S級ダンジョン中編
フロリアオーガを討伐後、奥に進んでいくと階段を発見した。
フロアボスがいる広間の奥には階段があるものなのだろうか。
ーーーー2層ーーーー
二層に入ると今度は小鬼とオーガがチームを組んで階段近くに頓挫していた。
先に気づいたのはゴブリンだ。
ゴブリン2体とオーガ3体のチーム。
このダンジョンは鬼系統のダンジョンなのかもしれない。
ゴブリン2体は弓を持っていて、オーガの一体は大剣で残り2体は鉄棍棒だ。
ゴブリンの矢が飛んでくるが、ラプラスを盾にしてブロックする。
オーガの棍棒が左右から迫ってくる。
脇を直角して腕を伸ばしラプラス・ウリエルを刀にする。
「神風琉。風鈴」
高速で回転してオーガの首を切り落とす。
残りは大剣のオーガと弓のゴブリンのみだ。
自由自在に変形できる武器とか本当に凄いと思う。
ゴブリンから矢が飛んでくるがラプラスを盾にして防ぐ。
大剣が迫ってくるがラプラスを薙刀にして受け流す。
ラプラスを元に戻してウリエルを長剣に変え、回転してオーガの首を斬りつける。
それでは首を切り落とすことが出来なかったのでもう一度斬りつける。
残りはゴブリンだけだ。
ゴブリンは怯えた表情をしながら敵である俺に背を向けて一目散に逃げている。
ラプラス・ウリエルを薙刀にして投擲する。
ラプラスは右のゴブリンの心臓部分に突き刺さり、ウリエルは左のゴブリンの頭に刺さる。
オーガ・ゴブリンが消滅して、大剣のオーガの魔石が落ちる。
フロアボスは魔石は落とさなかったのにオーガは落とすのな。
もしかして範囲殲滅で魔石が削れていたのかもしれない。
魔石をアイテムボックスにしまう。
勿論、確認は忘れていない。
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至高の魔石 SS級
魔力容量0/8000
リーダー個体の強い魔物が落とす。
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これは売れないな。
SS級なんてものは未だに出ていないのだ。
俺のユニークスキルを発表してもいいが、それだとキメラをどうやって倒したのかが聞かれてしまうからな。
それから数時間後フロアボスがいる広間に出た。
中には2メートルぐらいの人のような見た目で角が額の真ん中に1本生えている。
鬼人
そんな単語が沸きあがる。
俺に気づいたようで、俺の目を見ながら手に持っていた槍の先端を向けてくる。
勝負だ、とでも言うように。
勿論、受けて立つ。
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フロリア鬼人 S級
フロアボス。
高い知性とスピードを持ち槍に魔力を纏わせて魔法を放つことも可能となった。
オーガの上位種。
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鬼人か、やっぱりな、と納得出来る部分が大きかった。
相手が槍なら俺は薙刀で向かい撃つことにしようではないか。
ラプラスを薙刀に変形させて、鬼人の槍を受け流す。
ギロリ
鬼人が目を俺から離さないように睨みながら後退していく。
槍に魔力を纏わせて炎を出していく。
何かをチャージしているようにボウボウ、と槍の先端が燃えている。
何が来るのか分からない以上、安全を確保するのは当然だろう。
「未来視」
10秒先の未来を見て、天井に避難する。
すると、鬼人が槍の先端から炎のレーザーを放出する。
地面をえぐりながら炎のレーザーは徐々に勢いを失い、止まる。
凄い威力で当たれば生きているか分からない威力だ。
未来視を使用して良かったと胸を撫で下ろし安堵する。
すぐさま鬼人を見るが、油断なく槍を構えて俺を見据えている。
何故、だろうか殺気等ではなく、ようやく来たのか、という目をしていた気がするのだ。
そして俺の驚愕は止まらなかった。
鬼人がポーションを投げてきたのだ。
キャッチして確認するとMP回復ポーションだと気づいた。
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完全MP回復ポーション SS級
MPを全回復する。
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そして鬼人は槍の先端を再び俺に向けて、かかってこい! 相手になってやる!と手をクイクイ、としている。
MP回復ポーションはアイテムボックスにしまい鬼人に向かい撃つ。
単純な薙刀と槍の攻防になった。
魔法やフェイントなんてものは一切なく、突き出し、受け流し、回避していく。
一進一退を繰り返す。
受け流しそのまま勢いを利用して薙刀の先端で攻撃するがかすり傷程度。
逆に俺も槍の先端を頬に切り傷を受けてしまうが、そこまでダメージは無い。
そろそろ決め手の一撃を決めておきたいので、少し距離をとる。
鬼人も距離をとる。
分かる。互いに次の一撃で決めるつもりなのだろう。
「神風琉。突風横一文字」
「グァァァァァァァァァ」
薙刀の先端と槍の先端が火花をチラシながらぶつかり合う。
バチバチ
周りに土煙が舞う程の衝撃が周りに吹き荒れながら、薙刀の先端と槍の先端がぶつかり合っている所を頂点に円形のクレーターができる。
結果は鬼人の槍が砕けて俺の薙刀が鬼人を刺す。
鬼人は寸での所で回避したが、肩に薙刀が刺さった。
すかさず、薙刀を下に振り下げて肩を切り落とす。
それでも鬼人は諦める気配はなく、むしろ楽しんでいるかのようにニヤっと三日月型の笑みを浮かべる。
そして、鬼人は左腕を上げて自分を刺す。
そこは人間で言う心臓部分、つまりは魔石なんだが。
鬼人は自分の魔石を手に取って、手に力を入れて魔石を砕く。
「なあっ!」
鬼人が消滅して、塵が俺の元へと集まって行き、地面へと吸い込まれるように消えていった。
何がしたかったのかは分からない。
魔石を俺にあげたくなかったのか、それとも相手に殺られるぐらいなら自ら、という考えなのだろうか。
もう俺には分からなかった。
《経験値が一定に達しました。Lvが44に上がりました》
お、レベルが2個上がったようだが、確認はダンジョンをクリアした後にしよう。
1層のフロリアオーガと一緒で何も落とさなかったのは少々悲しかった。
奥の道を進んでいくと3層に続く階段があることを確認した。
これで確信したことはフロアボスの広間の奥に次の階層の階段があるのだ。
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まさか、鬼人が負けるのは思わなかった。
魂は俺の元に来たと言うことは挑戦者は俺に勝つ可能性があると言うことか。
そうでなければ転生しているだろうからな。
後少しで俺の元に来るであろう挑戦者を気長に待つかな。




