丁重なお断りーデメリット編ー
奏がデメリットを言ってきた。
「そういえばまだ、デメリットを話していなかったわね。まず、一つ協会からの依頼。ギルドに参加していないソロやパーティや小規模ギルドなんかには依頼はいかないけど。うちみたいにかなり大きいギルドには依頼がくるわね。依頼内容的にはレイドへの全面的な協力。迷宮崩壊が起きた時の対象なんかが基本的な協会からの依頼ね。だけどこれもギルドが適材適所を決めるから。翔さんが、ソロで活動したいなら基本的には迷宮崩壊に送ることはないわね。階級の高いアーティファクトが欲しいなら別だけど。ただしレイドには臨時のパーティか、ソロで参加はしてもらいます。それがギルドの務めの一つでもあるからね」
これに関しては俺にはデメリットに感じない。
俺の夢は最強になることだ。そのためには一人で、迷宮崩壊に勝てる実力が欲しい。
その面でもきっとギルドはサポートしてくれるのだろう。
「もう一つは手続きね、どのダンジョンに行くかは事前に知らせて貰いたい。旅行とかも知らせて欲しい。現在地がわかれば迷宮崩壊の際に指示がだしやすい。それに不満を感じる人もいるからね。デメリ
ットにさせてもらったわ。うちのギルドにはそういう人はいない。少数精鋭だとチームワークがとても大切だからね。翔さんもうちのギルドに入るならいつかはパーティを組むかもしれない。ギルド内での功績によって地位が上がったら、私みたいにスカウト権限が与えられる。自分でスカウトした人を自分のパーティメンバーに加えることはよくあるわよ」
うぅぅ、確かにデメリットを言っているが、メリットも言ってくる。
上手いな、スカウトに慣れているのだろか?
◇◇◇◇
うちの娘がこんなにもスカウト上手だったとわ。
こんな一面を見られて父親としては嬉しいね。
だけどギルマス的には悲しいかな。
いずれは奏にギルドを譲るが、今じゃない。
まぁ、今でも問題はなさそうだけど。
◇◇◇◇
「この二つのデメリットをあげても他の大規模ギルドにも同じことは言える。更には大人数なだけあってうちよりもサポートは充実しているでしょう。さらにもう一つのデメリットをあげるなら、入った時点で、マスコミにはマークされるでしょう。うちのギルドは何度も言っているように少数精鋭、スカウト式だから、入っただけでもかなりの知名度になる。いずれは終息するだろうけど、入ったらしばらくはネットなどでも噂されるかもね。勿論いい意味でも、悪い意味でも。うちに入りたい人もいるけどスカウト式だから断った人も多いの。だから恨みをかっているかもね」
確かにそれはかなりのデメリットだ。
ますますギルドに入る気が失せたな。
「だけど、裏を返せばその実力を見せつければ皆は納得するでしょう。恨みを持つ人も的にはならないでしょう。今後、冒険者がどのようになるかやこの世がどうなるかはわからない。でも今は少しでも有利な地位を持った方がいいと思う。貴方がもしも最強を目指すならいずれはギルドに入らないといけない。自分でギルドを作るのもありだけど。最低で10人はいないとギルド建設の許可は降りない。宛はあるの?ないならやはりギルドには入るべき。さらにはうちは人数が少ない分一人一人のサポートは本当に惜しまない」
完全なるメリットをあげてきやがった。
心が揺らぎそうだけど、今は別にギルドに入らなくてもいいんだよな。
「俺はそもそもギルドには入る気がないんだ。だからお断りする」
◇◇◇◇
そこまで断るのか。
ーーーて、私の出番全然ないやん。
ギルマスの立場は?父親の威厳は?個人ランキング上位の私のこの場での立場はなんなのさ。
いつの間にか主導権が、奏に移っているよ。
娘の成長に喜ぶべきなんだろうけどね。
なんか複雑な心境だよ。
だからそろそろ私、ギルマスの本分をやろうかな。
◇◇◇◇
ギルマスこと要さんが、
「もう一つのデメリットはやはり給料かな。君がギルドに入らない理由にはこれが含まれているのでないか?」
言ってきた。
別にお金には困ってないが、両親にお金に関しての手伝いはあまりしたくない。
そんなんじゃただの寄生だ。
ていうか、ギルドに入るとお金に関するデメリットがあるのか?
俺が不思議そうなか顔をしていたからだろうか、要が少し「え、」って反応していたが、知らんもんは知らん。
「ソロやパーティなんかはダンジョンで手に入れた資源を売って換金したものを自分達だけの分だソロだと全て独り占めだね。だが、ギルドに入ると換金はギルド経由になるので、ギルドからその時に応じての報酬になるんだよ。その点が金に関するデメリットだ。その代わり税金はかからないおまけ付きだけどね」
なるほどね。確かにそれはデメリット、と言っても過言ではない。
独り占めできるものをギルドに少し譲らないと、いけない。
その分ギルドに貢献しているのだろうが、それで自分の報酬が減るの痛い。
無視していたが、ギルドを作るのに、9人の協力者が必要なんだな。
複数ギルドマスターがいるのかな。
◇◇◇◇
私はこの男性筒井 翔に少し興味があった。
遠目からでもこちらの視線を感じ取り、さらにはアーティファクトの種類も把握されているだろう。
もしかしたら数までも。
対面からの会話や動きを見て、本当に強いと、感じる程に彼は強い。
同じギルドになれば色々話す機会があるだろう。
そうなれば色々話したいな、そんなことを思っていたけど、まさかこんなにも断られるとわ。
かなりの上位ギルドのはずだから即答でYESの返事が聞ける、と慢心していたのだろう。
コレからはこの慢心も直したいな。
だけど別にここで断られても彼を入れることはできる。
やり方はせこいかもしれないけど、まだ彼は他のギルドに目をつけられていない。
そこが唯一の救いかな。
もしもすぐに彼がマークされていたら、私のせこい、と思われることができないからね。
まぁ、これを成功させるには彼が強くないとダメだけど、すぐに強くなるでしょう。
私もうかうかしているとすぐに抜かされそうね。
気をつけないと。もっと強くなりたいな。
今後の設定が大変そうだな〜




