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A級ダンジョンー⑳

 火人改の巨大な火の玉を躱して加速し、魔石に向かって人間ドリルをする。

 しかし、火人改も馬鹿では無いようで左手で防がれる。

 すぐさま後退し、火人改の辺りを飛びまわる。

 それは、夏の教室の午前のコバエのように。あれは本当にウザかった。

 火人改の右手の振り下ろしよる叩きを躱して、火の玉を躱す。

 時には腕を攻撃したりするけど、意味が全くないので辞める。

 大分、空中戦に慣れたが、やはりバランスが上手く取れなくて全速での飛行は出来ない。

 地面に降り立つ。


「逃げてくんねぇかな」


 そんな理想を口にしながら火人改の行動を見ていると、変化が起きた。

 これは、俺に取ってありがたいのかありがたくないのか分からないが。

 火人改の残っていた魔石9個を1つにまとめて、体が普通の大人男性並の身長になる。

 それは、俺が遭遇した火人改の姿と瓜二つだった。

 しかし、感じる威圧、魔力、存在感がさっきまでの火人改とは明らかに違った。

 こいつは、さっきの巨人状態よりも強い。

 火人改が揺らりと揺れたと思うと、すぐ目の前に火人改が居た。

 冷静に見ていたのでギリギリで躱す事に成功した。

 かなりギリギリだった。本当にギリギリだった。

 バックステップで距離を取ると、火人改が先程と同じように揺らりと揺れる。

 そして、目の前に火人改が現れる。

 そう、現れた。

 あいつは一瞬で分解され火花になってすぐ目の前でまた1つの塊になったのだ。

 多分、走るとかの行動よりも速いのだろう。


「1度見れば躱せるけどね」


 今度は余裕を持って回避行動を取った後に反撃で火人改の腹に向かってラプラス刀を突き刺す。

 が、硬い鉄壁に当てているかのように微動だにしないラプラス刀。

 それ程までに硬くなっているようだ。

 後ろに大きく跳躍して距離を取る。

 火人改は今度は走って近づき、右拳によるストレートを入れてくる。

 ラプラス刀で防ぎ、左手で刀身を抑えて防御に徹する。

 火人改は格闘選手のようにぴょんぴょんはねた後、地を蹴って接近し、右拳を下から上へと振り上げる。

 それに当たらないように、合わせるようにバク転をし、後ろに下がる。

 そして、すぐさま肉薄し、左拳でパンチをかましてくる。

 左に動いて躱し、反撃で左側胴体に向かってラプラス刀を突き刺す。

 同じように壁に当たったようにビクともしないで防がれる。

 魔法は一切使わない武闘家タイプのようだ。

 この場合、全く刃物は役に立たない。少なくとも俺の場合は。


「ラプラスガントレット」


 ガントレットに変えて両腕全体にラプラスのガントレット、両足には万能靴に絡み付いて新たな靴のような長靴のような純白のウリエル。

 禍々しい両腕に神々しい両足の完成だ。

 ラプラスの右拳と火人改の右拳がぶつかり合い、火花を散らすことなく互いに後方に飛ばされる。

 同時にクルッと回って着地した後、地を蹴って肉薄したと同時に左足による回し蹴りをぶつけ合う。

 空気が振動していく。

 今度は連撃だ。

 残像すら見える程の速度でぶつかり合う拳と拳。


「ハァハァ」


 今、火人改の進化や変化に付いて考えていた。

 初めて会った時は右半分が防御や物理攻撃に使っていて、左半分が魔法を使っていた。

 次に分裂?分身?して二体になっていた。その時は姿形何も変わってい。

 そして、巨大化。

 魔石が15個になっていて魔法や攻撃に関して変わらなかったが、防御力は全体に均等になっていた。

 そして、最後のこの状態は魔法は一切使わずに格闘家のように武道で戦っている。

 魔力の流れを完全にコントローラーし、攻撃時に魔力を拳に集中させている。

 さらに攻撃が当たるところにも魔力を集中させて防御にも使っていた。

 ただ、相手も元々の攻撃力や防御力は高いと思っていいだろう。

 さっきのラプラス刀の場合は魔力を集中させていなかったのだ。

 つまり、あいつは斬撃による耐性はあっあも打撃による耐性は無いと見ていいだろう。

 火人改が踵落としをしてくるので、横に動くが、移動したところに拳が飛んでくる。

 右手でブロックするが、殴られた時の衝撃が身体全体を巡っていく。

 ピリピリしたが、すぐに体制を建て直し火人改の回し蹴りを躱す。

 そのままバク転して火人改の顎に当たる部分に蹴りを入れる。

 顔を少し傾げてその蹴りを躱した火人改に向かって、その胴体に正拳突きを入れる。

 その時に拳に気を纏わせて、衝撃を一直線に伝わるように使った。

 衝撃波が一直線に飛んでいって後ろに飛ばされる火人改。

 しかし、魔力を上手く操作して衝撃を相殺したようで大したダメージはないように見える。

 火人改は壁、天井、を通ってアクロバティックに動きながら踵落としを入れてくるのでブロックすると、火人改は壁に動いて天井に行き、再び踵落としを入れてくる。

 今度はバックステップで躱すと、着地と同時に地を蹴って肉薄すると、駆けた時に生まれたエネルギーを利用して正拳突きを入れてくる。


「ぐっ」


 無理矢理身体を捻らして躱す。

 壁に背中から激突して、背中、背骨と痛みが伝わってくる。

 ただ、ここで止まったら一撃であの世に行ってしまうので立ち上がる。


「あの世ってあるのかな?」


 そんな、本当に、とても、くだらないことを口走った。

 何かを殺したら地獄に行くようだが、それだと冒険者みんな地獄行きなのだろうか。

 ?なんで今こんなくだらない事を考えているんだ?

 俺が、ここで死ぬからか?何故、死ぬんだ?火人改に負けるからか?何故、負ける?相手に攻撃が通らないからか?本当にそうか?通らないのに魔力を集中させたのか?

 なんか、話しが滅茶苦茶な気がする。気の所為だよね。


「うっし」


 気合いを入れ直して火人改に向き直る。

 そもそも馬鹿正直に、やる必要なんてないんだよ。

 ラプラスとウリエルの圧倒的な初見殺しの戦いかでいいんだよ。

 あれ?さっき見せたような気がする。⋯⋯気にしないようにしよ。

 火人改に向かって正拳突きを入れると、火人改は右手に魔力を一点集中して向かい打とうする。

 ぶつかったのと同時に左拳のラプラスを薙刀にして火人改に突き刺す。

 急な不意打ちによりダメージが通る感覚がする。

 長剣や刀だと、届く前に魔力を動かされていたかもしれないが、薙刀のように長いリーチを持っていたからすぐに攻撃出来たのだ。

 後ろに後退した火人改は刺された所を抑えてながらこちらを見ている⋯⋯ように見える。

 目がないので見ているか分からない。

 ただ、「なんでこんなことするんだよ」と言っているような感じがする。

 まあ、相手の方が強いし勝てる保証もないしね。

 確実に勝てる方法を取ったまでだよ。

 そうして火人改は霧散した。黒い霧となって。

 そう、薙刀で魔石を貫いたのだ。

 魔石を持っている魔物は魔石を失うと消滅するのだ。

 そして、火人改はあるアイテムを落としていった。

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