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■16 皇帝陛下の進軍


「……それで、陛下は」


「はい、閣下。陛下は自ら赴くと仰ったそうです」


「やはり、か」



 俺の兄である皇帝陛下。このアメトリス帝国がここまで大きくなったのは、彼がいたからだ。……と言っても、血の気の立つ方ではある為、全て侵略して得た土地ばかり。属国も多く、周りは陛下の顔色ばかりを窺っている。まぁ、戦場に行くとなれば宮殿内の者達は少しは安心することが出来るだろう。……はぁ、また仕事が増えるな。手の焼ける人だ。


 分かった、ありがとう。そう、宮殿の者を戻らせた。



「で、どうするんだ」



 この報告を予め読んでいたであろうカシアスがそう聞いてくる。で、俺の答えもどうせ分かっているはずだ。



「一回戻るか?」



 その手もある。イヴには一人付ければいい。だが……



「いや、いい」



 俺が宮殿に戻らなくとも、アイツ等はちゃんと仕事は出来る。……まぁ、私情も少しは入っているが。


 俺達がこのメルテルス領に来た理由、それはこの土地の領主、メルテルス伯爵家を調べる為だ。我々が今追っている、とある集団との繋がりがあるという情報を掴みここに来た。


 今回、陛下は侵略の為に武器を作らせている属国から武器を取り寄せた。調べてきたカシアスによると、それに紛れ込ませて五分の一は違う場所に運ばれた。その場所がこのメルテルス伯爵の所有する土地だったのだ。事が事な為、この件は秘密裏に処理するとしよう。だが……



「なら、その武器をどこに使うつもりだったのだろうか」


「彼らに渡すとしても、なら奴らの目的が何なのかが分からないとこっちは先手を打つどころか下手に動けない」



 マクスの言う通りだ。奴らとの接触は二回。だがそれでも一度目は取り逃がし、次は自決されてしまった。


 先程トンプソン子爵と接触した。奴ら側にいる可能性はあるが、捕まえても果たして全て吐き出すだろうか。奴に手を出すと面倒になる事は分かってる、奴は子爵である他に、ハンターギルドを持っている。そして、この国のありとあらゆる情報網を駆使し情報をかき集めることが出来る。だからこそ、敵に回したくはない。


 こちらも大体の情報は集める事は可能だが、少しでも気を緩めれば奴に知られあの集団にバレてしまう。



「……」


「どうした、アンディ?」


「……いや」



 奴の事は何度か見た事はある、が……俺の知っている奴とはまるで別人だな。



「イヴは?」


「イヴちゃん? 部屋で寝てると思うぞ。……あ、もしや夜這「おい」……失礼しました、王弟殿下」



 ……明日、収穫祭に連れてくか。奴に出くわさない事を祈ろう。







「……こっわ」


「アンディをからかったお前が悪いんだぞ、マクス」


「ういっす」



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