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日向とお出かけ後編

 ベンチで休んでから15時になったので俺が決めたスケジュールで動く事になった。

 俺が行く所は勿論冒険者用の店じゃあない。

 動物園だ。

 何を隠そう俺は大のモフモフ好きなのだ。

 日向に聞いても良いと答えたので動物園に行く事になった。

 最後に行った時は中3の頃だろうか。

 その時とはだいぶ動物園は変わっている。

 主に魔力が世間に出回って突然変異した事によってだ。

 そして、今回1番見たいのは狼だ。

 人狼の親戚ではないよ。

 今時、狼のお触りは簡単に出来るようになっている。

 さらに、魔力によって突然変異を起こして知性が上がった事によりさらに飼育が簡単になったようだ。

 動物園に入りそのまま狼触れ合いエリアに向かった。


「先輩は相変わらず動物が好きなんですね」

「はは、まあな」


 そう言って、空いている狼を探して⋯⋯見つけたので寄ってみる。


『ほほう。また、恋人か。けっ!』

「えっ」

「わ、私たち恋人、⋯⋯じゃ⋯⋯ない⋯⋯⋯⋯よ」

『そうかい。なら良かった』

「あんた、苦労してんだな」


 周りを見れば大抵狼は2人1組だった。

 知性が上がった事によりボスが一体とゆう価値観が狼から消えた。

 完全に国民主権みたい。


『言わないでくれ』

「「はは」」


 さすがに乾いた笑いしか出てこなかった。

 そして、周りを見渡しても喋っている狼はこの前の狼だけだった。

 いや、訂正しよう。他にもカタコトだが喋っている狼はいる。


「どうして君だけこんなに流暢なんだ?」

『さあな』

「さ、触っていいか?」

『大体みんな触るよ。勝手に』

「そっか」


 そう言って俺は胴体を、日向は頭を撫でていると、狼の尻尾が揺らりと揺れている。

 撫でられるの、好きなんだな。


『それよりも坊主、お前⋯⋯人間か?』

「何言ってんの?人間に決まってるだろ」

「そ、そうですよ先輩は先輩です!」

『それって人間関係なくね?』「それ、フォローになってなくね?」

「チラ」『チラ』


 綺麗にハモった。

 そして、見つめ合う時間が少し過ぎて日向がその気まずい沈黙を破った。


「そ、それよりも、どうしてそう思ったんですか?」

『ああ?あんたには見えないのか?⋯⋯いや本人にも見えてないのか。それよりもお前にもなにか⋯⋯いや、辞めよう』


 なにかに気づき、怯えて居るような感覚でそっぽを向く狼。

 俺が人間じゃあないと思われ、日向の中に何かが眠っていると。

 どうしてこんなに色々知っている奴が俺の前に沢山現れるのかな。


『それよりも、その腕輪、道具か?』

「?さぁな俺達人間はアーティファクトと呼んでいる。そしてこれは相棒の2つ?2人だな。右がラプラス、左がウリエルだ」

『⋯⋯(こいつ、完全に2人で認知している事に気づいていないのか?2つから完全に2人に変えてるぞ)』

「どったの?」「どうしたんですか?」

『いや、別に』


 そんな会話を続けながら丁度良いので色々質問していく。

 勿論、胴体は俺が撫で、頭や耳の付け根を日向が撫でていく。

 耳の付け根や顎は後で俺も撫でさせて貰おうかな。


「他にも感じないか?」

『さあな。他の魂が感じるぐらいだ。さっきの人間じゃあない気配が今は一切ないな』

「じゃあ、私は?」

『あんたは、ずっと眠っている?違うな覚醒していない?んん〜なんか例えが上手くまとまらない。なんだろうか?自覚をしていない?ん、上手く説明出来ないがなにか凄いモノだ。そう!凄いモノ』

「お、おう」


 日向に眠る力か。

 少し鑑定はダメなので(個人のプライバシーがあるしね)解析で本気で探る。

 まじまじ見ていたのが気付かれたのか日向がこちらを向いて、目があって2秒程見つめ合った後に日向の顔がかァァと真っ赤になり、反対に顔を向ける。

 俺の目で負えない程の速度だ。


『グルル』

「えっ」


 なんか凄い目付きで睨まれるのだが⋯⋯気の所為とゆう事で。

 ふむふむ成程成程。


「全く見えんな」

『それは私も同じだ。ただ、気配を感じるのだ』

「本能的なところか」

『そうだな』


 そして、狼エリアから出て、グッツ等が売っているお土産スペースまで行き、お土産を買う。

 そして、日向と別れるまでの間まで俺のアイテムボックスに仕舞う。


「便利ですね」

「そうだな」


 そう言ってアイテムボックスの箱をまじまじと覗く。


「まあ、これもシステムのお陰なんだけどね」

「システム?」

「ああ、気にしなくても良いよ」

「そうですか」


 未だに頭に疑問符を浮かべている日向の手を掴んで色々な所を見る事にした。


「フェ〜」

「さあ、次はパンダでも見よう!」


 今ではどんなところでもパンダを見る事が出来るので珍しさがないと思われガチだが、パンダはそれでも数が少ないので見る人は多い。

 どこでも見れるならそこまで多くないと思われるが、実はそうでも無い。

 繁殖を続けていくうちに色々な模様が目の所に出来るようになったのだ。

 そして、個体によって模様が変わるのでより需要が上がっているようだ。

 そして、今時のパンダは魔力により、例の如く突然変異している。

 しかも、しかもだ。

 パンダは珍しい個体が産まれやすく魔法を使う個体が居るのだ。

 そして、ここの動物園にも魔法を使うパンダが居る。

 檻などを破壊して出て行きそうな気がするが、使役系のスキルを持っている人が飼育員をしているらしい。


「初期現スキル使役系。ファンタジー名物魔獣使い」

「なんか、先輩違う事を楽しみにしていますか?」

「いや、パンダが1番気になるぞ。ただ、使役されたパンダがどんな生活を送っているのか気になってな」


 そして、案外予想外な結果だった。




 パンダが2本立ちして、高速な動きでフラフープを潜ったり、跳躍して回転しながら水を噴射し虹を形成したりと、パンダでは有り得ない芸当を次々としていた。

 そして、休憩となって椅子に腰掛けながら飲み物を頼んでいるパンダはとてもシュールだった。

 しかも飲み物を運んでいる奴は使役者だったのだ。

 従者よりも下の主人。まさにそれだった。

 きっとお金を稼いでいるパンダに頭が上がらないのだろう。


「な、なんか凄いですね」

「そうだな」


 1番衝撃を受けたのはやはり使役者が飲み物を使役されている魔獣に運んでいた事だな。

 そして、何故俺が使役関係が分かったとゆうと魔力の紐みたいなもので繋がれているが万能眼で見えたのだ。


「あれ?万能眼って魔力のパス見えたっけ?。え、魔力のパス?初めての単語なのにしっくり来るな」


 そんな感じで繋がっているので使役関係なのが分かったのだ。

 それから夕日がかなり下がってきたあたりで帰る事にした。

 道路を歩いていると、急に地面が暗くなった。

 夕日が沈んだ負けでもないし、上空に何かが出て来た訳でもない。

 地面がそのまま暗くなったのだ。

 そして、黒い何かが地面から出て来て俺と日向を飲み込んでいく。


「せ、先輩!」

「日向ッ」


 手を掴む。

 そして、地面に呑み込まれていった。

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