第八十話 賢いサーシャ
エルの話しを聞き終えた二人が娘の幸せを喜んでいるとドアがノックされ、入ってきたのはサイリールとアソートだった。
二人と一匹はサイリール達を見て駆け出していた。
フォウはサーシャの頭の上に移動しただけであるが。
「ぱぱー!にーにー!」
「パパ!おにいちゃん、おかえりー!」
ファニーはサイリールに、サーシャはアソートに抱きついた。
フォウはアソート経由でサイリールの肩に移動していた。
「ただいま、遅くなってごめんね。二人ともいい子にしてたかい?」
「ただいまー、二人ともー」
そう言いながらサイリールは、ファニーを抱き上げ、アソートはサーシャを抱き上げていた。
「おかえりなさいませ、マスター。アソート様」
「うん、ただいま。特に何もなかった?」
「はい、特に何もございませんでした」
「そう、良かった。もう少ししたら夜の食事に行こうか」
そうして子供達を抱えたまま、二人はソファーに移動して腰を下ろした。
夕飯に行くまでの短い時間をなんとなく会話をしつつ過ごしていた。
なんとなく会話をしているとついさっきの子供達の話しになった。
「まぁ、やらないよりはやる方がいいだろうという結論にはなったんだけどね、どうなんだろうね」
「私もそれで良かったのではないと思います。何もしないよりは」
サイリール達の会話にファニーはよく分かっていなかったが、サーシャはなんとなく理解したようだった。
まさかここまでしっかりと理解するとは思っていなかったので、サーシャが言った言葉に驚いてしまった。
「サーシャはよかったとおもう!もしサーシャだったら、おかねがなくてつらくて、おなかぺこぺこで、そんなときにやさしーひとにごはんもらっておかねももらえたらすごくうれしいよ!サーシャもおなかぺこぺこのとき、パパたちにごはんもらってうれしかったもん!だから、やってよかったとサーシャはおもう!」
「そっか……そうだといいな。うん。ありがとうサーシャ」
サイリールはニコリと微笑んでサーシャの頭をなでた。
えへへと照れ笑いするサーシャ。
そんなサーシャをぐいっと持ち上げて立ち上がったアソートは、くるくると回ってサーシャを褒めた。
「もー。サーシャはかわいくていい子だなー!ボクの妹はいい子ばっかりだー!」
そんな風にくるくる回るアソートとサーシャを見て羨ましそうに見てるファニーを見たサイリールもファニーを抱き上げるとアソートと同じようにくるくる回りだした。
きゃー!と声を出して喜ぶ姉妹を見て、アソートもサイリールもエルもニコニコとしていた。
そんな事をしているとちょうどいい時間になったので、子供達を連れて食堂へ向かう事にした。
「フォウも一緒でも大丈夫かなー?」
「ああ、そうだね。受付で聞いておこうかな」
階段を下りて食堂へ向かう途中の受付でフォウも同じテーブルに連れて行って大丈夫か尋ねると、おとなしくしてるのであれば問題ないと言われたのでほっと一安心した。
「よかったねー、フォウ」
そう言ってサイリールの肩にいるフォウを見上げてアソートが声をかけた。
フォウはぴぃと鳴いて嬉しげに返事をした。
一行は心配事もなくなったので宿の食堂に向けて移動をしていった。
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