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1,転生しました

完結していないのでストック無くなり次第、不定期投稿になると思いますがどうぞよろしくお願いします。なるべく切らさない努力はします。

 

 「人が倒れたぞ!」

 「救急車だ!」

 「駄目だ。もう息がない…」



 陽射しがきついアスファルトの上で私が横たわっている。正確には私だったもの、かな。うん。死んだね、私。これは多分熱中症だね。日本は暑いから仕方ない。家族はいないし自分が死んだところでね、迷惑と思うのは身寄りのない人間にお金を使わないといけない葬儀会社かな。まず葬儀すんのかな。わからん。まあいいや。


 自分の死を受け入れたとき、真っ白な空間に飛ばされた。

 

 虚ろな表情の人間達が同じ方向に向かって歩いているのできっとここは生と死の境目だ。でもあっち行きたくないな。なんか嫌な感じがする。逆側に行こう。逆側を暫く歩いていると辺りが暗い世界と化した。でも不思議と嫌な感じはしない。凄く暖かい。



 あ、来世を期待してお願い事しとこ。

 生まれ変わったら魔法が使いたい。人を襲うような魔物とかはあんま要らないかな。でも仲良くなれる魔物なら良い。あとは前世は家族みんな早死にしちゃって物心ついた時にはもういなかったから暖かい家族が欲しい。

 「よろしくお願いします」

 スケスケの手を合わせて暗闇の中どこにいるかもわからない神に祈った。




 「ラーラ、ラーラ!しっかりしろ!」

 「母上、目を開けてください!」

 これはこれは。転生いたしました私。願いは叶えられました。そしていきなり家庭崩壊まっしぐらです。「お前さえいなければ母さんは死ななかった」的なあれですねはい。私が魔法使えるならこの人を助ける。ちょっと試すだけだから、ちょっとね。


 手を伸ばして母の頬に触れる。柔らかくてもちもちすべすべだ。まあそんなことはどうでも良くて。


 この人を助けたいと強く願い、手の平に意識を集中させる。すると驚いたことに手が熱く光り出した。声をかけていた人も目を見開いてこちらを見ている。これは、治癒魔法というやつなのだろうか。青白い頬に徐々に赤みがさす。

 この場にいる全員が息を呑んだ。私以外は。私は魔法が使えた喜びで興奮していて驚きどころではなかったのだ。



 「う…ん……。あら?貴方達、こんなところで何を?」

 息を引き取る直前の母は私の魔法により目覚めた。

 「ラーラ…!よかった…よかった…」

 「母上!」


 多分父である人は目に溜まったものを拭った。兄であろう男の子は母に抱きついた。そして私はというと、興奮しすぎて魔法のコントロールが効かなくなり、疲れて爆睡した。魔法を使いこなすにはコントロールが必要なようだ。大丈夫だろうか。私は小学校卒業目前にして死んだがお世辞にも勉強ができるとは言えなかった。小学校の勉強でさえだ。運動も勉強もできない特に取り柄のない地味な女だった。死に様も割と悲しい。熱中症で死ぬなんて。でもそのお陰でこの世界に転生できたんだ。魔法がある世界に。よし、やろう。勉強はつまらないけど魔法のコントロールは座学じゃない。なんとかなるでしょ。





 数ヶ月もするとやっと異世界というものが馴染んできた。まずは状況を整理しよう。私は精神的には小学生、12歳だが今は赤ちゃんなのでお家はベビーベッドだ。部屋の調度品を見るに、どこかのお貴族様だろう。今は恐らく生後8ヶ月。あと4ヶ月で1歳だ。使用人?が私の誕生パーティーについて話していたから前世含めて私は初めて誕生日を祝ってもらえる。前世は自分の誕生日すらわからなかったから凄く嬉しい。そして私はまだ家族に会ったことがない。あるが生後1秒の危機的状況でまともに顔が見れるわけがない。美形だったことしか覚えていない。



 と、家族のことを考えている時だった。突然ノックもなしに美少年が入ってきた。扉が控えめに開けられたのは救いだ。扉を壊さんばかりに開けられたらびっくりしすぎて気絶する自信がある。


 「エリーゼ、母上の体調はよくなっているよ。君のお陰だ。ありがとう。…なんて言っても理解できないか」

 いいえ、バッチリ理解していますとも。私の名前はエリーゼというのか。そういえば前世で曲名になっていたな。音楽はずっと好きだったから楽器をやってみたいな。私がずっと見ていたのに気づいたのか、少年、兄?は私を見て微笑んだ。


 「俺はエリオットだよ。エリーゼの3歳上のお兄ちゃんなんだ」

 3歳上ということは3歳か4歳だな。

 「えい!」



 違う、エイじゃない。エリって言いたい。でも生後8ヶ月って話せるっけ。わからんけどとりあえずびっくりしているから話せないのかもしれない。そして兄はプルプル震えてる。でも兄も相当話せる方だと思うが。


 「母上と父上よりも先に俺の名を呼んでくれるんだね」

 そっちか。両親にはまだ会ってない。恐らくあの時生死の間にいた母のことが心配で父は離れられないのだろう。うんと肯定する代わりに小さい手を伸ばしてこれまた小さい兄の指をギュッと掴んだ。


 「う゛……!かわ…!」

 お人形のように綺麗な人が私を見て悶えている。なんだろう。可愛いな。中身12歳の私からすればあなたの方が可愛いと思いますが。ひたすら愛でられたのちに兄は「明日も来るね」と言い残して去っていった。


 乳母と思わしき女の人がポーっとしているので使用人の中でも人気があるようだ。あの年であの顔なら当然か。とりあえず明日を楽しみにしておこう。



 あ、魔法が使えるならアレやってみたいな。召喚魔法。可愛い精霊を出してみたいな。魔法陣とか書いて。この世界、もしかしなくても私の微厨二病が唸るかもしれない。


今回の登場人物


・エリーゼ・ガーナメント(8ヶ月)

・エリオット・ガーナメント(3歳)

・両親

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