A級ダンジョンー⑲
「畜生!なんで増えてんだよ」
今、火人改と戦っている。しかも2体。
霧散した火がまた集まって新たな塊となって俺の前に現れたのだ。
しかも、今度は2体になってだ。
しかも、しかもよ。
サイズが一切変わってい件に付いてどう思います?
ラプラスやウリエルも分裂したらサイズ小さくなるんだよ。
「ん?火人改って分裂?分身?分解?へ、なんだろうか?」
やばい混乱してきた。
火の玉の勢いも2倍になっているので今は只管逃げている最中だ。
ふむ、一体どうすればいいのだろうか?
あ〜やばい混乱で頭が回らない。
これもまた、あれか、幻夢か。
ステータスを確認してみる。
「デバフはないと。さいですか」
逃げる、曲がり角を曲がって逃げる。
別れ道を左に行ったりとひたすら逃げる。
何故逃げるかとゆうと、普通に戦ったらまず、負けるからだ。
一体であんなにギリギリだったのに二体とか無理ですよ。
そのままひたす逃げる。
天井に身を潜めてやり過ごす作戦は全く意味をなさない。
気配感知系の能力でもあるかのように見つけ出すのだ。
あんまり気は進まないが、背に腹はかえられぬと言うし、しゃあないよね。
「範囲殲滅」
俺を中心としてドーム上に純白の殲滅光が広がっていく。
2秒も経たずに火人改達を呑み込んで行き、収まった時にその場にいたのは、俺。
巨大化した火人改だった。
「こいつ不死身かよ」
ただ、不死身と言っても何かが違う気がする。
最初は普通の大人男性並の身長の一体だった。
その次にサイズや能力をそのままにした火人改が二体になっていた。
そして、3度目は火人改は巨人化していたのだ。
「これは、魔石を破壊するしかないね」
巨大化になってようやく解析に引っかかった魔石の在処をみて驚愕したのだがね。
何故なら魔石は極小で15あったのだ。
つまり、こいつは15大分の魔石を持っていると言うこと。
どうして今まで気づかなったのは分からないし、どうして15個魔石がある巨大な火人改が生まれたなんかは全く分からない。
ただ、この魔石を破壊しない事にはこの鬼ごっこは終わらないと言うこと。
そして、今度は相手はたったの一体だ。
ラプラスを刀に、ウリエルを万能靴と融合させる。
「俺の速度に追いつけるかな!」
音速を超える超高速移動で肉薄し、まずは防御力の乏しい左側から魔石を破壊しようとした。
しかし、ラプラス刀は火人改に当たった瞬間に弾かれた。
それはさっきの火人改の右側のような感覚だった。
そして、左手を俺に向けてその手の中には青白い火の玉があった。
つまり、今のこの巨大な火人改は本来の力の火人改とゆう事だろう。
なんともまあ、絶望的な話しだな。
ウリエルを翼に変えて空中に緊急高速避難して火の玉を躱す。
そのまま火人改に向かって飛んでいく。
勿論、飛んでいる時のスピードは滅茶苦茶遅いのだが。
火人改が右拳を俺に向かって突き出すが、飛んでいるので火人改の腕を螺旋階段を登る時のように回りながら火人改に肉薄する。
火人改が左手から火の玉を飛ばすので、それもまた空中に逃げて躱す。
ふむふむ、大分分かって来たな。
憶測
・魔法は左側からしか使えない。
・防御力は均等になった。
こんなところだろうな。
まだ、右側を攻撃した訳では無いから正しい事は分からないがね。
また、火人改に向かって飛んでいく俺に右手を振り下ろす。
指を閉じている訳では無いので、全体をウリエルを球体にして隙間がないようにした防御方で指の隙間を通る。
ウリエルを靴に戻して、落下するのと同時に火人改の右手にラプラス刀を入れ込む。
少し、斬りこんだが、それまでだった。
多分、落下の勢いのお陰で少し威力が上がったのだろうと思う。
やっぱり左側と右側の防御力は均等になっており、物理攻撃は右側、魔法攻撃は左側なのだろう。
分かったからと言っても何かが出来る訳では無いので何も変わらないが。
ただ、スピードやらなんやらで勢いを攻撃力に変えて攻撃したらダメージは通ると分かっただけでも朗報だろう。
後は、魔石を破壊するだけなのだが、それが1番辛いんだよな。
火人改は左手を掲げ、巨大な火の玉を生成した後、俺に向かって左手を振り下げる。
それに合わせるように巨大な火の玉も俺に向かって下がっていく。
かなりの熱量を誇っており、近くに居るだけでも火傷しそうだ。
流石に、防御しようとラプラス達を盾にしても焼け石に水だろう。
「神風琉。【飛翔風】」
スキルに寄って威力が上がった飛ばす系の斬撃を巨大な火の玉に向かって一閃させる。
風の斬撃が火の玉に激闘し、押したり押されたりの繰り返しをしてから同士に霧散する。
「何とか、互角か」
現実を復唱して心に刻んでいく。
このダンジョンのボスはこいつよりも強いだろうな。
「来い。地龍」
地龍を召喚して戦う。
『む、変わった魔物だな。魔物なのか?変わっている魔力を感じるが、今は関係ないか』
そう言って地龍は土魔法と炎魔法を合わせた魔法を口から球体として吐き飛ばす。
それは、隕石と言っても誰も疑わない威力を誇っていた。
巨大な火人改の魔石が5個破壊されたので証明しやすいのではなかろうか。
ただ、火人改も黙ってやられている訳では無いようだった。
右手掲げて隕石を吸収していたのだ。
地龍はすぐさま2発目を吐き飛ばしたが、今度は火の玉に寄って相殺される。
さっきの吸収で隕石の威力を測って相殺出来る威力の魔法でも放ったのか?
『ぐ、すまぬ。全開では無い故もう限界だ。魔力が尽きる』
そう言って消え去った地龍を見ながら、すぐに召喚しても意味がないことが分かった。
魂を預ける前の戦闘の影響も少しだけ引き継がれるのだろうか?
それはなんともめんどくさい仕様にしたものだな。
そう考えながら、火人改が飛ばして来た右拳を空中に避難して躱す。
そして、回転を高速で掛けながら1つの魔石に向かって進む。
ゴリゴリと人間ドリルで削って、ついに1つの魔石を破壊出来た。
これで残りは9個になった。
人間ドリルは威力はそこそこ高いのだが、目まぐるしくなるのであまり使いたくない方法だった。
しかし、あんまり有効な攻撃もないんだよな。
範囲殲滅を使ってまた分身?分裂?とかやられたらたまったもんじゃない。
空中にいながら次の攻撃に思考を重ねている。
その間も火の玉は飛んでくる。




