日向とお出かけ前編
今は日向と色々な所に遊びに行く約束し、待ち合わせの所に居る。
「ふむ、母さんが30分前に行けと言っていたが、やはり早かったのでは?」
どうして我が母親は約束の時間の30分前には絶対に着くように言っていたのだろうか。
父さんに聞いても、「常識だろう」と呆れ顔で言われる始末だ。
そう悩んでいると、フリルのワンピース姿の蒼色の髪に瞳、日向が走って来るのが見えた。
「あっ」
段差に躓いて転けそうになったので、一瞬で近づき地面に落ちる前にキャッチする。
自分の対面の肩と腹辺りを支えているので法律条でもセクハラにはならない筈だ。
しかし、日向の顔は真っ赤だ。ふむ、即座に立たせるのが正解らしい。
「大丈夫か日向」
「ひゃ、ひぁい。ありはとうこはいます」
「熱でもあるのか?」
「そ、そんな事ないです!それよりも約束通り、水族館に行きましょう。私ラッコ見るの楽しみなんですよ。さあ、行きましょう先輩」
「ああ、そうだな」
未だに先輩か。
水族館に着いて日向の見たかった哺乳類、ラッコエリアに着いた。
ワカメを使って寝ているラッコや泳いでいるラッコ等様々だ。
実に可愛い。
A級ダンジョンのミミズとは⋯⋯考えないようにした方がいいな。うん。
「せ、先輩。大丈夫ですか?顔色が優れないようですが?」
「ふ、問題ないさ、ただ、トラウマを思い出しただけだ」
「ラッコに何されたんですか!」
なんか、勘違いがここに生まれた気がするが、見なかった事にしよう。
ラッコを見ているとほのぼの出来て良いな。
ちなみに俺はカワウソ派だ。言わないけど。
ラッコは元々レッドリストに載っていた絶滅危惧種だったが、わりと昔に繁殖に成功し、今ではレッドリストに載っていた事が嘘のようにどこでも見れるようになった。
「あ、こっち向きました。先輩、写真撮りましょう。ささ」
「おいおい、引っ張るなって」
そう言って日向が一瞬でカーソルを合わせて自撮りをする。
しかも、光の角度をきちんと計算し、完璧でプロ級の腕前によりラッコと日向、俺の自撮り写真が出来た。
その後、俺のスマホにもその自撮り写真が来て見てみたら驚いた。
まさにプロだったのだ。
「少し、勉強しただけですよ」
「す、少しか。少しね。少し、少し」
これが少しでいいのかな?
「では、今度はイルカショーに行きましょう」
「せやな」
その後イルカショーに行ったが、あいにく前の席になってしまった。
日向も俺も後ろから眺める方が好きだし前の席だと濡れる。
レインコートも傘も持ってないが、ラプラスとウリエルがあるので問題ない。
ちなみにお出かけは集合時間から15時まで日向が決め、その後解散までの21時までの予定は俺が決める事になった。
別に全部日向が決めて良いよと言ったが、「それはダメです!」と拒否されたのだ。
「わお」
イルカは4メートルはある。
どうしてこんな大きさかと言うとダンジョンが出来てから周りに魔力が帯びるようになり、魔力によって変異したのだ。
動物以外にと人の子供にも魔力による突然変異が起きたり、奏さんや日向みたいに髪の色が変わったりする。
髪の色でその人のユニークスキルの大体の属性が分かると言われている。
そう考えると日向は水属性かな?
ユニークスキル以外にも初期スキルや他にスキルを持っている可能性がある。
「あ、水がっ」
「大丈夫大丈夫」
ラプラスとウリエルを傘替わりにして水を弾いて、床から飛んできた水も2段ジャンプをその場で座りながら使い、水を飛ばす。
2段ジャンプの応用だ。
しかし、液体ぐらいしか弾けない。
「ふう〜先輩のアーティファクトが無かったらびしょ濡れですね」
「はは、そうだな」
それから10回転ジャンプでフラフープ(巨大)を潜る等のショーを見ることが出来た。
「どんだけ回転できるねん」
「これも魔力の影響ですかね」
「そうだろうな。魔力、不思議だ」
「そうですね〜」
そして、そろそろ昼時なので水族館の中にある食堂に行くことになった。
水族館なので食べ物は勿論、魚類だ。
しかも食堂は水の中にあるような構造で天井には魚が泳いでいる。
その中で魚類の食べ物を食べると言う悪趣味な食堂だ。
「凄いな」
「食堂で魚を見ながら魚類の食べ物を食べるとわ。なんか罪悪感が」
しかし、俺が頼んだマグロ定食を食べるとその罪悪感が吹き飛ぶ程の美味しさだった。
「う、美味いな」
「そうですねとても美味しです。この魚を見ながらの食事も良いですね。和みます」
「そうだな。慣れって怖い」
それから水族館で色々な魚が泳いでいる所を見ることが出来る通路を通っている。
右も上も左も水の中を見ることが出来る。
天井の光が水中を照らし、水中の中にある光源も明るく水の中をきちんと見える。
透き通る水の中には亀等の温厚的な魚が居る。
それから水族館を出て、デパートに行く事になった。
「先輩、いい服選んでくださいね!」
「俺にはそんなに見る目ないと思うけどな。機能性や耐久力は分かるけどね」
「そこよりも見た目で選んで欲しいです」
そして、服屋に行き、色々な服を試着した日向を見るが、どの服も完璧に着こなしてどれも似合っていて、ぶっちゃけどれでも良くね?状態だ。
「ふむ、どれも似合っていると思うぞ」
「ええ、ちゃんと決めてくださいよ」
「うう」
本当にどれも似合っていて、更には周りの目線も痛い。
男性からは嫉妬の視線で、女性からはしっかりしろと言う視線だ。
全く持って気まずい。
それからワンピースに麦わら帽子とゆう完全夏服も日向には似合っていた。
「やっぱりどれも似合っているよ」
「ぶぅ〜。ちゃんと決めてくださいよ」
自分でぶぅ〜って言いますか?
それから色々な所に行って今は景色のいい所のベンチに座ってのんびりしている。
「日向、そろそろ先輩呼び辞めないか?」
「んん〜。私にとっては先輩は先輩ですから。それに、まだ心の準備とゆうか展開とゆうか」
「ん?なんだそれ」
「き、気にしないでください」
「ん、分かった」
「案外軽いですね」
「え?」
「いや、なんでもないです。ちょっとした質問ですが先輩って鈍感なんですか?」
「は?んな訳ないだろ。俺はかなり敏感だぞ。人の感情がかなり分かるからな」
「それって敵意とか?」
「そんな感じだ」
「好意を感じたことは?」
「はは、俺に好意を持つ人なんていないよ」
「そうですか」
「い、痛いよなんで、辞めて、なんですね蹴るの?辞めて、痛い痛い」




