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織田信長前編

 薄暗い空間に石のレンガが綺麗に敷き詰められたような壁に後ろにはでかい扉が存在する。

 多分、いや、確定でダンジョンのボスエリアに続く扉だろう。


迷宮発生ダンジョンリポップに巻き込まれるなんて」


 迷宮発生ダンジョンリポップとはダンジョンの入口たるポータルを生成する前に起こる現象であり、今では発生する前に国内放送があるのだが、今回は何故か反応されずにダンジョン発生に巻き込まれたようだ。


「しかも最下層かよ。上に登るのはきついな。迷宮崩壊ダンジョンフロンティアに巻き込まれ、その次は迷宮発生ダンジョンリポップね。これは幸運なのか、不幸なのか、日向が居るし不幸だな。まずは日向の安全を、⋯⋯ここに安全があるとしたら俺のそばか、ここのダンジョン難易度も分からないのが1番辛いな。どうするか日向に相談しないと⋯⋯日向起きているか」


 隣に倒れている日向を揺する。

 むにゅむにゅと口を動かした後に薄らと目を開けて、ぱちぱちと数回瞬きをしてから起き上がり周りを見渡して、俺と目が会った。


「せっ先輩!⋯⋯これはいったい?」

「ああ、迷宮発生ダンジョンリポップに巻き込まれたようだ。これからどうする?」

「うう〜ん。1番安全なのは先輩と一緒に居ることですが、ここは最下層のようですね。ボスエリアに行くための扉のような気がしますし。⋯⋯挑むしかないですよね。私、足で纏に⋯⋯うう」

「こんなところでも冷静とはな。ああ、挑むつもりだ。しかし、日向の完全な安全は保証できないかもしれない」

「はは、現実身が無いですからね。国内放送もなかったし。仕方ありません。何とか、逃げ切りますよ」

「はは、何とか⋯⋯いや、絶対に日向、君を守るよ」

「////ひゃ、ひゃあい」


 そして、扉に入ると、ボスエリアは3メートル下に凹みがある空間になっていたので、通路からはボスは見えない。


「これは、幸運だな。日向はここで待っておいて」

「はい」


 そう言って日向は俺の右手を自分の近くによせる。


「絶対、絶対に生きてください」

「─────ああ。当たり前だ」


 そう言って通路から降りてボスエリアに足を落ち着け、目の前に顔を向けて鑑定を使う。

 しかし、鑑定を使用する前にそのボスの雰囲気に、オーラに、驚愕した。

 服装は完全に武士、見た目はおっさんで刀を腰の鞘に収めている。


────────────────

 織田信長〘転〙 S級

 過去の偉人が転生した姿。

 自身の後継者を探している。

 強い!やばい!パネェ!

