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ストーリー・フィクサー  作者: 切り札の一手
8/8

作戦会議

第7話です。

今回はタイトルの通り、作戦会議を創太達が行う話です。それでは、本編をどうぞ!

「それじゃあ、作戦会議といこう」

「そうですね。まずは何について相談しましょうか?」

 コアがそう口にして、作戦会議を始める。

「そうだな…まずはどうやってクローザー達の所に行くかだな」

「私達は場所わかんないもんね。コアは何か知らないの?」

「クローザー達の場所に行く道はわかっているので、案内はお任せください!」

「じゃあ、案内は頼んだ。移動方法はどうする?」

「うーん…飛行機とか?」

「確かに怪盗の能力で創ることはできるかもしれないけど、さすがにデカすぎだ。そもそも滑走路がないから飛べないし、運転の仕方もわかんないから、無理があると思う」

「確かに…じゃあ、バイクとかならどう?」

「それは俺も考えた。一応バイクの免許は持ってるし、やってやれないことはないと思う」

「じゃあ、バイクで行こう!」

「それで良いかもしれない…ただ、大体どれぐらい離れているのかがわからない。コア、ここからどれぐらい掛かるか教えてくれ」

「そうですね…歩きで大体1月、バイクでなら無理をすれば約1日、余裕を持って行くなら2、3日といったところですね」

「えーっと、人間の平均時速が4Kmぐらいで、歩きにかけられる時間が10時間ぐらいだと仮定すると…大体1200Km以上離れてるのか…遠いな」

 流石に遠いな…うん?待てよ…この世界はファンタジー世界だから飛行機とかはないはず…あったとしても馬とか馬車とかだろう。

 街を襲う時には、ある程度軍勢を率いていたはず…その軍勢をどうやって連れてきていたんだ?

「…もしかして、どこかに転移の魔法陣でもあるのか?」

「おそらくは…だから私達の目指すべき場所はその魔法陣です」

「なるほどな。敵の魔法陣を利用して、一気にクローザーのところに向かおうってことか…よし、それでいこう!」

 後は、魔王軍と遭遇した時の対処だな…魔法陣を目指す以上、魔王軍と遭遇するのは避けられないだろう。

 ただ、俺達の最終的な目標はクローザーを倒すこと。ぶっちゃけ魔王軍と真正面からやり合う必要はない。

 どうにか時間稼ぎができれば、後は俺達が転移の魔法陣を使ってクローザーの所に向かえば良い。

「…コア、魔王軍を足止めする良い方法はないか?」

「それなら、さっき創太さんが手に入れた魔物の核を使いましょう」

「さっきの宝石か?これを一体どうするんだ?」

「はい、それを私の力で元の魔物の姿に戻します」

「そんなことができるのか?」

「可能です」

「なるほどな…そういえばコアって神だったな…すっかり忘れてた」

「まぁ、そう思うのも無理はありませんよ…実際、私はあなた達の力を借りなければクローザーを倒すこともできませんし」

 クローザーは外側の存在でなければ倒せない…ストーリー・ワールドの管理者であるコアも例外ではないってことか。

 こう考えると、本当にコアはなりふり構っていられなかったんだな…だから半ば強引に俺達にクローザーを倒すのを手伝わせた。

「…お前は本当に必死だっただけなんだな」

「えぇ、そうです…巻き込まれた創太さん達にしてみればたまったものではないかもしれませんが」

「そうだな、たまったものじゃない…だけど、俺も弥生を守るために必死だからな。お前の気持ちはよくわかるよ…だから、コア!お前の力を貸してもらうぞ!俺達を巻き込んだんだ、それぐらいのことはしてくれ」

「もちろんです!」

「よろしくな」

 そうして、俺はハイタッチ代わりにコアの表紙の部分を軽く叩いた。

「創太さん、今のは?」

「ハイタッチ。コアは本だから手の代わりに表紙っぽい所を叩いてみた」

「なるほど…ハイタッチ、なかなか良いものですね!」

「だろ?」

「よし!話もまとまったし、兄さん!コア!さっそく始めちゃお!」

「そうだな!よし、行こう!2人共!」

「うん、行こう!」

「えぇ、もちろんです!」

 2人の頼もしい返事を聞きながら、俺は作戦を実行に移す為に準備を進めるのだった。

////////////////

「ちゃんと掴まってろよ、弥生」

「うん!兄さんに合法的に抱きつけるチャンスだもん!絶対無駄にはしないよ!」

「あはは……」

 苦笑しつつ、怪盗の力で創り出した黒色のバイクに乗る。

 これで、後俺が怪盗の力で創り出せるのは1つのみ。何を創り出すかは慎重に決めなくちゃいけないな。

「なぁ、コア…このバイク、ちゃんと収容できるって本当か?」

「えぇ、怪盗のジョブで創り出したものは出し入れ可能です」

「そういうことは早く言ってくれよ…まぁ、聞かなかった俺も悪いけど」

 色々とありすぎて、そこまで頭が回らなかったからしょうがないな、うん。

「兄さん、あの人!」

「うん?あれは俺達を助けてくれた兵士さん!やっば、バイクを隠さないと!」

 そう言った瞬間、バイクがその場から消えた。

「君達、良かった!まだここに居たか!」

「兵士さん、どうかしたんですか?」

「君達にこれを渡したくてな」

 そう言って、兵士さんは剣と盾、そして何かが入ってる袋を手渡してくれた。

「これは…?」

「魔王軍と戦いに行こうとしている君達にせめてもの餞別だ」

「…!気づいていたんですか?」

「まぁ、確証はなかったのだか、少し気になってね…そうして砦の中を探したら、君達の姿が見当たらないじゃないか。私の予感は間違っていなかったとその時感じたよ」

「そうだったんですか…僕達のこと、止めないんですか?」

「最初は止めるつもりだった。しかし、君達の覚悟が本物だとしたら止めるのは少し違う気がしてね…とりあえず、この装備を持って会いに行き、君達の覚悟が本物ならこれを渡すと決めたんだ」

「じゃあ、僕達の覚悟が本物だってわかったからこれを?…そういうのって見ただけでわかるものなんですね」

「私は人を見る目だけは自信があるのさ」

 笑みを浮かべながら兵士さんはそんな言葉を口にする。

 俺もそれに応えるように笑って、兵士さんから装備を受け取る。

 そうして、受け取った装備からずっしりとした重さが伝わる。この重さは単純な装備の重さだけでなく、俺達が今行おうとしている事の重さも伝わってくるようだった。

「ありがとうございます…必ず無事に目的を達成してきます!」

「あぁ、約束だ。必ず妹と共に生き残るんだ」

「はい!」

「良い返事だ。では、私はそろそろ戻るよ…君達が無事に生き残ることを祈っている…くれぐれも無理だけはしないように」

「わかってます…」

 俺の返事を聞いた兵士さんは、俺の頭を撫でてからその場を去った。

「色々と託されちゃったね、兄さん」

「そうだな……弥生、コア、行こう!」

 俺は2人にそう声を掛けながら、さっきしまったバイクを出現させ、もらった装備はコアに預け、バイクに乗り込む。

 そして、弥生が後ろに乗り込みしっかりと俺に抱きつく。コアは俺の前に陣取り、俺の所に寄りかかる。

 これ、コアのやつ吹っ飛ばないか?いや、コアは飛べるっぽいし万が一の場合でも大丈夫か。

 俺はそんなことを考えながら、魔王軍の居る場所に向かってバイクを走らせるのだった。

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