想像を絶する痛み
『優勝わぁぁぁぁぁ【白銀の翼】ギルドだぁぁぁ』
司会者の言葉と共に、会場は来た人達が「おおぉぉぉぉぉ」と、歓声に包まれた。
そして、優勝の景品がなんなのかが1番の重要だ。
『そして、優勝の報酬は、教会からA級ダンジョン永久優先権のプレゼントです!』
さらに、会場は熱狂に包まれた。
A級ダンジョンの永久優先権。
つまりは1つのA級ダンジョンが他のギルドが攻略出来なくなり、【白銀の翼】ギルドが独占出来るということ。
A級ダンジョンの平均階層は20階だったような気がする。
あんまり覚えていない。
優先権は1ヶ月が普通なのだが、1ヶ月でA級ダンジョンを攻略するのは、相当難しいと聞いている。
ま、今の俺はBランク冒険者なので意味がないのだが。
それでも興奮はするものだ。
それから色々あり、家に帰った。
「いや〜悪いが翔、俺達は明日から5日の出張に行くことになった。行先はニューヨークだ」
「そっか。分かった。気おつけてね」
「翔もな」
翌日
父さんと母さんは既に出張に行ったらしく、家には既にいなかった。
アイテムボックスからある物をだす。
そう、魂支配人だ。
薬型で、飲み込まないといけない。しかも寄生型だ。
「覚悟を決めろ俺。大丈夫大丈夫」
問題ない。⋯⋯筈だ。
でもな〜SSS+級だからな、万能眼の非ではないレベルの痛みがあると思う。
うぅう、やっぱり辞めようかな。
《個体名:人狼・鬼王から「早くしろ」と、受診しました》
え、何あいつら見てるの?てか、簡単に受診出来るの!
大丈夫なんだよな。
「大丈夫なのか?」
《個体名:人狼・鬼王から「多分、問題ない、⋯⋯筈だ」と、受診しました》
めっちゃ心配なんだけど!
え、やりたくない。
飲みたくない。
《受診、鬼王部下から「早く・早く!・早く!!」と、コールが続いています》
天の声がイライラに満ちているように聞こえるような気がする。
気のせいかな?
「よっし!覚悟を決めたぞぉ!」
リビングに向かって、朝食を食べ、水を用意する。
パクーーーゴクゴクーーーゴックン
「あっ、あああ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーー」
痛い痛い痛い。
や、やばい。
意識が朦朧とする。水分が一気に抜けていく感覚。
内蔵が内側からこじ開けられる痛み。
父さんと母さんがいなくて良かった。
まじで、朝食食べて超ショックな気分だァ⋯⋯ぜ。
グランーーバタ
◇◇◇◇
「ハックチュッ」
「うん?楓風邪?あれ、なんか冷えるような。おかしいなダンジョン内部なのに」
「きっと、意識が途切れる前に超くだらないダジャレを言った人がいるんだよ。しかも、わりと身近な人な気がする」
「えらい具体的だね。でも、なんだろうかその的を獲ている内容わ」
◇◇◇◇
「う、うう、がは」
目が覚めて、時計を見ると6時間しか経っていないことが分かった。
しかも、痛みが一切感じない。
「どうした?」
なんか、ラプラスとウリエルが蛇が上に這い上がるようにうにょうにょ動いている。
なんか可愛いな。
「心配してくれたのか?」
「「プルプル」」
なんか、会話している気分になるな。妙な感じだ。
とりあえず魂召喚でも使うか。
「召喚」
シーン
「えっと、人狼・鬼王召喚」
俺の目の前に魔法陣が2つ現れ、2人の人影が現れる。
見間違える訳がない。
完全に生きていた頃と同じ見た目をしている人狼と鬼王が目の前にいたのだ。
「久しぶりの生の実感だ」
「そうだな。よう、翔」
「えっと、人狼に鬼王?」
「「そうだが?」」
「う〜ん。言いにくいから人狼は人狼、鬼王は鬼王でいいか?」
「「安直だなおい!」」
仕方ないよね。
「そういえば人狼、今まで修行の手伝いありがとうな」
「別にいいさ。それよりも、今はこの体の具合を確かめたくてうずうずしている」
「それに関しては同感だ」
「それはそらは良かった鬼王様」
「はん!様は辞めろ」
「ですーー」
「辞めろ」
「はい」
「なんで人狼が鬼王のことを様付けしているんだ?」
「鬼王は『王』の1つだからだ。俺とは格が違う」
「そんなものかね」
「そんなものだ」
「別に俺は気にしてないけどね」
魔物にも格差があるようだ。
あ!俺はアイテムボックスがある物を取り出した。
そして、そのある物を鬼王に渡した。
「こ、これは血気丸!どうして」
「別に俺はラプラスやウリエルがあるから使わないんだよ。だから元々の所有者の鬼王が使え」
「分かった」
とりあえず、人狼と鬼王を召喚解除してから明日に備えての準備をする。
実は明日から俺は初のA級ダンジョンに潜るのだ。
そのための準備だな。
ブーブー
ん?メールだ。
珍しいな、誰からだ。
日向
先輩。今月いつか暇がありませんか?私は夏の長期休暇に入りました。なので、一緒にお出掛けがしたくて。あ、勿論先輩が無理でしたらそれでも構いません。急な呼び出しですので。それでも前向きな返答を期待しています。決まったら連絡をください。無理でしたら無理で、そうでないなら日時を、先輩も冒険者生活で忙しいと思いますが、なにとぞよろしくお願いします。
日向からのメールだった。
ふむ。暇があると言えばあるし、無いと言えばない。
それでも明日からA級ダンジョンに潜るつもりだ。
なので、それが終わってからじゃないとダメだよな。
「え〜っと、明日からA級ダンジョンに潜る予定だから、A級ダンジョンが終わってからでいいか?とこれでいいかな。あ、返信きた。え、はっや」
日向
あ、はい。分かりました。それではクリアしだい返事をください。その際に日時を。あと、気おつけてください。何よりも自分の命を大切にしてください。ダンジョン内でいなくならないでください。本当に気おつけてください。あと、集合場所は此方が決めて良いですか?
「わ〜凄い。えっと、心配ありがとう。集合場所に関しては了解。と」
返信がきた。早い。
日向
ありがとうございます。あと、ダンジョン攻略後は疲れていることでしょう。なので、クリア後の後日でも構いません。A級ダンジョンの平均階層は20階と聞いています。きちんと数日間の食料などを持っていってくださいね。そして、生きて帰ってください。これは絶対遵守の約束です。絶対。絶対ですよ。
ふ、ついつい頬が緩んでしまった。
それよりも、返信速度が異常な気がする。
今どきの女子高生ってこんなものなのか?
◇◇◇◇
今、彼女はベットに横たわり、枕に顔を埋めて足をバタバタさせている。
「あ〜緊張した。いや〜良かった断れなくて。幾つかの返信予想を建てていたから返信が早く出来たと思うけど、遅いと思われていないよね?私あまりタイピング上手くないからな〜」
なお、日向は友達と比べても余裕で早くタイピングできます。




