楓の過去
暗い話です。
嫌な人は見ないことをおすすめします。
結局ショッピングモールではいい物が見当たらなかった。
ーー楓の過去話ーー
私は物心が付いた時から親に嫌われている自覚があった。
いつもご飯は朝だけでコンビニのおにぎり一つだった。
母は離婚しており新しい父親と再婚した。
父親の姿を見たのは最初の挨拶のたった一回だけだった。
母は画像を加工して高価な幼稚園に通っている風をよそおい養育費を多額で請求している。
きっと実父は優しい人なのだろう。意図も簡単に金を出すのだから。
時日が経ち、ボロボロのお下がりの制服を身に包み小学校に通っていた。
姿がとても汚く醜かったからかよく虐めれた。
男子問わずに罵られ教科書等も隠されたこともかなり多い。
親に相談しても何も変わらない。その頃にはもう親に期待はしてなかったと思う。
先生に相談してもクラス一同で口裏を合わせるので何もしてくれなかった。
それに何もしていない自分が悪者扱いもよくされたものだ。
その頃には教師と言う職業にすら期待はしていなかったと思う。
教師はその場の意見と状況証拠だけで犯人を決めつける。
本当に嫌な人達だった。
そんな私だったが、親に放置されて外で一人公園のブランコで遊んでいたら一人の男の子が喋りかけてきた。
「一人なら俺と一緒に遊ぼ」
その言葉は私の心を動かすには十分に理にかなっていた。
一緒に遊んで楽しかった。
ずっとこの時間が続いて欲しいと心の底から思った。
彼の存在がその時の私には太陽に思えて仕方なった。
地上の太陽。
そんな言葉が正しく合うレベルに私の心は救われた。
遊ぶのは楽しかった。話す時間はとても尊かった。
だが、そんな楽しい時間はすぐに終わりを告げた。
彼は実家に泊まりに来たらしいのだ。
なので普段住んいでいるところに帰るみたいだ。
名前を聞いた。翔君だ。
ずっとずっと忘れないだろう。
忘れることのできない私のヒーローだった。
次に会うのは私が中学一年生の時になった。
待ちどうしかった。早く時が経てばと思った。
だけど、地獄はその日からもずっと続いていたのだった。
教師がなんの役にもたたないことが判明してから虐めはエスカレートしたのだ。
暴力なんて日常になり始めるレベルで激しいものだった。
でも耐えれた。耐えることができた。
ずっと私の心を照らしてくれる彼のことを思っていたら耐えられる。
もうすぐで卒業だ。だけど中学に上がったら他の小学の人達も来るのだ。
中学生に上がってからさらに激しさはましたのだ。
私を虐めるのは同じクラスの人だけでは無い全クラスで、だ。
バラバラに散らばった元同級生達が今のクラスの人達にそのことを話し、虐めの対象は私一人になった。
どこもいじめられっ子は一人はいるものだ。
誰かを下に見ることでの優越感に皆が浸っていたのだ。
また、彼に会えた。嬉しかった。楽しかった。満たされた。
だけど今度はいつ来るか分からないと言われた時、私の心はガラスが壊れたような音を鳴らし砕け散った。
彼の家族とあった。大人と会うのは怖かったが皆ないい人で楽しかった。
「何時でも来なさい」
彼のお爺さんの言葉だった。
泣いた。号泣だ。わんわん泣いた。これまでの生い立ちを話した。
皆笑わずに真剣に私の話を聞いてくれた。
また地獄は始まった。
親はなんの助けもださず、ずっと見て見ぬふりをしていた。
教師はまともには取り合わなかった。
下駄箱の靴は隠されるので何時も持ち歩き、教科書を置いていけば捨てられるので何時も鞄の中に。
いつも通りの何も変わらない私の日常。
高校に上がるまでの辛抱。
そんな淡い期待を抱いてしまったのが行けなかった。
少しでも期待してそれが砕けた時の絶望はどんな絶望よりも絶望できてしまったのだ。
中学も卒業して高校に上がった。
中学の時の同級生が来ないような場所を選んだが一人だけ同じ人がいたのだ。
中学と同じように虐めが広がった。
それだけではない。バイトができるようになったせいでカツアゲやパシリも始まった。
母親からはお金を催促される日々に変わっただけだった。
もう私の心と肉体は限界を迎えていた。
泣くことも笑うことも出来ない。
心が壊れたのだ。いつ壊れたのかは分からない。
バイトの先輩男性からは心配されたがそれが気持ち悪かった。
私が信用しているのはできるのはもう翔君達以外いないのだ。
一回実父と面会があった。
実父を頼ろうとしてがやめた。何故かって?実父には既に新たな家族がいたからだ。
そんな中に私みたいな雑巾は入ったらいけないと感じてしまった。
死にたい。
そんな気持ちが何時も私の体を支配してきた。
それでも翔君のことを思ったら何とか踏ん張ることができた。
私はなんのために生まれたの?なんのために生きてるの?
その言葉が脳から離れない。
一回、誘拐にあったことがある。
誘拐犯は優しかった。普通はそんな感情はないだろうけど当時の私からはそう思えた。
体が悪くなったらいけないと朝昼晩で毎回栄養バランスのいい食事をくれた。
布団も貸してくれた。
久しぶりに人の優しさに触れた気がしたのだ。
私はしばらく誘拐犯と過ごした。
誘拐犯は凄く変な表情をしていたがそれも当然だろう。
なぜならその時の私は笑っていたのだから。
幸せだった。
虐めもなくきちんとした食事にお風呂、更には寝所。
こんなにも揃っているのだから仕方ない。
心にゆとりが生まれた。
そんなものはすぐに崩れたけどね。
「お願いします。その人を捕まえないで。お願いしますお願いします」
誘拐犯が警察に捕まっている。
どんな理由があろうとこれは誘拐、罪なのだと警察に言われた。
親が私のバイト代も宛にしていたのだから取り返そうとしたのだろう。
また、私の心は壊れた。
そんのが警察のやることか?私の心のゆとりは関係ないのか?今の私の周りの人達は罪には問われないのか?
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな。
全てに絶望した。
罰ゲームに無理やり参加させられハメられバニーガールの格好で校庭を走らされた。
勿論、怒られたのは私一人だ。
もう耐えられなかった。もう無理だった。
橋に足をかけ落ちようとしたら彼のお爺さんに助けられた。
現在はお爺さんとお婆さんの所に居させて貰っている。
実父とも連絡を時々取っている。
お婆さんとの特訓と自立のためのお金稼ぎで冒険者をやっている。
最近は翔君も泊まっている。
毎日が幸せだ。祝福の時間だ。
私の心は完全に修復された。
P.S. 誘拐犯は釈放されて今では冒険者をやっている。
最初の頃は私が色々教えてあげた。
借りはこれで返せたよね。




