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異世界転生!!

辺り一面を見渡すとなんやら変なフードを被った人々が歓声をあげていた。

「うおおおお!勇者様が転生なさった!」「これでわがアウスト王国も安泰だ!」…

「え、なんやなんや。君たちは!てかここどこや、まさかもう転生したのか?」

場の状況がつかめず困惑していると、フードを被った連中の中からわいよりも年食ったオッサンが出てきた。

「何をおっしゃられてるのです勇者どの。我らは今、勇者を迎える儀式をしていたのです!あなたは選ばれた勇者なのです!詳しくはアウスト公国の王に謁見すると良いでしょう。今からご案内いたしますぞ!」

「まあ、なんかよう分らんがよろしくな…」


儀式が行われてたのは、どうやら小さな公民館みたいなところだったようやな。にしてもなんや、この風景、中世のヨーロッパにでも来た気分や。

さっそく、年食ったオッサンに付いて行って街中を進んでいった。

「ところで、お名前と年齢、出身地とかお聞きしても?」

「あー、わいか?わいの名前は木下。木下豊や。年齢は45歳、出身は地球の日本の大阪の道頓堀の横!」

「え、45歳…?」

「ん?何かどうかした?」

「あ、いえ、こちらの話でして、、(おい、誰だよ45歳の転生者よこしたエージェントは?、え?求人募集に手違いがあって25歳までのところを50歳までに誤表記しちゃったって?)」

「なーんか君等の話してる小声が気になるなぁ」

「あ、いえそんなとんでもありません!わざわざはるばる地球から、ここアウスト公国に来ていただき、私達一同感謝感激です!」

「せやせや、人間な、そういうとこが大事なんや、ハハハ!よおし、気に入った!木下さん、頑張っちゃうぞー!」

「(転生エージェントに払った金国家予算の3分の1だぞ。こんな奴に3分の1も使っちゃったのかよ、これは首が何人飛ぶか分からないぞ!お前ら、今のうちに覚悟しとけ!)」


「さあ、木下さん、着きました。ここがわがアウスト公国の王宮でございます。王はこの奥にいらっしゃいます。くれぐれも粗相の無いように」

「わかっとるわ!これでも10年前は営業やってたんやで?王だかなんだか知らんけど、やったるわ!」

どうやらフードの被った連中はここでお別れのようだ。一人、さっきまで会話しとった年食ったオッサンだけが王宮内にもついてきた。

「にしても、この王宮しけてんな?警備兵もおらんやん」

「いかんせんアウスト公国は貧しい国でして、城の兵士も今は出払って農民と一緒に畑を耕しております」

「なんや、わい、そんな貧乏な国に呼ばれたの?もうちと金持ちの国が良かったなぁ。これやといつ国が破綻してもおかしく無いやん。」

「そ、そんな失礼なこと、決して王様の前で言ってはなりませんよ!(あーもう怖い、この人本当になんなんだ…)」

「あはは!君はこの城の中間管理職みたいなもんなんやな。分るでその気持ち!色々な人にペコペコせえへんとならん。一番大変な職業や」

「(とほほ、はやく定年退職にならないかな)さあ、こちらです。この先に王様がいらっしゃいます。私はここでお待ちしております」

こんこんこん。こんこんこん。

なんや、全然反応無いやん。

「あ、普通にそのままドア開けちゃって大丈夫ですよ」

「あ、そうなん?だったら最初から言いなはれや。ドアノックするのが故郷のマナーなんでな」





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