────────────────


「くっそ、最後の分のせいでほんとか分かんねぇ」


 深呼吸をして冷静になってからラプラスを刀に変え、1本のラプラス刀を構え、ウリエルを万能靴に纏わせる。

 最近、さらに万能靴に良く絡み合っていい感じになっているような気がする。

 織田信長の目は完全に真っ赤に光っていて、知性を感じさせないが、そのまとっている気配や雰囲気がそんなのを全く思わせない。

 同時に地を蹴って刀とラプラス刀をぶつけ合う。

 互いに後退した後に再び刀をぶつけ合って火花を辺りに散らし、金属音が響く。

 中腰になり、刀を引いて、地を蹴って織田信長に接近と同時に引いていたラプラス刀を前に突き出す。

 さらに、風を纏わせているので威力も申し分なかった筈だった。

 織田信長は冷静にその突きを見た後に、右手に構えていた刀をシュッと下から上へと振り上げてラプラス刀を弾く。


「なっ」


 中に身を寄せてしまった俺には隙だらけで織田信長はステップを踏むどころか歩いた素振りすら見せずに接近し、刀を斜めにスライドさせる。

 2段ジャンプを利用してそこそこ後方に避難したが、織田信長の剣筋が刀のリーチより少し伸びていた事もあり、少しかすり傷を負ってしまった。


「完全に刀の腕は相手だな」

「貴様は読みやすい」

「!!」


 こいつ、喋るのか。

 そりゃあそうか、相手は元々日本人だった訳だし。

 しかし、読みやすい⋯⋯ね。

 原初の火人の特訓によく言われていたな。

『的確な所を狙い過ぎ』とか『隙が会ったらすぐに攻撃する』とか『遅い。単調ならより鋭く、より速くだ』とか言われたな。

 隙が会ったら攻撃する癖は本当に辞めた方が良いようだ。

 隙をわざと作られてその罠にハマる可能性があるかららしい。


「覇龍、一の太刀」


 そう言って横に刀をスライドさせると、その斬撃が素早く、静かに俺に迫ってきた。

『気』でも『魔力』でもない完全なる、純粋たる自身の気配であり、オーラを使った斬撃だった。

 特訓中に原初の火人もやっていたが、俺には出来なかった。

 それが、俺と織田信長の力量の差を表していた。


「覇王」


 まさにその言葉が相応しい力を持ち、戦い方も冷静に判断している。

 その威厳も、雰囲気も、気配も、全てを見ているだけでひしひしと感じる。

 こいつには勝てないと、逃げろと、俺の本能的な不確定要素が叫んでいる。

 しかし、勝てなかったらどうなる?俺が死ぬのはまだいいが、日向が死ぬのだけはダメだ。

 俺が、責任を取らなくてはいけないのだ。

 逃げろ?どこに逃げ場あるのだ?日向を囮に?出来る訳がない。


「俺は⋯⋯」


 ⋯⋯覇王だろうと勇者だろうと魔王だろうと神だろうと⋯⋯


「⋯⋯全てを超えて見せる」


 そこから湧き上がる高揚感を感じなら冷静に織田信長が放った斬撃を見る。

 多少の空間の揺れにしか見えないが、触れるだけで切り飛ばされるだろう。

 覇龍。織田信長の技なのだろう。

 それを、真正面からぶち飛ばす。


「神風琉。【壱風の太刀】」


 風の縦の斬撃と、純粋な覇気の横の斬撃がぶつかり合い、火花を散らす。


「ぐっ」


 何とか相殺には持ち込めたが俺が地面を滑りながら後ろに下がる。

 しかし、体制は崩さなかった。

 ラプラス刀の先端を覇王─織田信長─に向けて、高々に宣言する。


「俺は、如何なる敵だろうと壁だろうと超えてみせる」

「くだらん」


 今、この瞬間に俺は、俺は新たな力を求める!


 《承認。一定の条件を完了しました。ダンロード完了》

 《秘宝名:ラプラスに破聖》

 《秘宝名:ウリエルに破邪》

 《解除完了》


 流れこんでくる破聖と破邪の使い方。

 破聖は聖なる物を破壊し、破邪は邪なる物を破壊する。


「なんか、言い方が変わった気がする。気の所為⋯⋯では無いかラプラスとウリエルはシステム的にもラプラスとウリエルになった。とゆうことか」


 天の声の言い方が変わった事は気になるが今はそれどころでは無い。

 ダウンロード?が完了した事によってラプラスの思考能力が上がっている。

 それによって織田信長の解析で得られる情報が増えた。


「これは⋯⋯なんだよ」


 織田信長は邪でも聖でもない。

 近い言葉で言うなら霊だろうか?それもピンとこないな。


「そうだな。⋯⋯覇、かな」

「くく、我の存在に気付いたか。我は魂的存在のまま転生を果たした。本当なら人間に産まれたかったが、誰かに邪魔されたな。この空間に閉じ込められておるのだ。全く誰だろうな?まあ、今は関係ないか」



 原初の火人は火人として転生を果たしているが、織田信長は半端な状態での転生を果たしたようだな。


「ほう。陰と陽は消して混ざらない物質の筈だが⋯⋯それは違うのか」


 右靴にラプラス、左靴にウリエルにして、刀をラプラスとウリエルを混ぜる。

 最近めっきり混ぜる事をしなかったのは細かに変化させた物体の方が性能が良く、混ぜるとなかなか上手い形を作れないからだ。

 しかし、相手は邪でも聖でもない()なのだから。

 しかし、邪と聖が合わさる事によってこれもまた、違う物質に変わる。


「さあ、行くぞ」

「来い!小童が」

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