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F級ダンジョン3期ー⑧

 人狼が中腰になり手を少し隙間を開けたような包み込むような形をとりそこのなかに光の玉みたいなものを溜めている。

 隙だらけだ。

 すぐに近づき斬り·····裂けなかった。

 同じ体制のまま、ジャンプをして此方を向いてきた。

 やばい、すぐにそう感じとれる気配をその光の玉に感じだ。

 すぐに後ろに退き回避する。

 先程の場所に極大の極太レーザーが放たれていた。

 広範囲のクレーターができる。

 背筋を冷たい手でなぞられるような嫌な感じが全身を巡った。

 さらに今度は手の平に丸い光の玉、気玉とでも言おうか。

 その気玉を野球ボールを投げるような感じに此方に向けていきよいよく投げてきた。

 すぐに回避、さらに遠くに走る。

 中規模のクレーターができるほどの威力がこもった気玉をあんなにも容易く投げるとは、凄いな。

 一つもミスすることは許されない。

 一つでもミスればその時は文字どうり『死』だ。

 焦るな、焦るな、焦るな、焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな焦るな··········無理だろ。

 いや、めっちゃ焦るよ。

 一つも間違えることのできない戦闘にとてつもなくプレッシャーを感じている。

 こんなとこれで躓く訳には行かないのに恐怖が俺の動きを阻害してくる。

 怖い、怖い怖い、でも諦める訳には行かない。

 夢という話ではない。此処を出るにはあいつを倒さないといけない。

 近距離戦は不利とでも思ったのか先程から気玉しか使ってこない。

 相手はバリバリの格闘型なのにひたすら気玉を放ってくる。

 てか、何時からあんな技使えるようになったんだよ。

 確かに俺には遠距離攻撃手段がないのもまた事実だけども。

 クッソ、これじゃこっちがいずれ体力が切れて負けてしまう。

 本当にキリがない。どうすればいいんだ。

 近づいて斬ろうとしても相手は人型、細かい動きを駆使して躱してくる。

 どうすればいい。どうすれば。どうすれば。


 だんだんと自分の能力が理解できるようになった。

 遠距離からの攻撃を続ければ敵はいずれ力尽きるだろう。

 そうなれば間違いなく我の勝ちになる。

 だけどこの技は魔力をかなり使ってしまう。

 魔力は我々の力の源、魔力が尽きたら我が負けてしまう。

 敵の体力が尽きるのが先か、我の魔力が尽きるのが先か、速く大きな一手を取らなくてはいけない。

 先程のレーザー攻撃は魔力の一割を使ってしまう。

 連発はできない。どうすれば勝てるのか。

 スピードは少し負けているが攻撃や防御は我の方が圧倒的に上だ。

 一撃でも当てればいい。

 だが、その一撃が難しい。

 近接からの殴りもギリギリで躱され、衝撃波での攻撃も躱され、レーザー攻撃も躱され、気玉攻撃も躱される。

 躱されない攻撃をするか反応しきれない攻撃をするか圧倒的な広範囲攻撃をするしかない。

 躱されない攻撃は難しい、スピードで負けているからな。

 反応しきれない攻撃も同じ理由で無理だろう。

 圧倒的な広範囲攻撃は万全な魔力ならいけたかもしれないが今は無理だ。

 クソ、埒があかない。

 にしても、なぜここまで戦うのだろうか?よく分からない。

 敵の方が不利なのにどうしてここまで戦えるのだろう。

 なぜ、まだ立ち向かえるのだろうか。

 そんな疑問が沸いた。

 気になる、始めての好奇心だった。


 なんとかして相手に接敵して腕か足を切り落とす。

 相手の機動力を少しでも下げないと俺には勝ちめどころかまともに攻撃を当てることもできない。

 ひたすら観察を続けてわかったことがある。

 気玉と気玉の間に1秒の溜め時間があることがわかった。

 今の秒単位の戦闘では1秒でも致命傷の隙になるのだ。

 だが、相手もそれはわかっているだろう。

 足での跳躍などを駆使して躱してくる。

 そしてあの破壊力の気玉を放ってくる。

 地面に着地して決意を固める。

「やるしかない。頑張れ俺。まけるな、おれーーーーーー」

 自分自身に言い聞かせるように叫んだ。

 相手に比べたらそこまで大きくないがそれは俺が人間だからだろう。

 そもそも今のは雄叫びではなく気合いの叫びだ。

 人狼に向かって駆ける。

 気玉が俺の正面に投げ込まれるがそんなのはギリギリで躱して駆ける。

 止まってはいけないそんなことをしてしまえば格好の的だ。

 1秒足らずに相手に接敵する。

 右斜めに飛び散るように逃げようとするがそんなのは予想の一つに入っている。

 相手の膝目指して短剣を横に振る。

 カキン

 金属が弾ける音が聞こえる。

 予想はしていたが実際に起こるとへこむな。

 すぐに相手の後ろに回り込み膝の裏に短剣を刺し込む。

 刺さった。すぐに横に斬り短剣を抜いた。

 やはり人型なだけあって弱い部分も似ているらしい。

 確かに相手の筋肉や毛皮さらに骨は硬かった。

 だが、皮膚が薄い部分、先程の膝の裏みたいなところなら攻撃が通じることがわかった。

 これならまだ勝機はある。


 まさかこの短時間で我の弱い部分に気づくとは。

 やはり敵の方が戦闘に慣れている。

 これは真似てみるのもいいかもしれない。

 敵の戦闘センス、相手の弱点を探す観察眼、的確に相手の攻撃を無駄なく躱すその動き。

 どれを取っても素晴らしい者だ。

 だけどこのままなら我の勝ちは揺るがない。

 自分自身の弱点など自分が一番詳しい。

 弱点に攻撃されないように注意しながら気玉の攻撃をする。

 いや、気玉だとあまり効果が感じられない。

 危険だと思うが近接戦闘に切り替えるべきだろうか。

 敵はスピードを利用しての攻撃。多分、元々の攻撃力の低さをスピードでの相乗効果で補っているのだろう。

 相手のスピードに制限が掛けることができたら此方が確実に有利になるだろう。

 だけどそんなことはできないだろうな。

 そこまで簡単な敵なら今頃木っ端微塵にできているからな。

 ならばどうする。どうするのが正解だ。そもそも正解なんてあるのか。

 敵に集中しながらそんな考え事をしていた。

 敵と目があった。ゾワっと嫌な感じが全身に過ぎる。

 なにかは分からないけどとにかくやばい、それだけは分かる。

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