鬼王戦 後編
がキン
交わる俺のラプラス・ウリエルを合わせた刀の鬼王の血気丸。
鬼王の剣術は見事と賞賛できるほどの出来前で隙が一切ない。
時々、速さを変えて攻撃するが、それも全て見切られる。
かと言って神風雷鳴剣を使うには相手が小柄過ぎるのだ。
時々攻撃が当たるが、すぐに再生されてしまってダメージの蓄積すら難しい状況にある。
「鬼熊斬」
上から振り下ろされる刀はスキルを使っているかのように重たい一撃だった。
「範囲殲滅」
轟音と共に辺りに広がる殲滅のドームが鬼王を飲み込むが
「血気丸。吸え」
範囲殲滅のエネルギーを血気丸に吸われてしまう。
ドクンドクン
血気丸が心臓が鼓動するかのように揺れている。
「なかなか凄いエネルギーだね」
余裕を見せながらもその額には一筋の汗が出ている事に気づいた。
血気丸。
多分だが血を吸って力に変えるのだろう。
そしてその血は所有者である鬼王の血が吸われているのだろうな。
血気丸を持っている右手にはバラの茎のようなものが纏わりついている。
「血気丸には所有者の血を吸って力に変えるのか?」
「少し違うよ。挑戦者がなかなか来なくてね血気丸がお腹を空かせて本来の力が出せないんだ。だから俺が餌となる血を与えてるんだよ」
それと、と鬼王が続ける。
「もうすぐ君も血気丸の餌になる」
「言ってろ」
挑戦者は強かった。
かなり前に来た初めの挑戦者よりも強い。
力やエネルギー的なものでなく、技量と挑戦者が言うところの気がきちんと練られている。
さらにはスピードだな。
俺よりもスピードが速く、思考能力も相当優れている。
ただ、攻撃力とその他諸々は俺の方が上だと予想ができる。
俺の力が挑戦者にあったら俺は既に挑戦者に魂をあげているだろう。
神風琉とか言ってたよな。
それは補助用のものなのかな?
大技や本格的な破壊力に長けていないではないか。
唯一危なかったと言えばウリエルとか言っていたよな。
その全てを滅ぼす凄いエネルギーだった。
鬼人や鬼龍が転生しないで俺の元に魂を預けたのにも頷けるというもの。
挑戦者が俺に勝っても、きっと他の王達と戦うことになるだろう。
俺が負けたら少しでも支えてやることはできるかもしれないな。
それでも召喚されると生存状態の今の強さから半分の力に下がるけどね。
その前に、俺は負けるつもりがない。
挑戦者は確かに強いが、負けていい理由ではないのだ。
全力で戦って負けた時こそが俺が挑戦者を心から忠誠を捧げられるというものだ。
先程からの連撃が速くて見えないが血気丸の自動防衛のお陰でなんの問題もない。
強いて言うなら右手に不可が掛かり過ぎて少々辛いことぐらいだろう。
だが、それだけだ。
血気丸の自動防衛を突破できないなら俺を倒す術はないのだ。
さて、挑戦者はどんな手を使って俺を倒すのかな、楽しみだ。
無意識の内に意味を浮かべていた。
なんでだ?
連撃を繰り出し、全て受け止められる光景を見ながら疑問符を浮かべていた。
鬼王はひたすらに余裕の顔をしてニヤニヤ笑顔だ。
それは特に関係なく、反撃が来ないのだ。
ひたすらに防御に徹しているにしては余裕顔。
俺は連撃を繰り出しながら考える。
なぜ、反撃が来ないのか、なぜ、回避行動を取らないのか、なぜ、気を扱って気玉を使わないのか、なぜ、右手しか使わないのか。
考えて考えて、1つの結論付けをした。
自動防衛。
そんな単語が出てきたのだ。
もしもそれが正しく、俺の攻撃を全て防いでくれるなら、残りのMP109の100を使ってもいいかもしれない。
「神風琉。【神風雷鳴剣】!」
刀に風が纏わりついていく。
それに合わせて気を練り、風と気を混ぜていく。
地を踏み、全速全力の連撃を叩き込む。
限界のないスピード上昇と攻撃力上昇を持って、自動防衛を利用する。
避けないならひたすら攻撃を繰り返し、俺の糧としようではないか。
10・・・20・・・30・・・40
連撃を繰り返しかなりの攻撃速度&攻撃力になったが、それでも自動防衛は俺の攻撃を防いでいく。
血気丸は破壊不可能なのだろうか?
だとしても、このまま続ければ鬼王の右手が限界を迎えるだろう。
そして、今の俺の攻撃速度は鬼王じゃあ対応することが不可能だ。
それでも止まらない。
相手が俺の攻撃を弾くか避けるか·····倒すまで。
俺は攻撃の手を緩めるつもりも慈悲も与えるつもりはないのだ。
全力で潰す。それが唯一鬼王に対する俺の気持ちなのだろう。
120
14秒で120回か。
かなり俺も成長したものだな。
それでも1秒での攻撃回数は攻撃するほど増えていくのだ。
く、なんて奴だよ。
神風琉を使ってから目に見えて変わってやがる!
自動防衛もギリギリだと言うのに挑戦者の攻撃はますます強くなっている。
もう俺では見えないレベルなのだが、血気丸は対応しているのだ。
お陰で俺の右手はかなり限界に近いが、意地でそれは耐える。
攻撃を繰り出す度に速度と攻撃力が上がっているように見えるのは俺だけなのかな?
いや、違うな。
挑戦者はそのような技を持っているのだろう。
ミシミシ
右手も右腕の骨が悲鳴を挙げているが自動防衛を切る事はできないのだ。
自動防衛は自動が故に俺の意思では付ける事も切る事もできないのだ。
だが、それでも限界は近いのだ。
ならば、最後の維持を見せようではないか。
「血気丸。バーサーク」
鬼王の血気丸が禍々しいオーラを放ちながら反撃にでる。
今の俺と互角のスピード。
それだけでも異常だと言うのに徐々に攻撃速度が上がっているのだ。
チートやん。俺が言えるかは知らん。
鬼王は限界が近いのだろう。だから最後の力を絞っている。
なら、俺も。
丁度、MPが10まで回復した。
「いくぞ、鬼王。神風琉。【炎風雷鳴剣】」
風と炎が混じったかのようなものが俺の刀に纏わり付いていく。
2つの技を同時に使っているのでかなり不可がでかい。
それでも、それでもだ。
諦める訳にはいかない。
「はああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
高速で交わるラプラス・ウリエルと血気丸。
ぶぢゃぁ
鬼王の右手が千切れ、無防備になった体は俺によって切り裂かれる。
「みご·····と、··········だ。ちょぉ·····せん·····しゃよ」
「お前もな」
ゴホッ、と血を吐き、鬼王は消滅する。
《一定の経験値に達しました。Lvが53に上がりました》
《受信しました。個体名:鬼王から筒井 翔に魂が譲渡されます》
《鬼王の魂付属魂からの要請受診。個体名:鬼人・鬼龍・他部下の魂最優先権限を筒井 翔に譲渡します》
はて?なんか多いぞ。
面白ければ幸いです。
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