A級ダンジョンー②
「んで、このサラマンダーの死体はどうするの?」
「人狼喰うか?」
「いや、俺は遠慮しておく」
「ん〜でも俺も食べたくない。サラマンダーは美味くないんだよな〜」
「え、魔物にも味ってあるの」
「あったりまえよ。美味い物は美味い!不味い物は不味い」
魔物にも味があるようだ。
でもなぁ、サラマンダーの死体はどうしたものか?
アイテムボックスに入れたところで売る事も出来ないだろうし、売れたとしても色々聞かれそうだ。
どうしたものか。
悩んでいると、鬼王が案を出してくれた。
「なんなら俺の魔法で燃やして消そうか?」
「それが1番かな。鬼王よろ⋯⋯」
よろしく頼もうとしたら、ラプラスとウリエルがそれぞれサラマンダーにちょっとだけ触れると、サラマンダーが塵になって消えた。
どゆこと?
「あ〜なるほどね。今ので人間、つまりは翔が倒した事になって、経験値に変換したんだよ」
あ〜なるほどね。
そんなこんなで先に進むことにした。
ここのダンジョンはサラマンダーみたいなトカゲ類が出るのか、炎系の魔物が出てくるダンジョンなのだろう。
次は鬼王に戦って貰いたいところだ。
それから先に進んでいく。
時々、雑草みたいな物を見るが、鬼王が触るな、と言うので触ってない。
鑑定を使っても反応しないし、解析も何故か妨害される。
一体なんだ、これ?
鬼王に聞いても、分からん。人狼に聞いても知らん。
ただ、鬼王は本能的なもので危険だと感じたらしい。
鬼王はS級ダンジョンのボスなので、鬼王が危険と言うほどだ。かなりの危険物だろう。
それよりも魔物が現れない。
こんなものなのかな。
「にしても全然いねえな。ホントならかなりいる筈なんだがな」
鬼王が不機嫌そうに言葉を漏らす。
何時もこんなものだと思っていたいた俺は驚いた。
てか、なんでこんなに鬼王はダンジョンの事やこの世界の事に関して詳しいの?
「なんで鬼王はこんなに詳しいんだ?」
「ああ、俺達『王』なる者はシステムにちょっとした干渉が行えるんだ。ゆうてもそこまで凄い事は出来ないけどね」
システム?天の声のことかな。
システムにちょっとした干渉が行えるって凄いな、鬼王わ。
あれ、なんかラプラスとウリエルが不機嫌になっているような気がする。
気のせいかな。
それから少し進んでいくと、新たな魔物が現れた。
うなぎだった。
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サラマンギー A級
鰻型の魔物。
火竜に慣れなかった物。
表面がツルツルしていて、斬撃と拳撃が効きにくい。
美味い!
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なんだよなサラマンギーって!アニメでもそんな名前は聞いたことも見たこともない。
よく分からない名前だ。
しかも、しかも最後の『美味い!』ってなんだよ。
でも、気になる。じゅるり
「んじゃ、俺の番だな」
鬼王は右手を上に掲げ、血気丸を召喚させる。
サラマンギーは一体だ。
「相手は斬撃が通りにくいらしいぞ。気おつけろよ」
「問題ねえよ。A級程度に王の俺が遅れをとる訳がない!」
自信満々だ。
しかし、傲慢はいずれ、最悪の火種となる。今の内に治さないと。
「鬼王。油断するな。そのような態度でこのまま行くなら、俺は鬼王をこれから召喚しない」
「はん!俺は何時も油断なんてしねえよ。格下の筈の翔に負けたんだからな」
「て、おい!」
「冗談冗談。ギャグを真に受けるな。ハハハハ」
なんか、人間くさいな。
そのままうなぎに斬り掛かるが、ツルツルの肌で滑らせて斬撃が通らない。
少しバランスを崩す鬼王。そこにうなぎが火の玉を吐き出す。
鬼王は空いている左手を地面に付けて、グッ、と力を入れて空中で回転して、地面に着地してから回転斬りで火の玉を切り飛ばす。
傲慢な態度に心配していたが、そうではないことに安堵した。
しかし、うなぎツルツル肌はかなり強力で、なかなか傷を与えられない。
「どうする?」
「さぁな。鬼王に任せよう」
「なあ、翔。鬼王は体内エネルギーを操れる筈なのに、なんで使わないんだ?」
「体内エネルギー?ああ、気のことか。ん〜分からん。ぶっちゃけ魔物に関しては俺よりも鬼王の方が詳しい。きっとなにか策があるんだろう」
「なるほど」
◇◇◇◇
なんだよこのサラマンギー。
全然刃が通らない!かと言って体内エネルギーを使うのは無理なんだよな。
魂になってから1度も経験値を獲得してないし、レベルも上がっていない。
レベルが上がってない状態だと前世紀の5割の力だ。
体内エネルギーも空なので使えないのだ。
先程のサラマンダーを倒した時に経験値が出ていたが、翔の武器、ラプラスとウリエルが吸収してしまった。
あの秘宝、自我ある。
一体なんだよあれ。
俺を倒した秘宝。翔のメイン武器の秘宝。自我のある秘宝。
フッ、よく分からん。
てか、まじでサラマンギーは切れないし、火の玉しか攻撃してこないので、つまらない。
魔法なんて使っても同属性なので、余り意味はないだろう。
考えろ、どうしたら切れるのか。どうしたら攻撃が当たるのか。どうしたら倒せるのか。
肌はツルツル。つまり、表面状が斬撃が通らない。
ならば、内側は刃が通るだろう。
火の玉を出す瞬間のタイムラグ、⋯⋯ここだ!
火の玉を口の中に溜める時に口を開ける。
同時に血気丸を水平に突き刺す。
「ぐぎゃぁああ」
内部に刀身が入ったら、そのまま下に向けて、振り下ろす。
サラマンギーの腹部の下が裂ける。
そのまま絶命した。勿論、消えてない。
◇◇◇◇
倒し方がエッグ。
口から刀を入れて、刀身を全部入れてから、腹部の下の部分を切り裂いたのだ。
うう、怖い。
ちなみにうなぎーーサラマンギーは6メートルを超えるだろう。
さてと、このうなぎは食べようかな。
鑑定で美味い!だし、解析で毒はないことが分かっている。
ちなみに鑑定すると、
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サラマンギーの死体 A級
毒がなく、身は柔らかく、ジューシー。
生で食べても問題ない。むしろ生で食べた方が美味い!
頭は苦いので切り落として、尻尾部分も苦いので切り落とすことを推薦。
腹部の下部分が1番美味い!
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だとよ。
だが、下部分はかなり少なくなってしまった。
「美味い!らしいから食べよっか」
「うむ、賛成だ。香ばしい匂いがする!」
「ああ、翔の鑑定なら間違いないな」
鼻をヒクヒクさせる人狼。涎を隠しきれない鬼王。
初めての体験に胸をワクワクに染めている俺。
さあ、食べようか。




