エピローグ
彼女は29歳になっていた。
男と最後に会ってからもう1年が経っていた。
男とはあの日を境に会ってはいなかった。
連絡先はまだ知っているが、彼女はおそらくもう2度と男と会う事はないだろなと思っていた。
2人はお互いの素性を深く話合い、お互いの傷を見せ合い、励まし、別れたのだ。
風の噂で、あの男が数ヶ月前に結婚したという話を耳にしていた。その相手は誰なのかは知らなかった。
良い噂は悪い噂より、広まるのは遅いのだ。
それは友人のあきなから聞いた噂話だった。
あきなも男とはずっと会っていなかったらしい。
そして、彼女は男を心の中で祝福した。
あきなは4ヶ月前に新しい恋人ができた。
その相手も彼女はどんな人なのかは知らなかった。
彼女は親友の幸せをただ願っていた。
そして、彼女は恋人なしで独身のままだった。
けど、変わった事は沢山あった。
部屋の引っ越をした。
鏡を見る事より、何か楽しいものを見る方へと時間を使い、新しい何かをいくつかはじめた。
彼女はあれからも落ち込む事はあったが、深い海の底に沈む事はなかった。
カボチャの夢の話はもうほとんど忘れてしまっていた。
彼女は今、そこにはいないのだから。
失っていくもの以上に、楽しい何かを沢山得ているのだ。
そして、失わないものを持ち続け、増やし続けている。
彼女は今、何にも繋がれてはいないのだ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ここで話は終わります。
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ありがとうございました。




