ギルド対抗戦前
2日後
昨日はラプラスとウリエルに記録していた。
細部等を細かくやると1種類事に3時間は余裕で削れた。
それと、他にも色々試して実戦で使えそうな物に変化させる事も出来た。
後は種類によってはスキルのちょっとした性能が変わる事が分かった。
未来視は短剣が1番精度がよく、範囲殲滅は手榴弾みたいな形が1番発動が早いと分かった。
剣等で範囲殲滅を使うと発動までに3秒ぐらいのタイムラグがあるが、手榴弾形にすると1秒も要らない速度になるのだ。
試した訳ではないけど、そうだと分かり、確信している。
それが何故だかは分からないけどね。
そして、今要さん、奏さん、楓、俺はイベント会場に来ている。
会場は滅茶苦茶広かった。
オリンピックの会場並の広さだったのだ。
受け付けの人に話掛けると、待機室に通され、時間まで待つことになった。
その間に俺は飲み物を買おうと、先程見かけた自動販売機に向かった。
自動販売機に着くと、そこには何故か父さんと母さんがいる事が分かった。
「父さんに母さん何しているの?仕事じゃなかったけ」
「翔か、実はなこの会場には内の会社も関わっているんだよ。だからここにいる訳」
「なるほどね」
自動販売機で飲み物を買い、待機室に戻った。
それから数十分後に会場に通された。
本当にオリンピックかと思う広さと観客の多さにビックリ。
会場の中央には台とマイクが置かれた机があった。
そして、司会者が台に乗り、説明を開始した。
「皆様よくお集まり頂きました。今日は大規模イベント、ギルド対抗戦を行います!」
観客からの熱い叫びが、鼓膜を震わせる。
「今回は教会が選んだギルドから代表として3名を選んで貰い、この場の仮想空間で戦って貰います。そして、今からはギルドの発表に参ります。
まずは、誰もが知っている少数精鋭を誇り、初のS級ダンジョン踏破者の冒険者がいる【白銀の翼】!大規模ギルドで国内ギルドランキングトップ【昆虫の使者】!それに対になる大規模ギルド【魚類の使者】!3ヶ月前に登場して以来、ハイスピードで駆け上がった【神速達の集合場】!今度は連続して言うぞ!同格達のギルド【キラーギルド】【ブレイカーギルド】【ガチラルギルド】【キリングノア】達だぁぁ!」
それからくじ引きをするかの如く、穴の空いた箱を掲げてから机に置いて、司会者が穴に手を入れてゴソゴソした後に引いていく。
そして、8つ引くとその順番に揃って発表していく。
まとめるとこんな感じ。
第1回戦【白銀の翼】VS【キラーギルド】
第2回戦【昆虫の使者】VS【ブレイカーギルド】
第3回戦【魚類の使者】VS【ガチラルギルド】
第4回戦【神速達の集合場】VS【キリングノア】
になった。
確か、キラーギルドは大剣や斧等の重火力が主体のギルドだった気がする。
防御力が高そうなので俺と相性が悪いかもしれないが、自慢のスピードを利用すれば勝てると思う。
次は第1回戦の勝者ギルドVS第2回戦ギルドの勝者で第3回戦の勝者ギルドVS第4回戦の勝者ギルドだ。
最後の決勝は勝ったギルド同士。つまりはトーナメント戦だ。
単純明快で分かりやすいルールだ。
第1回戦は1時間後にやるらしいのでそれまでの時間はゆっくりしていいとのこと。
なので、待機室に戻り、最終確認をしようと思う。
待機室
まずはどのようにして、1対1の構図を作るかが重要だ。
すぐに探すため分散して、1対3と言う最悪な状況は避けなくてはならない。
楓の爆裂魔法を警戒して相手が散開するのなら話しが早くて助かるのだが、そんなには甘くないだろう。
さらに、勝つことを考えると最初の戦いではなるべく見せる技を少なくしたい。
1回戦で全ての技を見せてしまって対策を建てられたら意味がないのだ。
なので、相手をより早く探し出して、分担し、1体1の構図を作る。
それが何とも難しい話しのだがね。
1回事にエリアが変わるので地形把握も難しい。
「奏の空間転移を利用しちゃダメなの?」
楓がそんな提案をするが、そんなのは勿論却下だ。
「ごめん楓。燃費が悪いんだ」
「奏の謝る事じゃないよ。そもそも私の魔法が異常だから」
確かに空間魔法でMPを消費しないなら、無限に空間転移を利用出来るしな。
それに奏さんの空間魔法には神隠し、と言う完全攻撃無効の魔法があるのだ。
MP消費と言うデメリットが無くては彼女に勝てる人はいないだろう。
あのオリンピック会場の広さをまるまる使うのだから仮想空間も広大なはずだ。
俺なら探す手もあるが、それだと俺の手の内の1つを晒す事になるので避けたいところだ。
それに奏さんの空間展開を利用するにしても燃費が悪い。
広く取るだけMPの消費量も増えるのだ。
当然と言えば当然なのだけどね。
「じゃあ、どうするのさ」
楓が両手を上げて降参みたいなポーズを取りなが不貞腐れる。
確かにもっともな意見なんだよな。
ギルド会議では簡単に言っていた作戦だけど、こうして考えるとそれが如何に難しいかを分からせてくる。
相手が素直に直行してくるのなら簡単な話しになるんだけどね。
楓の小型爆弾を利用した、超跳躍で索敵するのにも楓が目立つだけになる可能性の方が高い。
どうしたものか、と皆が思っていたところにギルマスが提案してきた。
「なら、まずはまとまって行動して、敵が来てから分散すればいいんじゃない?」
「確かにそれはありです。でも、そうなると3対3になった時に俺が2人の足を引っ張ってしまう」
「そこは私に任せて。カバーする」
自信満々の奏さんの意見を信じる事にして、ギルドマスター要さんの意見を採用することになった。
奏さんのカバーってどうやるのかな?
空間展開をして、その空間内なら味方を何処でも移動させれるのかな?
流石に無理かな?
今更ながら内のパーティは近接向けが多いな。
楓は攻撃型のアーティファクトを持っていないが、爆弾を薄くして拳に纏わせて近接格闘ができるからな。しかも『気』もきちんと扱える。
内のパーティ唯一の遠距離攻撃も楓に一任だな。
俺と奏さんは遠距離攻撃はないからな。
強いて言うなら中距離攻撃だ。
奏さんは空間の距離を無視した斬撃を与えられるし、俺の場合は範囲殲滅だな。
そして、1時間が経過して俺、楓、奏さんは会場へと向かう。
ギルド名に深い意味はありません。




