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A級ダンジョンー⑫

 

 ◇7層◇


「がはぁ」


 既に手や足の感覚がない。

 訂正しよう。殆どの感覚がない。

 しかし、意識はしっかりしている。

 速く、速くエリクサーを飲まなくては死んでしまう。

 咄嗟にラプラスとウリエルでカード出来たからといっても衝撃や攻撃は受けたのだ。

 やばい。

 アイテムボックスを開いてエリクサーを取り出そうとするが、手が腕が動かない。

 自分を囲む球体での防御で、階段を転げ落ちている間に腕の骨が折れたのかな。

 既に痛みすら感じない。

 油断した。

 ダンジョンの地面を剥がして飛ばして来たので、飛び道具がないと思っていた。

 しかし、それは誤りだった。

 そこに油断が生じてしまった。


「ち、⋯⋯く、⋯⋯⋯⋯しょう。こん、な⋯⋯とこ、ろで⋯⋯おわ、れるか⋯⋯よ」


 朦朧とした意識の中で、ラプラスが勝手に動き⋯⋯アイテムボックスの中に入った。

 どゆうことだ?ラプラスやウリエルは収納不可なはずだ。

 つまり、アイテムボックスに入る事が出来ない。

 ラプラスはエリクサーを取り出して、ウリエルが蓋を開ける。

 そのままラプラスが俺にエリクサーを飲ませる。

 身体の部位が繋がっていく感覚が現れて、血が戻ってくる。

 しかし、意識だけは朦朧としていた。

 既に寝てしまいそうだ。


「誰か、⋯⋯召喚⋯⋯しないと」


 しかし、召喚する為に意識を集中させたいが、出来ない。

 だが、有り得ない事がまたもや起きた。


「なんで、鬼王が」

「翔、寝ていろ。俺が護衛する。まあ、クールタイムが後2時間残っているのに無理矢理召喚されたからな。持って30分だ」

「ああ、問題ない。助かる」


 常闇のなかに意識を手放す。


 40分後


「おい、おいってば。大丈夫かよ」

「んん〜誰?」

「私は冒険者、雅美まさみだ」

「子供が冒険者だと?なんの冗談?」

「A級ダンジョンの7層に来れる人が子供って、しかも私は22歳だ!」

「え」


 これには2つの意味がある。

 相手は本当に身長150センチ位の子供だ。

 しかし言葉遣いや仕草、雰囲気で大人だと改めて分かった。

 解析では17歳と同じ肌の質見えるのだが。


「今、貴方私の事自分よりも年下と思ったでしょう?」

「そんなことはありません」


 紫色の瞳と髪をしている子供ではなく、大人の人。

 さて、まずは2つの疑問を質問しようかな。


「なんで、君は1人なの?」

「それを貴方が言いますか。仲間と離れてしまいましてね。そこに貴方が倒れているのを見掛けて護衛していたのです。どうしてこんな危険な場所で寝ているのですか?」

「気絶してました」

「それはそれは大変でしたね。貴方もはぐれたのでしょう。私と一緒にパーティメンバーを探しましょう」

「俺はソロなので」

「嘘ですね」

「嘘じゃないです」

「A級ダンジョンにソロで挑む人はいません!」

「それは決めつけですよ」

「こんな高難易度、普通は1人では挑みません。そんな強がりはいいですよ」

「ソロなのにな〜」


 なんか、勘違いされてしまったよ!


「それよりも、ここは6層では無いのですか?5層の氷のエリアから火山ぽっいエリアに戻ってますけど」

「何言ってるの?ここは7層であっているし、5層も同じエリアな筈だよ。貴方達も火人王仮を倒したのでしょう。強かったですよねあのフロアボス。物理攻撃は効かないし、火属性も効かない。私のパーティに水系統魔法が使える人がいてよかったですよ本当に」


