A級ダンジョンー⑰
柱を移動しながら地龍を見ている。
地龍も俺の後を追うように柱をよじ登っている。
潜っている訳では無いので蛇が移動するような形で移動している。
柱を跳んで2段ジャンプを使って違う柱に移ると、地龍も跳んでくる。
しかし、地龍は重く、跳躍力も弱いので自由落下をする。
そのまま地中にダイビングする。
「いちいち地中に潜るなよ」
悪態を付きながら地面に降り立つ。
地面が盛り上がり口の中に入ってしまう。
辺りが暗くなった。
そう、今俺は地龍の口の中にいる。
ベトベト気持ち悪いことこの上ない。
「範囲殲滅」
その後、俺は外に出た。
流石に勝った、そう思ったが全くの間違いであったことにすぐに気づく。
地龍が俺の前にいたのだ。
「何故?」
冷静に考える。
何故、奴は傷一つ付いていない。何故、地龍との距離がある。何故、範囲殲滅を使ったのに地面にその後がない。
ミニマップにも特に問題はない。
ふむ、鑑定しても変わらずの内容だな。
「ぐああああああ」
地龍が地中を一直線に移動しながら俺に迫ってくる。
「まだ、理由が分からないのだが」
地龍の喰らい突きを躱しながら何となくステータスを開く。
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筒井 翔 Lv56 男性
獲得スキル
取得時ランクアップ
万能眼
魂支配人
神風琉
アイテムボックスLv1
初級魔法ver.3
SP250
HP268/268
MP201/461
攻撃力146
素早さ3300
防御力1
デバフ
幻夢
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幻夢
ランダンで幻夢を見る。
幻夢を見ている間は幻夢を掛けた者は動けなくなる。
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なるほどね。
多分、柱を登っている辺から幻夢を見ており、その間は地龍は動いておらず幻夢を見るとMPが減るか。
デバフ受けるとこうなるのか。
バフも同じかな?
地龍の土魔法の岩礫を躱しながら考える。
いつ、幻夢に掛かったんだ?
地龍はそんな魔法を使えない筈だ。
辺りの気配を精密に探していく。
「お前か!」
高さ100メートルの土壁の上には片目を眼帯で塞いでいる火人がいた。
しかもただの火人とは違う。
完全に知性がある。
オーブを被りながら身体の火がチロチロと出ており、眼帯がない方の左目からは紫色の光が灯っていた。
「あれが、デバフの状態か」
「ぐがああ」
地龍も火人に向き直る。
「ぐああああ」
「⋯⋯」
なにか、地龍と火人が話しているようだ。
一通り終わった後、火人は去っていた。
そして、俺のデバフは消えていた。
さっきの予想を消さないとな。
地龍が使っていたから動かなかったのでは無く、地龍は俺が動いていなかったから動かなかったのだ。
すぐに勘づくと思うのにな。
思考能力が落ちている?
んな訳ないよね。
「がは」
吐血。なんで?
「ぐあああ?」
疑問に持つ地龍。
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筒井 翔 Lv56 男性
獲得スキル
取得時ランクアップ
万能眼
魂支配人
神風琉
アイテムボックスLv1
初級魔法ver.3
SP250
HP1/268
MP461/461
攻撃力146
素早さ3300
防御力1
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「なん、で」
バタ
8時間後
「ここは、どこだ?」
「ぐあああ」
俺の隣に地龍がいた。
何がどうなっているんだ?
何故、俺のHPが1になっており、地龍が俺の隣、俺を守るように体を俺の周りに巻くような形に収めている。
「どうして俺はこうなっている?」
『ワカラナイ』
「⋯⋯」
『ド、ウシタ』
「しゃっ、喋ったああああああああああ」
『オヌシガネテイルアイダニオボエタ』
「どうして俺を守っている?」
『ワレ、ダレトモタタカッタコトナイ。タノシカッタ。ダカラ、ホンキデタタカイタイ。タノメルカ?ワレトホンキデタタカッテホシイ』
「ああ、勿論だ。しかし、どうして俺はHPが1になっていたんだ?」
『ソレハアイツノセイカモシレナイ』
「さっきの火人か?」
『アイツハヌシダ』
「主、か」
『ソレヨリモハヤクタタカオウ』
「ああ」
地龍が距離をとる。
さあ、行くぞ。
地を蹴って地龍に肉薄する。
地龍の背中を横回転しながら斬り裂いていく。
その時にラプラスとウリエルを長剣にしている。
ギシギシと鱗を削って行くが皮膚までは届かなかった。
上から地龍の土魔法で出来た瓦礫が降り注いでくる。
跳躍して瓦礫を足場にして上へ上へと進んでいって瓦礫を回避する。
空中で身体を翻して地龍に身体を向けて、瓦礫を登った勢いで天井まで行って天井を蹴って地龍に向かって直進する。
地龍が俺に向いて炎を口の中にチャージしていく。
ブレスが来るとすぐに分かる。
身体をグルグルと回してブレスを躱していく。
地龍が顔を横に動かして来るので炎のブレスが俺に向かって進んでくる。
2段ジャンプを地面に向けて使って地龍に肉薄していく。
そのまま長剣でさっき斬り裂いた所を斬っていく。
地面を何回かステップして着地しておく。
地龍が地面に潜り、地面全体が盛り上がっていく。
そして、壁で囲うような感じになるようにへこみが出来る。
勿論、へこみには俺がいる。
何となく地龍が何を考えてこれを使ったのかは分かる。
この壁は地面なのだ。
つまり、地龍は壁を移動出来るのだ。
地龍が壁から顔を出してブレスを吐き出しながら壁を移動していく。
飛翔風を撃って応戦するが壁に潜られて躱され、数秒後にはこのへこみは炎の海になっていた。
なんの比喩でもなく本当の炎の海だ。
蓋を付けられる前にウリエルを翼にして飛んで脱出した。
地龍が地面から空中にいる俺に向かって伸びてくる。
横にズレて回避したが、地龍が空中で身体の向きを変えて俺に迫ってくる。
その、大きな口を開けて。
空中では基本回避しか出来ない。
身体のバランスを上手く取れないし、思うがままにウリエルを動かせる訳では無いのだ。
地龍が一度地中に潜りまた空中に伸びてくるが、今度の場合は俺は地龍の背中に乗る。
そのままウリエルを渦巻き状にして、持ち手としてラプラスを変える。
そのまま接続する。
「喰らえ、これが悪魔と天使の複合体のドリルだ」
鱗に突き立ててラプラスの中の回転式の芯を高速で回していく。
それにつられてウリエルを回転していく。
ウリエル自体には回転仕様はなく、ただドリルの先端部分をやって貰うだけだ。
色々試していた時に武器の性質に寄っても少し性能が違う事が分かったのだ。
神風琉に適合させる武器は均等の性質だが、ドリルの先端等は少し異なるようだ。
そして、ドリルの先端では1番ウリエルが火力が高い。
ゴリゴリと鱗を削り皮膚を貫く。
そのまま地面に落下するが、地中には潜れ内容だ。
『ミゴトダ。タノシカッタゾ。また、たたかおう』
そして、地龍は消滅して、俺の中に入ってくる。
《受信しました。個体名:地龍から筒井 翔に魂が譲渡されます》
「なんか、魔物使いぽくなっているような気がする」
◆◆◆◆
「地龍が自我に目覚めたか。しかし、彼奴の中にある奴を食べる為に彼奴に呪いを掛けた筈なのだが、耐えられたか。それも彼奴の中にあるあいつらのせいか?フフ、実に面白い。さあ、来い!」
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