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ストーリー・フィクサー  作者: 切り札の一手
1/8

プロローグ

以前から書きたいと思っていた作品です。拙い文章かもしれませんが、楽しんで頂ければ幸いです!

それでは、本編をどうぞ!

その日、俺達の運命の歯車が回り始めた。


それはなんてことない日常からの乖離、日常に非日常が溶け込み、俺達は前に進むことしかできなくなった。


俺はあの日のことを忘れることはないだろう。


これは、俺達が紡ぐ、閉ざされた世界の未来を取り戻す物語だ。

///////////////

「今日も良い天気だな…」

「そうだね、兄さん」

「弥生さんや、何故腕を絡ませて一緒に歩いているんだ?」

「創太兄のことが大好きだからです」

「そうですか…まぁ、もう慣れたものだけども」

 妹とそんな会話を交わしながら、いつもの通学路を歩く。何かいつものことすぎてもう何の疑問を湧かない自分に驚きを隠せないな。

 今、俺の腕に抱きついている妹の名前は神白弥生(かみしろやよい)、俺より1つ下の高校1年生の妹で、今は同じ高校に通っている。

 ちなみに血の繋がった妹である。普通なら、このぐらいの年齢の妹は兄を煙たがりそうなものだが弥生はそうではないらしい。

 そういえば、小さい時からそうだったな……って、小さい時を基準にしちゃダメだろ、今の弥生は立派な女子高生なんだから。

「どうしたの?」

「いや別に何でもない…ただ、弥生も大きくなったなぁっと」

「まぁ私も立派な女子高生だからね」

「そうだな…我が妹ながら、かなりの美少女に成長したと思う」

 これはお世辞でも何でもなく本当にそう思う。

 流れるような長い栗色の髪に整った顔立ち、抜群のプロポーション、しかも性格も人懐っこくて優しいときた。多分、弥生が妹でなければ俺も惚れている。

 一応、俺も弥生や母親が言うには顔立ちは整っているらしいが、弥生の美少女っぷりには敵わないだろう。

「そ、そうかな?ありがとう兄さん…」

 そう言って、照れくさそうな表情をする弥生に、見ているこちらも少し気恥ずかしくなってくる。

 危ない危ない、ちょっとドキッとした…我が妹ながら恐ろしいなまったく。

「おーい、2人共!」

「うん?」

 後ろから聞こえてきた声に振り返る。そこには如何にも快活そうな短髪の男の姿。

「何だ玄信か…相変わらず元気だな」

「三宅さん、おはようございます」

「2人共、おはよう!お前らも相変わらず仲良いな。恋人同士って言われても違和感ないぞ」

「こ、恋人同士!?そ、そうですか〜?えへへ…」

「ガチじゃん…おいおい創太、まさか妹と一線越えてないよな?」

「それはない」

 俺達に声を掛けてきた男の名前は三宅玄信(みやけはるのぶ)、俺の小学生の時からの友人だ。

 中学生になる時、玄信は引っ越したから中学は別々だったが、縁があったのか、高校に入学した時に再会した。

「兄が大好きな妹なんて、2次元だけの存在だと思ってたぜ…実際、うちの妹なんて俺に対して塩対応だよ?一緒に暮らしてても、最低限の会話しかしないし」

「それはお前の方に原因があるパターンだったりするのでは?」

「いやいやそれはない……と思いたい」

 こいつ、絶対なんか心当たりあるだろ…まぁ、あえて聞かないでおくが。

「そ、そういえば!最近、巷で噂の神隠しの話は知ってるか?」

「「神隠し?」」

 弥生とハモりながら、玄信に聞き返す。

あまりにも露骨な話題の逸らし方だが、話自体は気になるな。

「ほら、最近高校生数人が行方不明になった事件があったろ?」

「知ってる。だけど、居なくなった高校生達は数日経ったら戻ってきたんじゃなかったか?」

 その事件は俺もニュースで見た。数人の高校生が同じタイミングで姿を消したということで、かなりの話題になった。

 ただ、数日が経過すると無事に高校生達は戻ってきたから、事件は解決したってことになっていたはずだ。

「そう!だけど、結局誰が何の為にそんなことをしたのかはわからずじまいだ。しかも、当の高校生達も自分達が行方不明になってる間のことは覚えてないんだぜ?」

「うん、それは俺も不思議に思ってた。確か、その高校生達は出身地も通ってる高校もバラバラで、関連性がまるでなかったって話だったしな」

「そうそう、だから一部の奴らからは神隠しなんじゃないかと言われてるんだ。だって、誘拐とかだったら、身代金の要求とかないのっておかしいし、猟奇的な奴だったら無傷で済むわけないだろ?それに記憶を失っているのも妙な話だ」

「なるほど、それで神隠しか…色々と飛躍してる気もするけどあり得ない話じゃないな」

「だろだろ!お前なら信じてくれると思ってたぜ!」

「ただ、本当に神隠しかどうかはわからないからな…あくまで可能性の1つぐらいに思っとく」

「ま、あくまで一部の奴らがそんな風に考えているって話だから、信憑性はないよな」

 そんな風に玄信と会話を交わしていると、抱きつかれている腕に力が入る。

「ちょっと、2人で盛り上がらないでよ〜!ほら、兄さん!早く行こ!」

「ちょっ、弥生!?引っ張るなって!」

 少し怒った様子で俺を引っ張って歩いていく弥生に、バランスを崩しそうになりながら歩を進める。

「そ、それじゃあ玄信、後で学校でな!」

「おう!また後でな!妹とイチャイチャしながら登校すると良いさ!」

 茶化すなよ…そんな一言が口から出そうになるが弥生に引っ張られ、それを口に出すことはできなかった。

 それにしても、弥生になんか悪いことしちゃったな…お詫びとして帰りに弥生の好きなプリンを買って行ってやろう。

 俺はそんなことを思いながら通学路を歩いて行くのだった。

 だが、この時の俺は予想もしていなかった、まさか1つの可能性程度にしか思っていなかった神隠しが、自分の身に起こるとは。

といった感じのプロローグでした。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

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