 な、何言ってるのかな?5層はあの化け物が居たはずだ。


「5層は氷の壁になっていて、青い1つ目の魔物が出てくるんですよね?そいつはHP無限で攻撃力が阿呆みたいな奴」

「な、何言ってるのよ。5層はフロアボスがいるのよ。それで、火人王仮なの。寝惚けてるの?」


 そんな、じゃあ、じゃああれは一体なんだよ。

 混乱してきた。それを見抜いたのか、或いはたまたまか、分からないが雅美さんが励ましてくる。


「だ、大丈夫よ。きっと仲間とはぐれて混乱しているのよ。私と一緒に探そうね!」


 やる気に満ちた笑顔に「だからソロなんだって」て言えなくなった。

 そして、雅美と雅美のパーティメンバーとある筈のない俺のパーティメンバーを探す事になった。

 どうしてこうなった。


 それから進むと、火人が出てきた。

 火人王と、対戦して以来鑑定や解析がなくても火人か火人仮かが分かるようになった。


「あれは、どっちだろう?火人かな?火人仮かな?」

「雅美さんは鑑定はないんですか?」

「私は持っていないよ。パーティメンバーの1人が所持していたからね」

「なるほど。ちなみにあいつは火人です」

「貴方、鑑定持っているの?」

「はい」


 鑑定は使ってないが、鑑定を持っているのは事実だ。

 でも、どうやって倒そうかな?


「貴方は火人の倒し方ある?」

「無いです」


 範囲殲滅が有るが、それを使うと雅美さんも巻き添えにしてしまうので使えない。


「じゃあ私がやるね!」


 雅美さんはアイテムボックスを開き、中から長剣を取り出す。

 雅美さん同様紫色の綺麗で、輝きを放っている長剣だ。

 無造作に火人に長剣を刺す。

 え、さっき物理攻撃無効言ってたよね。

 確かにそれは火人王仮だろうけどさ、仲間に鑑定いたなら分かっている筈だ。

 なのになんで刺すんだよ。


「ドレイン」


 おもむろに雅美さんが呟くと、紫色の光が剣に収まるように渦巻きを発して、その紫色の光に合わせるように火人が吸い込まれていく。

 ドレイン、それはステータス獲得時にしか、手に入らない初期スキルの1つだ。

 しかも、紫色となると珍しい魔力吸収のスキルだ。

 火人は言わば、魔力の塊。

 吸ってしまえば倒せる訳か。これはいい勉強になったぞ。

 確かに魔物達の原動力は魔力だ。それが無くなれば倒れてしまう。

 あいつにも効くかな?


「珍しいですねドレインなんて、しかも魔力吸収のドレイン」

「へ〜よく知っているね。博士だね。でもね私、ユニークスキルには恵まれなかったんだよね」


 そう言って、ガックリと肩を沈める雅美さん。

 ここは「俺はユニークスキル持ってます」なんて言えないね。


「貴方は何か、最初からスキル持ってた?」


 キラキラした瞳で上目遣い。

 身長差があるので仕方ないが、無邪気な子供に向けらる視線みたいでついつい言いそうだ。


「また子供扱いした?」

「シテマセン」

「なんでカタコト!」


 すみません。思ってました。


「それよりも貴方の名前は?」

「そう言えばまだ紹介していなかったね。俺は翔だ。白銀の翼ギルドの翔」

「ああ、私知ってるよ。大会観てたもん。つまり君は空を飛んでいた人か。あれってスキルじゃあ無いよね?不安定だったし」

「分かる人には分かるんですね」


 そう言って、ラプラスのみ、変形させる。


「俺の基本武器はこの子です」


 ん?子?まあ、相棒だし子でもいいか。

 なんかラプラスも喜んでいるように見えるし。


「へ〜変形出来る武器とかいいな〜。アイテムボックスに入れない分、取り出すタイムラグがないからね」

「そゆこと」

「それに君の探すメンバーが分かって良かったよ。つまり、最強と言われている奏さんと、新人で全ての注目を集めた楓さんだね」


 全く違います!

 あの2人だけでパーティです。なんて、言えないよね。

 頷くことも返事することも無く道を進んでいく。

 未だに5層の事に疑問を持ちながらも。

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