのイケメン発言も萌えるけど、イケメンのクズ発言もなかなかいいよね


あ、やば涎垂れてきそう。


「トマルア王国の王、アルゼア・トマルアだ。末長くか。末までの時間が長いといいな」


はいきたあああああ!クズ発言きました!ありがとうございますごちそうさまです。ごちそうさまです!


あぁ、さっさとこんな堅苦しい場を終わらせてエマと語り合わなくてわ。


「陛下の支えとなれるよう精進していく所存です。至らぬ点も多いかとは思いますが、よろしくお願いいたします」


ただ、こんなことを考えてるなんて知られてはいけない。なにせ、私は能面王女ですからね。


というか、誰が能面やねんがちで。表情筋がめちゃめちゃ鍛えられてるだけだわ!


そうやって教育されてきてんねん!!ったくよぉ


「俺の支えか、俺のためになることをしたいなら簡単だ。何もしないこと。俺の視界に入らないこと。それだけだ。忙しいので失礼する。しばらくはこの部屋を使ってくれ」


「了解いたしました。お気遣い感謝いたします」


お辞儀。お辞儀。会話が途切れ相手が退出する時はお辞儀をすればいい。これで相手が去るまで待とう。


というか、クズ発言が身に染みる。まじで、尊い。でもこういうタイプを恋人とか夫にしたいかと言われたら否。無理こういう亭主関白なタイプ。


眺めてるだけで十分だわ。


流石に、国同士の条約結んでるから私を王妃にしないわけにいかないけど、確かこの国別に側妃とかもオッケーだろうから側妃を娶るよう推奨しよう。


推奨するだけじゃ足りないから、後でエマとサイラスに私の悪い噂流してもらお。普段も能面な女は営みの最中も能面だって。


まぁ、営んだことないからわかんないけど。


そういえば、なんか、王様若干目泳いでたし、耳とか赤かったよな…。疲労とか?風邪とか?やっぱ王様って大変のかな…?


そんなことを考えていると、サイラスが


「そろそろいいですよ」


という。周りにエマとサイラス以外いない時=私の能面が外れる時である。


ニヤニヤしながらエマの方を向くと


「ルーナ様ああああああああ、なんですかあのクズイケメンは、まじ尊いんですけど。金髪碧眼。イケメンの権化ですね。片耳ピアスなのがさらによきです」


と、顔を紅潮させ、ふんふんと少し鼻息を荒くして話しかけてくる。


「やっぱそうよね。私とエマの好みどストライクよね」


「「「でも、絶対にパートナーには無理なタイプ」」」


3人の声が揃った。私とエマは顔を見合わせて笑いだす。


「絶対言うと思ってましたよ」


と苦笑いなサイラス。さすが私たちの思考をよく分かってらっしゃる、


「夜の営みも無表情の能面みたいな噂やっぱり流しますか?」


「僕は反対ですけどね。純潔ちってる男好きみたいな評判も一緒に流れますよ?」


男のサイラスがそれを言うのは若干どうかとは思うが、そこには触れないで置いたとして


「それはそれよ。私別に抱かれたくないし。たまに眺めるだけで十分だわ」


「クズって毎日会うと飽きると言うか胃もたれというかそんな感じしますもんね」


そうそう、イケメン不足になった時にたまに眺めて、クズイケメン不足になった時に偶然を装い会いに行けばいい。


「はぁ、わかりましたよ。じゃぁ、いくよエマ。人が多いところでテキトーに話してこよう」


「はぁい!行ってきます!ルーナ様」


ほんとにエマは元気で癒されるなぁ


「行ってらっしゃい、頼んだわよ、エマ、サイラス」


敬礼して出ていくエマと、ため息をつき胃のあたりをさすりながら出ていくサイラス。


サイラスの苦労人具合が伺える。


「あ、ルーナ様、経路を見つけるのはいいですが、僕もエマもいない時に外に出ないでくださいね」


サイラスが思い出したように釘を刺す。


「分かってるよ、流石に1日目だしね」


流石にまだ、外に出る準備はしないよ。まぁ、明日からは始まるだろうしもう少ししたら全然お城を抜け出して城下町とかで食事処とかで働き始めるけど。





少しでも「面白いな!」「続きが読みたいな!」と思ったら下の☆の1番後ろをタップしていただけると、幸いです!


また次話で、お会いできたら嬉しいです٩( ᐛ )و

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