表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/288

第六十一話 不穏な馬車

 あれからいくつかの村や町を過ぎ、次の目指す街はこの地方では一番大きい都市だった。

 話し合いの結果、その街では3~4日程過ごす事にした。


「後どれくらいだろうねぇ。楽しみだなぁ、街」

「アソートは行った事ないのかい?」


 サイリールの問いかけにアソートは首を横に振る。


「ないよー。あると言えばあるんだけど、ほら、前の体の時で檻の中だったからね」

「ああ……。ごめん」

「いやいや、いいよ。あの時は辛かったけどさ、でも今があるのは捕まったおかげもあると思うんだ。だから、気にしないで」


 そういって笑うアソートにサイリールも笑顔を向けた。

 そんな会話をしていたら、馬車の中で子供達の相手をしていたエルが声をかけてきた。


「マスター、後方から怪しい馬車が着いてきております。闇を飛ばして探って頂けませんか?」

「わかった。アソート、中へ入ってエルと交代してもらえるかい?」

「うん、エル、代わるよ」

「はい、宜しくお願い致します」


 エルとアソートが場所を交代し、エルが御者を代わった。

 彼は闇を生み出すと薄くして後方へ流し、自身は目を閉じて闇へと感覚を移した。


 闇にのって後方からゆっくりと着いてくる馬車へと近づいていく。

 御者席にはみすぼらしい格好の男が一人座っていた。

 帽子を目深に被っており、表情が見えない。

 そのまま隙間から馬車内へ入ると数名の男が中にいた。

 それぞれが武器を持っている。

 男達が乗った馬車の後ろにはさらに馬に乗った数人の男もいた。


 手近な男へと闇を伸ばし素性を探る。

 予想はしていたが、案の定山賊だった。

 この少し先の所で街道が林の中を通る、カーブも多いのでそこで後方の馬に乗った男達を先行させ、挟み撃ちにするつもりなのだろう。

 ここを通る前に多少の食料を購入した村で、最近山賊が出るから気をつけろと言われていたのだ。


 闇を戻しつつ意識も戻す。

 小さく溜息をついたのをエルが気づいた。


「マスター、やはり山賊でございましたか?」

「うん、山賊だった。今は誰が見てるか分からないから、闇は薄めて馬車を覆っておくよ」

「はい、承知致しました。マスターが降りられましたら少し先の方で馬車を停車致します」

「うん、闇で覆うから危険はないけど、子供達には見せないようにしてね」

「はい、承知致しております」


 エルの返事を聞いた後、馬車内を覗き込み声をかけた。


「僕はちょっと馬車から離れるけど、すぐ戻るから、アソートと大人しく遊んでいてね」


 子供達は元気よく返事をし、アソートは頷いた。

 それを確認したサイリールは入り口の布を下ろし、エルに頷いてから馬車を飛び降りた。


お読み頂きありがとうございます。


もし宜しければ励みになりますので、評価・ブクマを宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界転生!俺はここで生きて行く

新作始めました。こちらはのんびり進めて行きます。もし良かったら↑のリンクから見てみて下さい。

小説家になろう 勝手にランキング
cont_access.php?citi_cont_id=355223059&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